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2025年2月26日 13:55

松⽥るか「観終わった後、顔が思い浮かんだ⼈に『かなさんどー(愛おしい)』と伝えるきっかけになれば」 映画『かなさんどー』公開記念舞台挨拶

モスクワ国際映画祭などの国際的な映画祭に出品され、⽇本映画監督協会新⼈賞を受賞した『洗⾻』(2019)の照屋年之監督6年ぶりの最新作 映画『かなさんどー』の公開記念舞台挨拶が2⽉22⽇(土)、TOHOシネマズ 新宿にて開催され、主演の松⽥るか、共演の堀内敬⼦、浅野忠信、そして照屋年之監督が登壇した。

主演の松⽥が「はいたい ぐすーよー 松⽥るか やいびーん(皆さんこんにちは 松⽥るかです)。ちゅーや いんちゃさる時間やいびーしが ゆたしくうに げーさびら(今⽇は短い時間ですが、よろしくお願いいたします)」と沖縄の⽅⾔で挨拶し、照屋監督は標準語の訳をお願いされると「私は沖縄出⾝の俳優をやっています。普段は⽣でヤギ⾁を⾷べます」と冗談めかして答え、会場は笑いに包まれた。照屋監督は「映画は2年前に出来上がっていたのですが、もう皆さんに観てほしくて。作品は我が⼦のようにかわいいので、出産という苦しみを経ての我が⼦がもう2歳になりました。やっと観ていただけることがとても嬉しいです」と感慨深げに挨拶をした。

沖縄に続いて全国公開を迎えたことについて、照屋監督は「スタッフの汗と努⼒が混ざった作品がようやくみなさんに観てもらえます。さらにそれが(公開前の)良いタイミングで浅野さんがゴールデングローブ賞を授賞し、本当にいい追い⾵で、乗っかり商売させてもらいます(笑)」と浅野に深々とお辞儀した。

松⽥は主⼈公・美花を演じたことについて「⽅⾔を使えたのがやはりすごく嬉しくって。まさかこれが⼒になって、しかも故郷・沖縄で撮った作品で真ん中に⽴たせていただけるというのが、すごく光栄に思います」と喜びを語った。また映画のタイトルにもなっている沖縄⺠謡の「かなさんどー(“愛おしい”という意味)」を劇中で歌唱したことについて、「沖縄⺠謡を歌ったことがなかったですが、⽿が慣れていたみたいで、⾃分が気づかなかった沖縄県⺠性に改めて気づかされました。でも普通の歌い⽅と少し違うので、やっぱりそこは難しかったです」と振り返った。

浅野演じるダメな夫・悟を明るく献⾝的に⽀えている町⼦を演じた堀内は、役柄について「照屋監督のお⺟様をモデルにされているとお話を伺ったので、とてもプレッシャーもありました。でも家族をすごく愛そうという気持ちを強く持ちながら演じさせていただきました」と語る。演じる上で特に難しかったシーンについては、「美花と町⼦が喧嘩をする⼤事なシーンで、リハーサルでかなり涙が出てしまって、その後の本番で急に涙がピタッと⽌まってしまいました。それから少し時間をもらい、1⼈の時間を作らせていただいて、気持ちを盛り上げました。その時もるかちゃんが⽬の前にいてくれて、本当に⼼強かったです」と町⼦の演技に苦悩するも娘役の松⽥に救われたことも告⽩。

また浅野が本作に出演を決めた理由について聞かれると、「僕は沖縄が⼤好きで、沖縄のテレビ局でドラマがあったら、ぜひ出演させてもらえないかなって思っていたら、ちょうど本作の台本が届いて、ストーリーがものすごく⾯⽩かったので、やらせていただきました」と明かした。

撮影中に浅野のエピソードについて、照屋監督は「余命宣告されている病⼈役なのに、“監督、ホテルの前が海だから泳いじゃいました”と⾔われ…。また⽬の前にスーパーがあるって⾔ったら、⼊院服のままスーパーに⾏っていました。現地の⼈からしたら映画の撮影していると知らないから、“浅野忠信が沖縄で⼊院しているんだ!”って思いますよ(笑)。浅野さんはすごく⾃由⼈なんです」と当時のエピソードを語り、会場は浅野の⾏動に爆笑が起こった。また、照屋監督は「先ほど堀内さんが⾔われた⼤事なシーンで涙が出ないっていうところが結構苦労された。本番では急に涙が⽌まってしまって、堀内さんの気持ちを作ってもらっている時、スタッフがその場に何⼗⼈といる中だったので、かなりのプレッシャーだったと思います。それから何回もカットを重ねて、やっと涙が出た時は全スタッフで拍⼿して、すごく映画みたいで感動しました」と振り返った。

そして照屋監督は「今作は『許し』をテーマにしていて、ほとんどの⼈が⼈間関係で苦しんでいるはずです。でも苦しい時に⼿を差し伸べてくれるのもいつも⼈間です。そういう中で『許し』とはどういうことなのだろうっていうのを、この3⼈なりの答えを出してくれていると思う」と本作に込めた想いを語った。

イベント最後には、松⽥が「観終わった後に顔が思い浮かんだ⼈に、『かなさんどー』と伝えるきっかけになれるといいなと思っております」と語り、堀内は「疎遠になっている家族や友⼈に勇気を持って、『今度会おう』と声をかけられるきっかけになるような映画にな っていると思います。ぜひ楽しんでご覧ください」とコメント。また浅野は「皆さんと本当に仲良く現場でも過ごしていましたし、僕も安⼼しきって家族の⼀員としてその場にいることができました。この現場から溢れる笑顔がそのまま映画の中に⼊っているので、そ こをぜひ観てほしいなと思います」と語り、照屋監督は「オンデマンドなどで映画を観る時代になってきている中、わざわざ⾜を運んで劇場に来てくれるっていうのが、作り⼿としては報われます。皆さんの⼈⽣の⼤事な90分間を『かなさんどー』にいただき、感謝 しております。是⾮ともその90分、裏切らない内容になっていると思いますので、ぜひ楽しんでいってください」とメッセージを送った。

映画『かなさんどー』 全国公開中
配給:パルコ   ©「かなさんどー」製作委員会

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