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2010年11月1日 02:47

RanRanお勧め映画「黒く濁る村」

10月29日午後、東京国際映画祭「アジアの風」招待上映として、TOHOシネマズ六本木ヒルズにてカン・ウソク監督作品「黒く濁る村」(パク・ヘイル、チョン・ジェヨン主演)が上映された。今年7月に韓国で公開された作品であり、早くも日本公開も予定されている。その日本公開前に一足早く映画ファンにお披露目された。

映画本編上映前にカン・ウソク監督、主演俳優のパク・ヘイルの舞台挨拶が行われた。まず、カン・ウソク監督の「『シルミド』から6年ぶりに皆さんにお会いします。」との挨拶から始まった。この作品の監督であるカン・ウソク監督は多数の映画賞を受賞した『シルミド』の監督である。「これまでオリジナルの作品を撮り続けてきたが、今回はユン・テホの人気同名ウェブコミックを原作として、映像化した。ストーリーの舞台である村にリアル感を出せないならば、この作品の成功はないと、一山削るほど、この村のセットには力を注いだ。そして、2時間41分というとても長い映画だが、これは観客に対する私の挑戦であり、韓国公開時に長く感じない作品だと評価されたことは、私へのほめ言葉である。」と言葉を続けた。また主演俳優であるパク・ヘイルは「元々原作である漫画を愛読していて、原作のヘグクに似ていると言われているが、漫画の作者から私をイメージしてこの主人公ヘグクを描いたと言われ、その言葉は光栄に感じた。さらに、監督からこの作品のオファー(ヘグク役)があり、さらに嬉しかった。そして、経験豊富な諸先輩方と共演できたことは俳優として幸せなことだった。」と率直な気持ちを言葉にしていた。本作品は9月に行われた第18回利川春史大賞映画祭で最優秀作品賞、監督賞など7部門受賞し、そして、この東京国際映画祭上映日の夜に授賞式開催の第47回大鐘賞映画祭にも作品賞、監督賞、主演俳優賞(パク・ヘイル、チョン・ジェヨン)などにノミネートされていた。急ぎ韓国へ帰国しなければならない状況で行われた舞台挨拶であった。最後にカン・ウソク監督は「私より出演した俳優の誰かが受賞してくれれば、嬉しい。でも、パク・ヘイルは演技力がまだだから…。」と。それに対して、パク・ヘイルは「これからも一生懸命頑張ります。」と笑顔で切り返し、会場を和やかにし、東京六本木を後にした。そして、この日の夜、韓国ソウルで本作品は監督賞に輝いた。

カン・ウソク監督の挑戦を受けるべく本編上映が始まった。本作品の邦題は「黒く濁る村」であるが、韓国公開時の原題は「苔」(英題:「MOSS」)である。序盤に検事(ユ・ジュンサン)「苔のように岩にへばりついて、静かに生きろ。」、ヘグク(パク・ヘイル)「いや、苔のように静かには生きられない。」という会話がある。人間の欲望の果てに見える哀しみを描いたミステリーの始まりである。

20年間音信不通だった父(ホ・ジュノ)の死の知らせを受けて、父の暮らした山奥の村を訪れたヘグク(パク・ヘイル)。村長(チョン・ジェヨン)や村人(ユ・ヘジンなど)の協力の元、無事に父の葬儀は済ませるが、父の死因は分からず、不信感を抱く。父の死の真相を探るヘグクを警戒し始めた村長や村人たち。そこには村の秘密や父の素顔、村長や村人の正体が関わっており、さらに30年前に起きた祈祷院集団殺人事件までもが関係していることになり…。徐々に明らかになっていくそれらの秘密が観客を飽きさせることなく、映画は終盤へとつながる。

ストーリー中、ヘグクと父との対峙、ヘグクと村長や村人との対峙を目の当たりにし、若手のパク・ヘイルとホ・ジュノ、チョン・ジェヨン、ユ・ヘジン、ユ・ジュンサンなど実力派俳優との俳優同士の対峙も見応えがあり、長編を作り上げたカン・ウソク監督と我々観客との対峙もこの作品には存在する。

来る11月20日、丸の内TOEI、シネマスクエアとうきゅうをはじめ全国ロードショー上映される。

取材記事:tomomi.S

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