11月5日、東京・目黒雅叙園で『利休にたずねよ』の完成披露会見が行われ、主演で歌舞伎俳優の市川海老蔵、中谷美紀、大森南朋、伊勢谷友介、クララ、田中光敏監督が和装で出席した。この日は記者からそれぞれが思い描く“海老蔵象”を聞かれ、キャストはこぞって市川を称賛。思わぬ“褒め殺し会見”な展開に、市川は「恥ずかしー」と口をはさむなどタジタジになっていた。
7月の完成報告会見で市川演じる利休の妻・宗恩を演じた中谷が、市川について「平成の狼藉(ろうぜき)者」と称して話題になったことから、この日は記者から「それぞれ市川さんを称して一言で表すなら?」という質問が。
これに「海老ちゃん」と呼ぶなど仲も良く7年ぶりの共演となった伊勢谷が「僕も“平成のうつけ者”って言っていたんです。35歳になって変わっているかと思いきや、僕の控え室に遊びに来てまるで自分の控え室かって思うほどくつろいで帰っていって」と少年っぽい一面を告白。続いて、豊臣秀吉役の大森も「いろいろなうわさも耳に入っていますよ」とニヤニヤしつつ、「現場で会ったときに、たたずまいや動きに感動しまして、一言で言うと“美しき怪物”ですね」と仕事ぶりを絶賛した。
さらに、利休が若かりし日に恋心を抱いた高麗の女を演じた韓国女優のクララも「海老蔵さんはわたしのことを温かく迎えてくれました。撮影以外では笑わせてくれるけど、撮影に入ると目の色が変わって、最高の演技の先輩でした」と目をキラキラ。これには中谷も「今日はずいぶん汚名返上できたのでは?」と冗談めかしつつ、「現場ではたいへん真面目で、常に15分前行動でスタッフも共演者も監督も慌てふためくほどでした。現場を引っ張ってくれて、尊敬しています」とベタ褒め。共演者からの褒め殺しを笑顔で聞きながら市川は「やめようよ、恥ずかしよ」と口を挟んでタジタジになっていた。
本作は直木賞に輝いた山本兼一の小説を基に、茶人・千利休(市川)の美意識の秘訣に大胆に迫った歴史映画。織田信長や豊臣秀吉でさえ一目を置き、「茶聖」と称えられた千利休。その崇高なまでに高められた美意識の秘密を、若い頃に体験した情熱的な恋と共に描く。
映画「利休にたずねよ」は12月7日(土)より全国ロードショー!