8月29日(金)、東京・渋谷ヒューマントラストシネマにおいて、12年前に大ヒットした映画『友へ チング』と、その続編として17年後を描いた映画『チング 永遠の絆』の連続上映会が開催された。上映前にプライベートで友達だという俳優の宇梶剛士、田中要次の熱い男のトークイベントが行われた。
黒いスーツ姿で2人が登場。笑顔の2人の挨拶に会場の雰囲気も和み、親しみやすい兄貴といった雰囲気の宇梶剛士から挨拶。
宇梶:「『友へ チング』今回初めて見ましたが、とても衝撃を受けました。久しぶりに映画らしい映画を観たというかんじです。観客としてではなく、知らず知らずのうちにこの物語の中に自分が居たという感覚が幸せでした。」
田中:「今日はこんな格好をして(スーツを着ているので)なんか違和感を感じています。宇梶さんはこの映画にふさわしい過去をお持ちですし(笑)この映画で言うと僕は堅気の方でしょうか(笑)」
―2人は実際にも友達だということで、プライベートではどのような感じですか?―
宇梶:「僕は1つ年上なんですけど、(田中要次さんのことを)心のお兄さんみたいに思っています。深刻な悩みから、LINEの使い方やMacのわからないところなどをすぐに聞いて教えてもらっています。」
田中:「番組で旅を一緒にさせていただいてることもあり、仲良くしていただいています」
―『友へ チング』から12年という歳月を経て『チング 永遠の絆』が作られたわけですが、この時間の流れや変化について、どのように感じましたか?―
宇梶:「年月が経っていて携帯電話が登場したりとかの変化はありますが違和感なく、時の流れが描かれていたのがこの作品の魅力かなと思います」
田中:「ユ・オソンさんが、高校生の役から演じられていて12年前とはいえ、すごいなあと思いました。年月が経っていても外見が変わっていないのにも驚きました。」
―残酷な描写についてはいかがでしょう?―
宇梶:「血が流れたり、凶器が鋭利だったりと怖いんですが、怒りや執念を描くためのツールだと思います。残酷だと思う方もいるでしょうけど、この物語の中のそれぞれの思いが表現されていると思いました。」
田中:「韓国映画の映像の力ってすごいなあと他の作品でも思います。続編ということで、バイオレンスシーンもより強化されている感じです。前作の『友へ チング』をもう一度見なおしたんですが、この監督の見せ方にはひとつのルールというか、同じ法則があるんだなあと思いまして。残酷でありながらも実は上品に見せているなあと気がつきました。」
―『チング 永遠の絆』の見どころについて、ココがイチオシというところはありますか?(田中さんに向かって)―
ここで、田中さんは自身の決めゼリフ『あるよ』を言う段取りになっていたにもかかわらず、それを忘れてしまったらしく、監督についての話を始めてしまう田中さん。
宇梶さんに突っ込まれ、慌てる田中さん。頭を抱えてしまい落ち込んでいます。
―では、お二人のこだわりの男の生き方はどうでしょう、田中さん、ございますか?―
田中:(ためにためて低くしぶい声で)「あるよ!(会場から拍手)この台詞で仕事させてもらっているんですけども、このドラマも前回から13年後ということで、ちょっとこの映画にシンパシー感じていますね(笑)」
―宇梶さんの男の生きざまをお伺いします―
宇梶:(うーんと考えて)「僕は人を殺めたこともないし、刑務所に入ったこともないし、前科もないんです。曖昧なイメージがあるとダメなんで(笑)未成年のうちに改心しましたから。僕は恐怖で人を制圧したり、お金儲けをすることにすごく違和感や敵意を十代の時に持っていました。そういう中で闘ってました。この映画ではその中で生きていかなくてはならない辛さ、哀しさ、その不器用さに心揺さぶられました。この映画、大好きな映画になりました」
―その不器用さには、日本でも『仁義なき戦い』の菅原文太さんにもあったもので、日本人にもわかりやすいですよね。―
宇梶:「僕は菅原文太さんの弟子なんですよ。18歳のときに拾われまして世話になりました」
―田中さんの考える男の生きざま、いかがでしょう?―
田中:「男の生きざまは背中に出てくるものかなあと。友情というものがある種、恋愛に近いものがある気がします。いつも傷を舐め合うだけではなく、嫉妬やライバル心やぐるぐるまわっていたり、刺激しあって愛と闘っているのかと思います。」
―作品の中でのえげつない表現について、好きなシーンはありましたか?―
田中:「あまり言うとこれから見る方にネタバレになりますが、俯瞰で撮っている画がとてもすごいなあと感心しました。少年時代もそうですし、ビックリする場面もあるんですけど。僕はビデオで見せてもらったので、もう一度その場面を巻き戻して見てしまうほど、素晴らしいアイディアで撮られている俯瞰映像だと思いました。」
―キム・ウビンさんは艶かしい顔立ちをしていますが、闘っているシーンでは、非常に躍動感があって魅力的な表情も楽しんでいただけると思います。―
田中:「ひとことで言うなら、『カミソリのような目』ですね」と絶妙なコメント。
その後、2人で仲良くさらに友情を深めるフォトセッションが行われ、終始和やかなムードのまま、楽しいトークイベントは終了した。
『チング 永遠の絆』
【STORY】前作『友へ チング』から17年後の2010年。親友ドンス(チャン・ドンゴン)の殺害に関わった罪を償ったヤクザ、ジュンソク(ユ・オソン)が出所し、故郷の釜山に舞い戻る。しかし組織はずる賢い副会長ウンギ(チョン・ホビン)に牛耳られ、ジュンソクの居場所はどこにもなかった。やがてジュンソクは刑務所で出会ったソンフン(キム・ウビン)という血気盛んな若者を弟分に迎え、ウンギ一味との非情な抗争に身を投じていく。ところがジュンソクと固い絆で結ばれたはずのソンフンが、実はドンスの隠し子だったという衝撃的な事実が発覚。ふたりは、残酷な宿命に翻弄されていくのだった…。
出演:ユ・オソン、キム・ウビン、チュ・ジンモ
監督:クァク・キョンテク
配給:東京テアトル 日活
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公式サイト:ching-kizuna.com
公開:9月6日(土)よりヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国公開
取材、文・写真 RanRan Entertainment