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2020年11月22日 15:09

フランス出身の監督が日本で描くセーラー服の幽霊の純愛物語『海の底からモナムール』 主演・桐山漣オフィシャルインタビュー

映画『海の底からモナムール』

15桐山漣_海

12月4日(金)公開の日仏合作映画『海の底からモナムール』の主演・桐山漣のオフィシャルインタビューが届いた。本作は、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭ゆうばりチョイス部門、大阪アジアン映画祭インディ・ フォーラム部門で上映。監督はロナン・ジル、出演は桐山のほか、清水くるみ、三津谷葉子、前野朋哉、杉野希妃が出演している。

フランスのロナン・ジル監督は、エリック・ロメール監督作品の音楽を担当するなど、多岐に渡って活躍する。溝口健二や増村保造の影響を受け、念願の日本で本作を撮影したジルは、日本のキャストで全編日本語ながら、日本の従来のホラー映画の幽霊とは違う、足があり、セーラー服を着ていて、性欲もある、オリジナリティ溢れるヒロインを描き、ホラーファンもロマンティクなフランス映画ファンも必見の一作となっている。

 

桐山漣さん_インタビューカット

 

桐山漣 オフィシャルインタビュー

『貞子』『呪怨』日本 2 大ホラーを制覇している桐山さんですが、フランス人監督の本作は、今までご出演された日本のホラーとどう違いましたか?

日本のザ・ホラーっていうようなホラーではないという違いがあります。『貞子』であったら幽霊である貞子、『呪怨』で言ったら伽椰子や俊雄くんとかがお化けとしてのルックス・容姿であるのに対して、本作のミユキは、ちゃんと人間の形をしています。白塗りだったり髪の毛が前に垂れていたり、要は怖がらせるような容姿ではないことが大きな違いだと思います。

あと、この二大ホラーはこの世に対しての怨念だったりの元動いている霊だと思いますが、本作のミユキに関して言うと、もちろん怨念はあるかもしれないけれど、「愛されたい」「愛して欲しい」という欲望の元動いている霊なので、そういった面では大きな違いがあると思います。

写真のカメラを構えたら、レンズ越しにはミユキが映っているけれど、生では見えないだとか、ミユキがカオルの体を借りて動いていて、ふっと見たらカオルがミユキだったりだとか、具体的に怖がらせるシーンもありましたが、それだけではなく、そこだけに終始していない映画だなと思いました。

 

監督はフランス人でしたが、文化の違いは感じましたか?

「日本人だったらこうします」というのは話しました。ミユキが行方不明という張り紙が地面に落ちているというシーンですが、フランス人の感覚で言うと、拾い上げてそれを捨てるというのは普通なのかもしれないけれど、タクマの感覚で手に取ると、とても捨てることはできないなと思い、監督に話しました。

 

ミユキ役の清水くるみさんとの共演はいかがでしたか?

2回目だったので、「おう、久しぶり」みたいな感じでした。相手役の方が歳が若いと気を使ったりしますが、めちゃめちゃ話しやすいし、さっぱりしているので、変に気を使うこともなく、そのままで接しられました。

 

彼女・カオリ役の三津谷葉子さん、地元の友達・マツ役の前野朋哉さん、その彼女・トモヨ役の杉野希妃さんと4人で島に行く話ですが、4人のチームワークはいかがでしたか?

チームワークはばっちりでした。後にも先にもこれだけチームワークのいい掛け合いは、数える位です。(監督が書いたフランス語の台本から)直訳になっている台本を口語のセリフに直す作業って、そもそも役者がする作業ではないじゃないですか。そのまま台本通りセリフを言うことは可能だけど、より良くしようという意思が一つだったからこそ、その作業をみんなでやることができたと思うし、みんなで一丸となって一つになれたからこそなので、みんなに感謝しています。

 

本作の見どころをお教えください。

なかなかない不思議な設定です。幽霊が人間を海に引きずり込んだりとか、ストローを使って生き血を吸うというものが、日本人の感覚にはないような、いい意味でぶっ飛んでいる描写だと思います。生き血を吸うことによって温かさを感じるという、日本のホラーの描写ではないようなシーンが含まれていますし、単純にホラーというジャンルだけでは収まりきらないような純愛の映画でもあると思うので、そういったところが見所だと思います。

 

これから見る方にメッセージをお願いします。

ホラーと思って見ないで欲しいと思います。恋愛要素が含まれているのでいい意味で日本人が想像するホラー映画ではないと思います。もちろん幽霊の不気味さや怖いシーンもあるんですけれど、日本人が作っているホラーではないから、ホラーに関しての怖がらせ方の感覚がちょっと違う。だからこそ違和感があって面白いと思ってもらえたら嬉しいです。

 

海の底からモナムール_ポスタービジュアル

【あらすじ】10年前、イジメに遭い、島の崖から飛び降りた女子高生・ミユキ(清水くるみ)は、「ただ愛されたい」という想いを抱き、17歳のままずっとこの瀬戸内海の浜にいる。当時、ミユキが想いを寄せていたタクマ(桐山漣)は、同じく島出身のマツ(前野朋哉)に連れられ、それぞれの彼女・カオリ(三津谷葉子)とトモヨ(杉野希妃)と一緒に、卒業後初めて島に戻ることに。
その島では去年、かつて近所に住んでいた同級生のリカが溺れて死んでいた。「あの浜に行くな」と言う忠告を聞かず、浜でキャンプをする4人。夜、浜でミユキを見て、テントに駆け込むタクマ。海で泳いでいたカオリは、誰かに足を引っ張られ、危うく溺れそうに。果たして4人は、無事に帰京できるのか

映画『海の底からモナムール』 (配給:アルミード)
12月4日(金)よりアップリンク吉祥寺ほかにてロードショー

 

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