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2024年10月24日 05:00

戦国武将・最上義光の“悲しくも美しい幽霊譚”を安西慎太郎や平野良らが描き出す 舞台『羽州の狐』開幕!

左から:木ノ本嶺浩、松田岳、安西慎太郎、平野良

 

俳優の安西慎太郎が主演、平野良が演出を務める舞台『羽州の狐』が10月23日(水)に開幕。初日前には公開ゲネプロが行われ、安西慎太郎、松田岳、木ノ本嶺浩、平野良より、初日に向けたコメントが到着した。

本作は、2024年3月に上演した舞台『時をかけ・る~LOSER~』(通称:時る)のスピンオフ公演。『時る』公演ではほんのわずかな出番ながらも「可愛らしい」と人気を博した最上義光の物語をダークファンタジーで描く。

舞台は、慶長五年九月。関ヶ原の勝敗を知った最上義光は、甥の伊達政宗に東軍勝利を祝おうと一宿の誘いをする。互いに十数名の家臣を引き連れ、伊達と最上は羽州のとある山道を馬でゆく。しかし、昼過ぎから降り出した雨が激しくなっていた。取り急ぎ木陰でしのごうと馬を降りた矢先、義光、政宗、そして政宗の従兄弟の伊達成実は地滑りに遭い、洞窟に閉じ込められてしまった。そこに義光の弟を名乗る中野義時が現れ、4人は洞窟の中で一夜を過ごすことになる。義光を安西、政宗を松田、成実を木ノ本、義時を平野(演出)が演じる。脚本は赤澤ムックが手掛ける。

そこで語られるのは、義光の半生と戦国の世の哀しい運命の物語。次々と悲劇に見舞われながらも、ずば抜けた才覚と狂気を孕んだ執着心で周りを嵌めていく義光の姿は、ひたすら哀れだ。

今回の脚本は、赤澤によるあて書きで書かれたものだそうだが、時におどけて見せ、時に真剣な眼差しで人を惑わせていく義光という役柄は安西の芝居力を最大限に引き出していた。これぞ安西の真骨頂とすら感じられる。

そんな義光と対峙する政宗は、どこか抜けていて、あっけらかんとしながらも、強い意志を感じさせる。松田自身の明るいキャラクターが反映されたかのような政宗は微笑ましくもあった。

また、義光に付き従う成実を演じる木ノ本は、実直さを感じさせる成実を好演。真摯に付き従う姿が印象的だ。一方、平野が演じる義時は謎の人物。だからこそ、平野は抑えた演技を徹底し、ほかの3人に比べて個性を感じさせない。物語にどう絡んでいくのか、注目だ。

扇子と木の棒、風呂敷といった最小限の小道具のみでの芝居は、役者の表現力が試されるもの。まるでそこに赤子がいるかのように、そこに美味しい鮭があるかのように感じさせる4人の高い演技力を実感した本作。この作品単体でも存分に楽しめる作品となっているので、これまでの『時る』公演公演を観ていなくても安心して劇場に足を運んでもらいたい。

以下、初日に向けたキャストからのコメントを紹介する。

安西慎太郎
『羽州の狐』ついに開幕致します。面白いキャスト、素晴らしいスタッフ達と共に手を取り合い大切に作って参りました。『時をかけ・る』シリーズ1があったからこそ、の今回。その作品を愛し待って下さっているお客様がいるからこその、第二弾スピンオフがあると思っています。今回は内藤さんと前川さんは残念ながら参加できませんが、また全員で『時る』ができるように、今以上に『時る』が愛されるように『羽州の狐』愛を持って優しく丁寧に演じていきます。演劇というフィクションの世界でお客様の心の何処かに触れそれが何かの支えになれば嬉しく思います。どうぞ宜しくお願い致します。

松田岳
松田岳です!時をかけ・るから約半年の期間で本作に出させて頂けるとは予想しておらず、びっくりしています。
前作でのシャケ様、最上義光伯父さんにこんな背景があったなんて、その歴史の事実と慎ちゃんが演じる伯父さんに何度も心が締め付けられました。伊達政宗としては前作直江兼続との友情が芽生え、今作ではどんな活躍が見れるのか是非注目してみて頂ければ! 演出の平野良さんは稽古後に毎回筋トレをされているのですが、それを見守る出演者3人の図が大好きです。こちらからは以上です! 頑張ります!

木ノ本嶺浩
いよいよ初日の幕が開きます。経験と実績と抜群の感性に裏打ちされた、演出家平野さんの言葉はこの物語を立体化するための大きな指針となり僕達を導いてくれました。安西さんは深淵に光を照らし深く入り込み、突破口を掴んだ松田さんは生き生きと大きく躍動し続け、そんな心強い仲間と交わす台詞は驚愕と発見の連続で僕自身も今までとは違う演劇体験をしています。このような経験ができることに感謝です。限られた空間の中で思惑と知略が絡み合い、夢と現実を縫い目なく飛び越え、観ていただく方々とこの不思議な物語を共に体験できたら幸せです。
どうか狐に化かされませんように。

平野良
演出・出演を務めます平野良です。今年3月に公演した『時をかけ・る~LOSER~』のスピンオフになります。脚本の赤澤ムックさん、音楽のオレノグラフィティさんとの新作。『時る』は5作からなるオムニバスでした。その中でも一番ポップな作りだった「ラブミュ」に登場した、これまたポップな人物、最上義光に光を当てた今作。なんとテーマはダークファンタジーです。本編では垣間見ることの出来なかった彼の過去、そして想いが軸となった密室劇。土砂崩れで閉じ込められた最上義光、伊達政宗、伊達成実、中野義時の四人で繰り広げられる会話劇ですが、義光による化かし合いが始まります。彼はなぜ人を誑かすのか。思う存分振り回されてください。

舞台『羽州の狐』は、2024年10月23日(水)~10月27日(日) にCBGKシブゲキ‼で上演。

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