舞台『ヴェニスの商人』公開舞台稽古が12月5日(木)、日本青年館ホールで行われ、主演の草彅剛を始め、野村周平、佐久間由衣、大鶴佐助、長井短、華優希、小澤竜心、忍成修吾らが熱のこもった芝居を繰り広げた。
時代を超えて愛され続ける数々の名作を世に残している、演劇史の巨人 ウィリアム・シェイクスピア。彼の作品の中でも『ヴェニスの商人』は、深い人物描写と痛快な展開で圧倒的な人気を誇る最高傑作のひとつとして知られている。
本作では、シェイクスピア作品初挑戦となる草彅が主人公のシャイロックを演じるほか、高潔な商人・アントーニオを忍成修吾、アントーニオの親友・バサーニオを野村、富豪の美女・ポーシャを佐久間由衣、シャイロックの娘・ジェシカを華優希が務める。また、演出を、第21回読売演劇大賞・最優秀演出家賞に輝き、現代演劇界で最も実力のある演出家の一人である森新太郎が手掛ける。
物語の舞台は、ヴェニス。高利貸しのシャイロックは、商人のアントーニオから金を貸してほしいと頼まれる。アントーニオの友人・バサーニオが富豪の美女ポーシャに求婚するための資金を必要としていたのだ。これまでアントーニオから散々蔑まされてきたシャイロックは「貸した金を返せなかったら、あんたの体から、きっかり1ポンド、切り取らせてもらおうか」と突きつける。返金できると考え、申し出を受け入れたアントーニオは、シャイロックから金を借り、その金でバサーニオはポーシャのいるベルモントに向けて旅立つ。
一方、シャイロックの娘・ジェシカは、シャイロックに嫌気が差し、バサーニオの友人 ロレンゾーと駆け落ちしてしまう。それを知ったシャイロックは激昂する。
そんな中、アントーニオの財産を積んだ船が海に沈んでしまい、シャイロックへの返金ができなくなってしまう。するとシャイロックは「肉1ポンド」の契約をかざし、容赦なく冷酷にアントーニオを追い詰めるのだった。
コの字型の壁と長椅子が設置されているだけのシンプルな舞台セットの中に、キャストが全員登場し、物語は静かに始まる。キャストたちは皆、物語の最初から最後までステージ後方の長椅子に座り、自分の出番が来るとそこから中央に歩み出てお芝居をして、また椅子に帰るというスタイルだ。椅子や机など、多少の小道具は使うものの、ほぼ生身の役者の芝居だけで物語を展開していくため、役者たちの芝居がダイレクトに伝わってくる。特にシャイロックを演じた草彅の芝居は圧巻。トーンを落とした野太い声で語られる独白は完全にその場の空気を支配していた。
この日、草彅のコメントも到着。草彅は「森さんの演出にくらいつき高みを目指して、一生懸命毎日稽古に励みました」と稽古を振り返り、「必ずいい初日を迎えられると思います!」と自信をのぞかせた。
草彅剛のコメント全文
森さんの演出にくらいつき高みを目指して、一生懸命毎日稽古に励みました。
これだけ汗と涙と稽古場で流していれば、必ずいい初日を迎えられると思います!
皆さんにはシェイクスピアが400年も前に書かれた、喜劇と悲劇の冥利に酔いしれて頂きたいです!
舞台『ヴェニスの商人』は、以下の日程で上演。
東京公演:2024年12月6日(金)~22日(日) 日本青年館ホール
京都公演:2024年12月26日(木)~29日(日) 京都劇場
愛知公演:2025年1月6日(月)~10日(金) 御園座