左から：広岡由里子、大鶴佐助、吉田栄作、吉田羊、飯豊まりえ、牧島輝
PARCO PRODUCE 2024『ハムレットQ1』初日前会見およびプレスコールが5月10日(金) に東京・PARCO劇場で行われ、吉田羊、飯豊まりえ、牧島輝、大鶴佐助、広岡由里子、吉田栄作が初日に向けた思いを語った。
本作は、シェイクスピア『ハムレット』戯曲の原型とも言われるQ1版を、松岡和子の新訳、森新太郎の演出で上演。Q1版は、現在もっとも多く上演されているF1版の約半分まで物語が凝縮されており、畳み掛けるように展開される疾走感のあるドラマが魅力の戯曲だ。主人公のハムレットは、森新太郎演出の『ジュリアス・シーザー』で第56回紀伊國屋演劇賞個人賞を受賞した吉田羊。森と再タッグを組み、ハムレットの複雑な心理をより繊細に、そして鮮明に浮かび上がらせる。
吉田羊は、「ようやく皆さまに観ていただけるというワクワク感と、できればあと１ヶ月間稽古したいという複雑な思いで立っています」と初日を直前にした思いを語った。『ジュリアス・シーザー』に続き、男性役を演じることになるが、「『ジュリアス・シーザー』の時から引き続き、男役を意識した役作りはしていません。今回は、女性である私が演じるからこその女性としての身体機能を逆手に取った演出を受けておりますので、そこはぜひお楽しみにしていただければと思います」とアピールした。
一方、クローディアス役の吉田栄作は「初日は特別な感慨があります。これまで積み上げてきた作品が船出していく瞬間で、初日の幕が閉じる時もまた特別な感動があります」と挨拶。「（クローディアスは）実の兄を毒で殺した弟ですが、Q1版には自分のこれまでの罪を懺悔するシーンもあります。それをハムレットも見ているので、その吉田・吉田対決は見どころです」と明かした。
オフィーリア役の飯豊は「千穐楽までいいものをしっかりお届けできるように先輩方にしっかりついていこうと思います」とにっこり。稽古場について聞かれると、「皆さんが毎日、色々な可能性を確かめていくという中で、新しいことが掘っても掘っても出てくるので、自分が出ていないシーンのお稽古も見ているのがすごく楽しかったです」と振り返った。
また、ホレイショー役の牧島は「演劇人なら誰もが知っている『ハムレット』という作品に出演できること、上演できることを嬉しく思います。楽屋で待機している先輩方に『目にものを見せてやります』と言ってこいと言われたので『目にものを見せてやります』と言っておきます」と冗談めかして会場を盛り上げる。そして、「ホレイショーは、ハムレットの親友で、信頼を寄せている人物なので、ホレイショーにしか見せてくれない顔をハムレットが見せてくれることがあって、演じていても切なくなったり、嬉しくなったりします。お客さまもそのハムレットの表情をお楽しみいただければ」と見どころを語った。さらに牧島は吉田羊との共演について「たくさん感じることがあります。正直、遠慮してしまう部分も多少なりともあったのですが、『遠慮しなくていいよ』と言ってくださったので、あまり意識せず、友達のように感じる場面も多くて、苦労よりも楽しくできています」と笑顔を見せた。
レアティーズ役の大鶴は「やるべきことはやってきたと思いますので、あとはお客さんと一緒にこの作品を作り上げていきたいと思います」、ガートルード役の広岡は「初日を迎えるというワクワク感と、広岡的に良くないことも考えてしまう癖がありますので、セリフを忘れやしないかというドキドキで心が満杯です」とそれぞれコメント。
大鶴は、4日に死去した父親である唐十郎氏に関する質問が飛ぶと、「演劇しかない人でした。それを教えていただきました」と偲び、「生き様しか見てこなかったので、そこから学んだ日々でした」と振り返った。
PARCO PRODUCE 2024『ハムレットQ1』は、以下の日程で上演。
東京公演：2024年5月11日（土）～6月2日（日） PARCO劇場
大阪公演：2024年6月8日（土）・9日（日） 森ノ宮ピロティホール
愛知公演：2024年6月15日（土）・16日（日） 東海市芸術劇場 大ホール
福岡公演：2024年6月22日（土）・23日（日） 久留米シティプラザ ザ・グランドホール
