2024年12月13日 06:00

前田公輝「新しい舞台を作れれば」韓国で社会現象を起こした大ヒット作を原作にしたミュージカル『ミセン』稽古場披露開催

後列）中井智彦　石川禅　あべこうじ　東山光明
前列）糸川耀士郎　内海啓貴　橋本じゅん　前田公輝　安蘭けい　清水くるみ

ミュージカル『ミセン』のキャストによるシーン披露が12月11日（水）に東京都内で行われ、前田公輝、橋本じゅん、清水くるみ、内海啓貴、糸川耀士郎、中井智彦、あべこうじ、東山光明、石川禅、安蘭けいが登壇した。

2025年1月10日に大阪、新歌舞伎座で世界初演の幕を開ける本作。韓国のみならず日本でもリメイクドラマが放送されるなど、社会現象を巻き起こした大ヒット作のミュージカルだ。主演に本作が初ミュージカル主演となる前田を迎え、韓国の気鋭クリエイター陣とともに現代のリアルな物語を作り上げる。

この日は、合計6シーンが披露された。まず、オープニングナンバーとなる「ワン・インターナショナル」。前田が演じるチャン・グレをはじめとしたインターン生たちが不安を抱えながらも夢への第一歩を踏み出すナンバーだ。キャスト全員が登場し、華やかなナンバーを繰り広げる。

続いて、M4の「おはよう、チャングレ」。この楽曲は、正社員採用本試験のプレゼンテーションのためのペアを探すインターン生たちの姿がポップに描かれる一曲だ。自分を引き立たせる相手として突然人気者になったグレがペアの相手を選ぶ。

その後、インターン4人がたまたま居合わせた居酒屋でお酒を酌み交わす「君を慰める夜」を披露。4人が次第に笑顔を交わし、打ち解けていく姿が楽しげに描かれていく。東山が演じる居酒屋店長が物語の良いアクセントになっていた。

M8の「それぞれの戦い」では、プレゼン直前まで分かり合えないチャン・グレと内海演じるハン・ソンギュルが、現場とオフィスというそれぞれの戦場の厳しさをぶつけ合い、互いを認めていく。二人の関係性が変化していく姿が見どころだ。

その後に披露されたM15の「ヨルダン」は、チャン・グレがヨルダン事業のプレゼンに向けてアイテムを探し、市場調査を進める様子を軽快なダンスナンバーに乗せて見せる。一転して、M16「給湯室で」では、安蘭演じるソン・ジヨンが、職場での女性差別に苦しむ、清水が演じるアン・ヨンイを励ます。女性たちの葛藤を歌うナンバーが、胸に突き刺さった。

稽古披露後に行われた囲み取材で、前田は「僕はこうした稽古場披露は初めてですが、ありがたい時間をいただけたなと。皆さんの前でやらせていただく緊張感や、振り返れる時間が作れたことは感謝でしかないと思っています」と稽古を終えた感想を話した。そして、「この作品を通して、希望や幸せを見出すことができるのではないかと思っています。これからさらに色々なところをブラッシュアップしていきますが、すればするほど鮮度が追求されていく気がします。ミュージカルというエンタメで伝えるメッセージ性とこの作品にあるリアリティをもって、新しい舞台を作れればいいなと思っています」と意気込んだ。

また、オ・サンシク役の橋本は「劇中でのオ課長の『がんばれ、踏ん張れ』という言葉がとても刺さりました。一人じゃないんだ、踏ん張っていこうという勇気を受け取ってもらえればと思います」とアピール。本作のドラマの大ファンだという清水は「ドラマファンの私からしてもこのミュージカルはとても満足する作品だと思います。ドラマファンの私が言うので間違いない。働く人にはきっと響いて、心に寄り添ってくれるミュージカルになっていると思います」と胸を張った。

そして、内海は「初演に携わることができてすごくワクワクした気持ちで稽古しています。演出のルピナさんがこの作品の大きなテーマは『一人ではない』とおっしゃっていて、僕自身もそれをテーマにしています。観終わった後に、友達や家族、恋人に連絡してみようかなと思える、心温まる作品を届けていきたいと思います」、チャン・ベッキ役の糸川は「性別年齢問わず、観てくださるお客さま一人ひとりに刺さる部分が必ず一箇所はある作品になっていると思います。劇場全体でこの作品を感じていい空間にできたらいいなと思います」とそれぞれコメントを寄せた。