
写真提供:オフィシャル
神里優希 吉高志音
ミュージカル『ジェイミー』が4年ぶりの再演となる。2025年7月9日(水)、東京・東京建物 Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)を皮切りに、大阪、愛知で上演される。ドラァグクイーンを夢見る高校生ジェイミー(三浦宏規、髙橋颯のwキャスト)が、差別や偏見と闘いながらも自分らしく生きていく様を描いていく。
ジェイミーの同級生で、ジェイミーに何かと辛く当たるディーン・パクストンを演じる神里優希と吉高志音(wキャスト)に作品への思いや舞台への意気込みを聞いた。
──4年ぶりの再演となる『ジェイミー』への出演が決まったときの率直なお気持ちをお聞かせください。
吉高:台本を読んで、多様性を求められる時代の中で、本当の多様性とは何か、自分らしさとは何だろうということを伝えてくれる作品だと思いました。前からこんな素敵な作品があったことが嬉しく思いました。
神里:初演の時から気になっていた作品でした。この作品に欠かせないディーンという挑戦的な役でもあるので、しっかりと演じていきたいと思いました。
――演じるディーン・パクストンについて、どんな風に捉えましたか?
神里:最初に脚本を読んだ時には、本当に性格悪い奴だな(笑)と思いました。ひどいことも言っていますし、けっこう汚い言葉もあるので、少し抵抗があった時期もありましたが、最近はお稽古が進んでバンバン言っていますね(笑)。躊躇などしていられないです。
吉高:強い言葉だったり、きわどいことを言うことが多いのですが、向こうの本の性質上仕方がないと思っています。日本語にすると強いなと思います。ディーンがそういう言葉を使うのは、自分を装っている部分があると思います。読んでいて寂しい子だなと、思いました。
神里:そうですね。ディーンが汚い言葉を使う裏にはいろいろな挫折とか葛藤があって、あぁいう態度をしていると思います。
吉高:うんうん
神里:そうしなくては自分を保てないという。ひどいことを言っていますが、見方を変えれば寂しい人でもあるなと思います。
──お稽古が進んできているかと思いますが、今、役に対してどんなことを意識して臨んでいらっしゃいますか?
吉高:ダブル(キャスト)だからこそ、自分の出ていないディーンのシーンを見ることがすごく面白いです。ディーンが入ってくると、シーンとしての空気感も変わりますし、作品としていいスパイスになっているなと感じています。お客さんはディーンに自分を投影して見ることもできると思うんです。みんなの考え方がディーンに近いと思うのですよ。言葉は強いですが、空気感を変えてくれるような存在です。ジェイミーと似た存在でもあるなとも思います。
――ジェイミーに似ている存在?
吉高:はい。似ている存在だと思います。
神里:僕もそう思います。
――ジェイミーは夢を追いかけていきますが、ディーンも同じ方向性なのでしょうか?
神里:ジェイミーは一歩踏み出せた人。ディーンは一歩踏み出せない人。本当はジェイミーのように一歩踏み出したいけれど、イギリスの社会ではそれがダメなのかもしれない。もしかしたらお父さんらに、お前はこうやって生きろと決めつけられているのかもしれないです。
吉高:うん
神里:自分にはどうせできないという葛藤がある。だからジェイミーに似ていると思います。ディーンはジェイミーにもなれる素質を持っているし、逆に言えば、ジェイミーもディーンのような人になっていたかもしれない。
吉高:パラレルワールドがあったとして、違う出来事があって、お父さんとのシーンでジェイミーが挫折して何も無くなった時に、もっと別の道があると思うのです。ジェイミーが持つ素敵な人間性があったからこそ、いろいろな人に助けられたのだと思います。ディーンはそれを逃してしまっているんじゃないかと。
──お互いの稽古の様子をご覧になって、印象的だったことはありますか?
吉高:優希君が金髪に染めてきた日があったのですが、それが、稽古場配信の日だったのです。「あっ、かなわないな」と思いました。
神里:そんな(笑)
吉高:僕は配信に出たくないなと思うぐらい、ディーンとしての上里君のビジュアルの良さが際立っていまして、セリフにもあるのです。「あなたは、スタイルが良くて、ルックスも良くて」と、本当にその通りで、人気者になり得るビジアルを持っているので、毎回かなわないなと思っています。
神里:(笑)そんなことない
吉高:ほんと、ほんと。
神里:マジで?
吉高:ほんと。だって僕ずっと言っていたじゃない。「絶対出たくない」って。
神里:その日は言っていたね。
吉高:目立っていた(笑)。
――神里さんは狙って、その日に金髪にしていらしたのですか?
神里:いろいろな媒体の人もいらっしゃる中で、ディーンという存在はどういう存在なのかをちょっとでも伝えたくて、「金にしたいです。」と言いました(笑)。
――吉高さんの印象はいかがですか?
神里:いい子
吉高:(笑)何だ、それ?
神里:いい子だなと思います。自分が持っていない引き出しを稽古でやってくれます。
吉高:お互い様です。
神里:それを勝手に盗ませてもらったり。
吉高:えっそうなの?
神里:盗んでいるよ。この立ち位置、確かにこの方がいいなとか思いながら。
吉高:あっそうなんだ。全然気づかなかったです。
神里:“この間”をもらおうとか。ダブルだから、同じ役だけれども同じことをしたくないというのは持っていなくて、作品が良くなればいいと思っています。良い所があれば盗もうという意識でやっています。変にライバル心もないですよ。
吉高:そうですね。
神里:僕はダブルはラッキーだなと思っています。もう一人自分がいて、外から見れますから。
吉高:客観視できる。
神里:勉強になります。
──稽古場の雰囲気はどうですか?
神里:みんな仲が良くて、
吉高:学校みたいです。
神里:普通にみんなで帰ったり。ファーストフード店でジュースだけ買って帰ろうと言ったり。本当に学校ですね。
――ジェフリーさんの演出で印象に残っていることはありますか
吉高:ジェフリーは作品自体をアートにしようという考えを持っているんです。完全にショーアップされたものは少ないと思うので、それを経験できるのは大事な事だと思っています。描きたいものがわかりやすいです。新鮮だし勉強になりました。それぞれのシーンや関係性がわかりやすい。含みをもたせないです。イタリアンスルーをやったぐらいですから。
――イタリアンスルー?
神里:とにかく早口でシーンを進めていくことです。
吉高:あれで、けっこう良くなったかもしれないです。
神里:それをやってから、リズムが生まれて、テンポが良くなって、見やすくなりました。
吉高:みんなが自分のためでなく、人のためにお芝居するようになっていましたね。
神里:周りが見えるようになりました。
ミュージカル『ジェイミー』
東京 2025年7月9日(水)~7月27日(日) 東京建物 Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)
大阪 2025年8月1日(金)~3日(日) 新歌舞伎座
愛知 2025年8月9日(土)~11日(月・祝) 愛知県芸術劇場 大ホール
音楽:ダン・ギレスピー・セルズ
作:トム・マックレー
日本版演出・振付:ジェフリー・ペイジ
翻訳・訳詞:福田響志
出演:
ジェイミー・ニュー:三浦宏規/髙橋颯(WATWING)
マーガレット・ニュー:安蘭けい
プリティ:唯月ふうか/遥海
ディーン・パクストン:神里優希/吉高志音
ベックス:小向なる
サイード:里中将道
ファティマ:澤田真里愛
ミッキー:東間一貴
サイ:星野勇太
リーバイ:MAOTO
ベッカ:元榮菜摘
ヴィッキー:リコ(HUNNY BEE)
ライカ・バージン:泉見洋平
トレイ・ソフィスティケイ:渡辺大輔
ミス・ヘッジ:かなで(3時のヒロイン)
ミス・ヘッジ(女性役U/S):栗山絵美
ジェイミー父/サンドラ・ボロック:岸祐二
レイ:保坂知寿
ヒューゴ/ロコ・シャネル:石川禅
企画制作:ホリプロ
主催:ミュージカル『ジェイミー』製作委員会
公式サイト https://horipro-stage.jp/stage/jamie2025/

