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2026年1月16日 18:00

【前編】上白石萌歌インタビュー 主人公の妻・江月梅役「一緒に手を取って歩んでいけたら」 舞台『大地の子』

『白い巨塔』など数々の大作を世に送り出してきた山崎豊子による同名小説を原作とした舞台『大地の子』が、2026年2月26日(木)から上演される。本作は、第二次世界大戦後の中国に取り残された日本人孤児、勝男の激動の半生を描いた感動巨篇。演出は栗山民也が担当し、主人公となる陸一心(勝男)を井上芳雄、主人公の妹・張玉花(あつ子)を奈緒、主人公の妻となる江月梅を上白石萌歌が演じる。上白石に本作への意気込みや役柄についてなどを聞いた。

――本作で上白石さんは一心(勝男)の妻・江月梅を演じます。江月梅という女性について今の段階ではどのようにとらえていますか?

江月梅は、中国のへき地を回る巡回医療隊の看護師さんとして、たくさんの人を救っている女性です。井上芳雄さんが演じる一心と出会って、一心の命を救い、後に妻となる役ですが、すごく正義感があって、たたずまいは静かですが、心の奥に燃えるようなものや芯があります。彼女の父親は一心と同じような思いをして、濡れ衣を着せられた上に迫害されて、自殺をしてしまいます。なので、どこかで一心に父親に対しての思いに近いものを抱いているんだと思います。一心の過酷な運命に寄り添って、彼を支える妻として自分の信念を強く持っている江月梅を、(井上)芳雄さんや(演出の)栗山(民也)さんの言葉を信じて作っていけたらいいなと思っています。

――本作に限らず、役作りをする上で普段から行っていることはありますか?

私は役に関する妄想をするのが好きなんです(笑)。プロフィール帳ってご存知ですか?小学校の頃に、みんなに配って書いてもらって、それを回収して集めるというものです。それを役として書くということをよくやっています。今回もやるかは分からないですが、例えば「将来の夢」という欄があったら、「この人はどういう人になりたいかな」と考えたり、好きな色や性格、休みの日は何をするのかといった脚本には書かれていないところまで想像して書くんです。それが直接お芝居に役立つのかは分かりませんが、自分がその役を愛するための一つとしてやっています。今回の作品は、実在した人物が描かれているわけではないですが、史実に基づいたお話ではあるので、時代背景を学ぶことが大事かなと思います。私の父親が社会科の教師なので、当時の日本と満州の関係性や中国全体の情勢をしっかり学んだ上で、どんな思いで彼女が日々を生きていたのかということや、彼女の職業柄、どんなことを感じて日々を過ごしていたのかを想像しながら役と向き合っていきたいと思います。

――そうした役作りを通して、役と一心同体になるというイメージですね。

そうですね。いつも役と向き合うときは、「あなたのことを自分が一番理解したい」という気持ちでいます。その役にとって信頼できる人間でありたいんです。よく憑依させるとか、役を下ろすという方がいらっしゃいますが、私にはそういう能力はなくて。憑依という感覚もいまだに自分では分からないので、なるべく想像して、1人の友達と接するようにその役に信頼される自分でありたいです。友達の気持ちを想像するように、彼女の心の内や運命を想像して、一緒に手を取って歩んでいけたらいいなと思っています。

――演出の栗山さんとは2020年に上演された『ゲルニカ』でご一緒しています。演出を受けて印象深かった言葉はありますか?

当時、私は20歳でしたが、こうした取材やインタビューで「あなたが影響を受けた人物は誰ですか」と聞かれたときに、真っ先に「栗山さんです」と答えるくらい、栗山さんと過ごしたあの稽古の日々は忘れがたいものでした。『ゲルニカ』は、ゲルニカ爆撃をテーマにした作品で、この作品と同じく戦争をテーマにした舞台でしたが、「生きるってどういうことだろう。平和ってなんだろう。戦争って何なんだろう」ということを考えながら、お芝居をした日々でした。栗山さんの言葉は、すごく感覚的でありながらも端的で的確で、当時もたくさんの言葉をいただきました。稽古中に印象深かったのは「袖にはけるのではなく、消えてください」とおっしゃった言葉です。

――それは存在感を消すということですか?

「去るのではなく、消えるんだ」と。すごく感覚的な言葉ではありますが、私はすごく理解できたんですよ。それから、「今まであなたが出したことのない声を聞きたい」という言葉もとても印象に残っています。栗山さんが発してくださる言葉の一つひとつがすごく分かるし、ロジカルなことよりも感覚的なことを突き詰めて教えてくださったように思います。『ゲルニカ』は、自分という体を通してきちんと役の心を味わいながら体現できたという感覚がありました。きっと今回も、役の心を自分の心に宿してお芝居していけるのではないかという予感があります。5年ぶりなので、背筋がピッと伸びる思いはありますが、お稽古が楽しみです。

――原作はドラマ化もされていますが、この作品の物語のどんなところに魅力を感じていますか?

この作品では、主人公の一心がとてつもなく過酷な運命に翻弄されて生きていく姿が描かれていきます。故郷を離れて、家族とも引き離されて、孤独なまま生きて、とても過酷な運命を辿りますが、その中でいろいろな人が手を差し伸べて、一心はその手をしっかり握って、ひたむきに人生を歩んでいきます。その物語を読んでいると、何度も何度も胸が痛みますが、読み終わった後には温かいものや、すがすがしい気持ちが胸の中に広がりました。なので、初めて台本を読んだときのこの感覚を大事にしたいと思いますし、お客さまにも、何度も胸を締めつけられるような思いがありながらも最後には温かい気持ちになっていただき、「今をしっかり生きるんだ」ということを伝えられたらいいなと思います。

 ――本作に挑む上で俳優として大切にしたいことはありますか?

私は戦争を経験していない世代です。実際に戦争を経験された方もどんどん少なくなっている中で、語り部としてその物語を届けて、今を生きる人たちに「こういうことがあった」と伝えるべき役目を担っているのかなと思います。なので、何よりもその時代に関する文献をたくさん読んで理解を深め、たくさん想像力を働かせて、そして何より栗山さんから受け取る言葉を大切にして演じていけたらいいなと思っています。

舞台『大地の子』
2026年2月26日(木)~3月17日(火)
明治座
原作:山崎豊子『大地の子』(文春文庫)
脚本:マキノノゾミ
演出:栗山民也
キャスト                
陸一心 役:井上芳雄
あつ子 役:奈緒
江月梅 役:上白石萌歌
陸徳志 役:山西惇
松本耕次 役:益岡徹
ほか
公式サイト https://daichinoko-stage.jp/

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