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2018年5月20日 17:06

創作舞踊に初挑戦の中村橋之助にインタビュー!未来座=裁(SAI)=「カルメン2018」(後編)『この作品で新しい自分が出てくるかもしれない!』

取材:記事・写真/RanRanEntertainment

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『(相手役の)ぼたんさんが恥ずかしくなるくらい思いっきりやってみたい』

――もう一つの挑戦として、女性との共演は初めての経験になると思われますがいかがでしょうか?

いままで映像のお仕事では女性の方とご一緒させていただいたことはあるのですが、舞台の上では初めてになりますし、お稽古期間も20日間近くあると聞いています。普段、歌舞伎は男性だけで、舞台上では男性が演じる女形さんを好きになるというお芝居をしているので、相手役が本当の女性だった場合、どのような感情になるのか僕自身もまだわかりませんが遠慮しないでやりたいと思っています。

 スチール撮影の時も、先輩方やぼたんさんとご一緒させていただきました。(カルメンとホセの)撮影ではぼたんさんがリードしてくださいましたし、生意気ですが僕からも「こうしたらどうでしょう?」とディスカッションさせていただきました。そういった点は男女関係なく話し合いますが、僕の心の中で女性との共演はどうなるのかという楽しみと不安な思いといった、よくわからない気持ちはありますね。

――チラシではお二人、かなり接近したポーズで撮影されていますね。

もっと接近したポーズもあったんですけど(笑)。ぼたんさんは僕より年上でお姉ちゃまですが、あまり遠慮はしたくないのでドンといきたいと思っています。ホセも一途な男ですから、ぼたんのお姉ちゃまが恥ずかしくなるくらい思いっきりやってみたいと思います。

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――有名なオペラの『カルメン』はこれまでいろいろな作品に使われてきた題材ですが、今回の役作りなどで何か参考にした作品はありますか?

今の段階では公演に向けて何かを見るということは、まだ考えていませんが、普段から小劇場など歌舞伎以外の公演も観ることが好きでよく友達と観に行きます。いろいろなお芝居を観ることも演技の引出しを多くすることに繋がると思っています。

――演じるホセは激しい性格ですが、ご自身は身震いするほど嫉妬されたご経験はありますか?

嫉妬という点では、他人によい才能があれば(妬むよりも)盗んでしまおうと思うタイプですね。女性に関してはどちらかと言えば焼きもちを焼くほうかもしれません。中学生くらいだと好きな人ができても好きという気持ちをどう表現すればいいのかわからない、ということがあるじゃないですか。ホセは愛し方を知らないからいろいろな事件を起こしてしまうのだと思うんです。初めてつき合った彼女などは一生忘れないものですから、その時の気持ちを思い出して踊りで表現したいです。

また、歌舞伎の場合は顔の表情だけでなく声にも表情があるんです。たとえば「好きです」という言葉にも表情があって、父や勘九郎の兄にも「声に表情が乗らないといけない」とよく言われます。今回は声に表情を乗せるのではなく、身体に表情が出るように努めるべきだと思います。

――ホセはカルメンに翻弄される役。橋之助さんが最近、翻弄されたことや振り回されたことといえば?

どちらかと言えば自分のペースにしてしまう方なので、家の三兄弟で言ったらペースを狂わされるタイプは弟の方(次男:3代目中村福之助)だと思いますね(苦笑)。あとは、父(八代目中村芝翫)にはよくペースを狂わされることがあります(笑)。父から「焼肉食べに行こう」といわれた時、母は別の仕事場にいたので「○○の焼肉屋さんに7時くらいに行くよ」と連絡したのですが、公演が終わってお風呂から上がってきたら父が「やっぱり焼き鳥がいい」と。父が(母に)連絡しておくと言うので安心していたのですが、焼き鳥屋さんに母の姿はなく焼肉屋さんでずっと待っていたようで(苦笑)。「とーたん(父親の呼び名)が連絡するって言ったじゃないですか!?」という翻弄はたくさんありますね、重要事項でも翻弄されています(笑)。

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『橋之助となってもおごってはいけない』

――では、お父様である八代目中村芝翫(なかむら・しかん)さんから、今作について何かアドバイスはいただきましたか?

作品について具体的なアドバイスはまだもらっていません。ただ、いままでは父と離れて公演に出演する際も、父のお弟子さんが付いてくれるなど見守ってくれる人がいて、僕ひとりの力でできたわけではなく、父の力や家の力でできたということ。今回は一人で舞台に出るわけですが、「舞台上でいいものをお見せするのは大事だけど、それ以前に橋之助となって、本作のような作品に出演させてもらっておごってはいけないよ」と言われましたね。父や梅彌の伯母がいて、みなさんが声をかけてくださったおかげであること、そう思っていなければいけないと言われました。

――橋之助さんが考える日本舞踊の魅力とは?

僕は(日本舞踊を)やることも大好きですが観ることも大好きなんです。父とか勘九郎の兄を見ていて「あのように踊れるようになりたい」とか「きれいだな、かっこいいな」とお客様目線で感じることができるので。日本舞踊には、きれいな振りのところはきれいに、楽しい振りは楽しそうに踊る姿を観て単純に満足できる心地よさがあります。また、あふれるような感情を生で体感できることや劇場の空気や間なども楽しめることが日本舞踊の魅力だと思います。自分で踊ってみたら気持ちよさもわかると思うし、舞台で踊る方々がどれだけすごいのかがわかるので、ワークショップなどで一度日本舞踊を体験されてみたらいいと思いますね。

――今回はソル組、ルナ組のWキャストです。演者が変わることでどのような見どころがあるのでしょうか?

一番の特徴としてはカルメンとホセが若いチームと熟練チームであることです。僕はまだ、花柳寿楽さんの技量には届きませんが寿楽さんのすごいところは真似をして。そして、強みである若さだったり僕の持っているものはもっと磨いたりしていこうと思っています。幸四郎お兄さんも「ソル組とルナ組はやることは同じだけどまったく色の違う二つの公演ができるのでそこも楽しんでいただける」とおっしゃっていましたので、僕自身もどう変わるのかわかりませんが、お稽古も二組ずっと一緒ではないようですので組ごとの特徴を伸ばしていきたいですね。そこがダブルキャストの醍醐味でありますので楽しみにしていただきたいです。

※SAI(Succession And Innovation)とは継承と革新を意味し、日本舞踊の伝統をつなぎながら“いま”こそ輝き、未来へと光を放つ公演でありたいと願いが込められている。

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第二回日本舞踊 未来座=裁(SAI)=「カルメン2018」

2018年6月22日(金)~24日(日)
東京都 国立劇場 小劇場

スーパーバイザー:花柳壽應
演出:花柳輔太朗
振付:猿若清三郎、花柳輔瑞佳
出演:<ソル組>市川ぼたん、中村橋之助
<ルナ組>水木佑歌、花柳寿楽 ほか

■プロフィール
中村橋之助(なかむら・はしのすけ)
平成7年生まれ。屋号成駒屋。
八代目中村芝翫の長男。祖父は七代目中村芝翫。平成12年9月歌舞伎座『京鹿子娘道成寺』所化、『菊晴勢若駒』春駒の童で初代中村国生を名乗り初舞台。
平成28年10月・11月歌舞伎座『熊谷陣屋』の堤軍次ほかで四代目中村橋之助を襲名。
平成29年には二枚目役に加え、『車引』の梅王丸や、『対面』五郎なども勤めた。

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