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2024年2月12日 19:15

【後編】ミュージカル『ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッド』切り裂きジャック役・河内大和&ワンチェン役・島田惇平インタビュー「面白いものを追求した作品になる」

河内大和  島田惇平 

―ドーヴ・アチアさんの楽曲も見どころの一つだと思いますが、楽曲についてはいかがですか?

河内:僕は、歌は苦手で(苦笑)。実は、一昨年、あるミュージカルのオーディションに落ちてしまったのですが、そのときにすごく練習したんですよ。ただ、オーディション当日に喉が腫れ上がってしまって、思うように声が出なくなってしまって、病院に行ったら、喉を使い過ぎだと言われてしまったことがあって…。そんなこともあって、苦手意識はあるのですが、アチアさんの楽曲は妖しさと力と美しさがあって、皆さんが歌っているのを聴いて感動しました。これを立体化するとどうなるのか、本当に楽しみです。僕のことはさておき。

島田:僕が参加する曲はまだこれからなので、今は楽しみにしているところです。河内さんが演じるジャックとディオが対話する楽曲は、僕も一緒にいるシーンなのですが、原作には描かれていないジャックの恐れを歌詞に起こしていて、面白いなと思いました。妖艶な楽曲で、二人の悪のカリスマが対話している。そこにちょこんとワンチェンがいるという。曲を聴いているだけでカリスマ性に引き寄せられていく感覚が伝わりますし、(ディオ役の)宮野真守さんと河内さんの歌声が素敵で。僕は、河内さんの低音がすごく好きです。

河内:でも、音程取れてないですよ。ただ低い音を出してる(笑)。

島田:あはは(笑)。でも、あの楽曲を聴いたら、お客さんは震えると思いますよ。真守さんのきれいな高音と、河内さんのグワーッという低い声が合わさったら、美しい悪の世界が広がるんですよ。

――すごく楽しみです! ディオ役の宮野さんの印象はいかがですか?

河内:宮野さんは面白い(笑)。よく笑う、明るい方です。「宮野さんがディオか」と思っていましたが、芝居を見ると、笑顔の裏に陰の部分をしっかり抱えているので、底知れぬ怖さのあるディオになりそうです。すごくすてきな方ですね。

島田:僕はアニメが大好きなので、「宮野真守」という名前はこれでもかというくらい(声優として)見てきて、すごい声優さんだなというのはもちろん昔から知っていました。今回、「ディオ・宮野真守」というクレジットを初めて見たときに、こういう形で出会うんだと。寧さんが今回、“ジョジョ”を演出するにあたって、「限りなくリアルで現実味を帯びた世界観として描きたい」とおっしゃっていたのですが、宮野さんのディオは、最初から悪ではなく、彼には彼の正義があって、自分の正義を信じて貫いている人間なんだと感じました。そこがある種の危うさでもあるし、生々しさでもあると宮野さんの芝居を観て改めて思っています。ディオが実際に漫画の世界から飛び出してきて、この現実世界を生きていたらという可能性を僕は感じさせてもらっています。

――ありがとうございました! 最後に改めて本作の魅力や見どころをお願いします。

河内:稽古場全体がワクワクしていて、熱量の高い皆さんが集まっています。いい意味で皆さんを裏切る作品になると思います。きっと、これまでの帝劇で上演されてきたミュージカルともまただいぶ質の違う、さまざまなサプライズがある舞台になると思うので、ぜひ楽しみにいらしてください。

島田:帝劇でやるミュージカルという概念にとらわれずに、面白いものを追求した作品になると思います。まだ稽古は始まったばかりですが、現段階でもいい意味でイメージが追いつかないところがたくさんあります。人と人が集まって、一緒にイメージがつかないところまで想像を膨らませていく。そうするとことで、一人ではたどり着けないところまでたどり着けると思います。きっとそんな作品が出来上がると僕は確信しています。ワンチェンの見どころは、身体性です。その身体性はこの“ジョジョ”に欠かせないものだと思います。ぜひ楽しみにしていただけたらと思います。

ミュージカル『ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッド』は、以下の日程で上演。
東京公演:2月12日(月)~28日(水) 帝国劇場
札幌公演:3月26日(火)~30日(土) 札幌文化芸術劇場 hitaru
兵庫公演:4月9日(火)~14日(日) 兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホール

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取材 文:嶋田真己  撮影:有田純也

 

 

 

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