左から:ウィル・タケット、吉川愛、栗原英雄、アダム・クーパー、天海祐希、鈴木保奈美、要 潤、宮下今日子
天海祐希がタイトル・ロールを演じる『レイディマクベス』が10月1日(日)よりよみうり大手町ホールにて開幕。初日前日には、第四幕のフォトコール及び初日前会見を行われ、天海祐希、アダム・クーパー、鈴木保奈美、要 潤、宮下今日子、吉川愛、栗原英雄、そしてウィル・タケット(演出・振付)が登壇した。
本作は、ウィリアム・シェイクスピアの『マクベス』に登場する主人公マクベスの妻でありながら、悪女の代名詞のような存在として知られる「マクベス夫人」は、なぜ名前を与えられなかったのか、彼女が手に入れたかったものは何だったのか、その理由を探求すべく誕生。この新作は、英国気鋭の若手女性作家ジュード・クリスチャンが描き出し、本年3月寛一郎の初舞台となった『カスパー』も記憶に新しいオリヴィエ賞受賞演出家ウィル・タケットが手掛ける。
天海祐希がレイディマクベス役に挑み、その人生の伴侶であるマクベスを2022年2月ミュージカル 『Singin’ in the Rain〜雨に唄えば』で、オミクロン株感染拡大による事実上の「鎖国」の中、長期の隔離に耐え、日本の観客のために入国を果たし、劇場中を幸せに包んだアダム・クーパーが初めて単身で日本の新作プロダクションに参加する。そして、統治者と血縁関係にあることから、常に「特権」という安心感の中で育ち、レイディのそばで強かに生き抜くマクダフ役に鈴木保奈美、幼少期からのレイディを知る彼女の幼馴染であり野心家のバンコー役に要 潤、マクベスとレイディマクベスと共に戦場で戦い、二人を「師」として仰ぐレノックス役に宮下今日子、レイディが戦場に戻ることができなくなった要因でもある出産で生まれた娘役を吉川愛、そして国の統治者ダンカン役に栗原英雄といった豪華俳優陣がここに勢揃いする。
天海、アダム・クーパーほか主要キャスト、およびウィル・タケット(演出)のコメントは次のとおり。
天海祐希 【レイディマクベス(レイディ) 役】
いよいよ初日の幕が開きます。私たちが「レイディマクベス」にかけている想いを舞台から感じ取っていただけたらと思います。素晴らしい戯曲、素晴らしいキャストとスタッフの皆様とご一緒させていただけてとても幸せです。
ウィル(演出ウィル・ケット)さんの演出は良い意味で細かいです。私たちがどう思っているかということをすごく丁寧に聞いてくださり、キャストの感情を汲み取ってくださる方でとても感激しました。あっという間のお稽古期間で正直ドキドキしているのですが、皆さんに楽しんでいただけたらいいなと思っています。(ファンだったアダムさんとの共演については?)ご褒美です!もう毎日がご褒美!それしか言えません。今でもまだ夢を見ているようです。
チケットを取ってくださった方もこれから取ろうとしてくださっている方も、客席に来ていただけたら、それ以上の何かを持って帰っていただけるよう頑張ります。私は客席から舞台を見ることはできませんが、ウィルさん曰く、とても美しい舞台とのことなので、それを楽しみにしていただけたらと思います。
アダム・クーパー 【マクベス 役】
こんにちは!アダム・クーパーです。明日初日を迎えるという事でワクワクしていると共に、すごく緊張をしています。日本語のお芝居に出演するのが初めてで、中には日本語の台詞もあり緊張もしていますが、皆さんにとてもよくして頂いたので落ち着いて初日を迎えられそうです。自分にとっては初めて、日本語を話さないといけない、意味が分からない日本語を聞き続けていなければならないというストレスがある中で、笑いが絶えない稽古場だったことは本当にありがたかったです。30 年来の付き合いがあるウィルはとても面白い人で、彼のアプローチ方法が普通ではないのですが、一つのストーリーを作る為にみんなを一つにするという力がすごいと思います。ウィルとは何年も海外で仕事をしていて阿吽の呼吸で分かるという関係ですが、今回は企画自体が私自身にとってあまり違うタイプだったので、必ずしも同じようにはいかなかったのですが、それでもエキサイティングな時間でしたし、新しい発見がありました。
鈴木保奈美【マクダフ 役】
一年前にこのお話を頂き、こんな夢のようなお話があるのだろうかと思いました、それから台本をいただき、夏の終わりにはリハーサルも始まり、そのリハーサルも約1か月してきましたが、それでもまだ夢の中にいるようです。ですので、これからもう一回気合を入れ直したいと思います。演出のウィルさんは、全身を使って私たちに伝えたいと熱心に向き合ってくださいました。言語が違う者同士、お互いが何を言おうとしているのか、自分の気持ちがどういう言葉であれば伝わるのか、言葉を選び、相手の言葉を聞き漏らすことなく必死で向き合うという事で、言葉を越えたもっと深いところでコミュニケーションができるのではないかと思うようになりました。言葉にたいして注意深くなろうという訓練をこのひと月受けた気がします。そして言葉を大切にするのはとても大事だなと改めて感じています。
ウィル・タケット【演出】
キャスト・スタッフ全力で取り組み、稽古期間本当に素晴らしい時間を過ごさせて頂きました。それから素晴らしいクリエイティブチームとも、良い作品が作れたと思っています。新作の作品とは、長い準備期間を経て今に至っています。それだけ新作を上演することは本当に難しい事ですが、素晴らしい才能を持ち、広い心を持って稽古をして頂いた優秀なキャストの皆様がいらっしゃったからこそ成り立ちました、感謝しております。本日披露した第四幕は岩代太郎さんに作曲して頂いた美しい音楽もあります。その音楽が仕上げになっています。
この作品は非常に面白い作品でオリジナルのシェイクスピアの「マクベス」をもとに、現在の女性の役割というテーマを 持った作品です。
見てごらんのとおり、皆さん本当に愉快なキャストではありますが、一方でとても優秀で謙虚な方々です。何事も全力 で向き合ってくれた素敵なキャストたちでした。明日の初日を楽しみにしております。
舞台『レイディマクベス』の上演スケジュールは次のとおり。
10月1日(日)~11月12日(日) よみうり大手町ホール
11月16日(木)~11月27日(月) 京都劇場