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2023年10月10日 14:10

眞島秀和、倉科カナ、前田旺志郎、夏子他 舞台「My Boy Jack」開幕! 息子を戦地に送りだす家族の感情や苦悩がリアルに浮かび上がる、いま伝えたい話題作

演出・上村聡史、出演・眞島秀和、倉科カナ、前田旺志郎、夏子 他による舞台「My Boy Jack」(マイ・ボーイ・ジャック)が、10月7日(土)に東京・紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYAにて開幕した。

「My Boy Jack」は、「ジャングル・ブック」などで知られるノーベル文学賞受賞作家、ラドヤード・キプリングが、第一次世界大戦中に書いた詩。第一次世界大戦下で、健康な体があるなら戦地に行くべしと声高に理想を語り、酷い近視ゆえに軍の規則で入隊出来ない息子・ジョン(ジャック)を、人脈をつかって軍にねじ込む父・ラドヤード。イギリス国内で作家としても名を知られ、戦時中であるからこその愛国心や価値観を持つ“堅物”の父親ながら、息子への愛情を持つラドヤードに対し、不安を押し殺しながら無償の愛を注ぐ母・キャリーと弟を大切に思う姉・エルシーの葛藤、それらを感じながらもハンデがあるにも関わらず、必死に努力し将校になった息子・ジョンが抱くさまざまな思いなど、変わることのない家族の関係や愛情が描かれる。そして、西部戦線へと出征したジョンが行方不明になったことを知った3人が抱くやり場のない憤りや嘆きを通じて、戦争について、家族について改めて考えることになる。

上村聡史の演出と、眞島秀和、倉科カナ、前田旺志郎、夏子といった実力派俳優によって、激動の時間を生きる普遍的な家族の情景や感情がリアルに浮かび上がる。

 

戦争で息子を失う父ラドヤードを演じる眞島は「作品の難易度の高さから、最初は固い人物だと思っていたラドヤードですが、稽古を重ねていく中で、抗えないものがあったり、家族に対する愛情が深い父親なのだと感じ、実はとてもシンプルな話なのだと気づきました。本番を迎えて、父親として、妻や子供たちに対する愛情の持ち方は、回を終えていくごとに深くなっていくのだと思います。充実した稽古を経て、この作品の魅力をお客様に届けられる段階になり、あとは毎ステージを真剣勝負で重ねていくだけです。かなり見応えのある舞台なので、お楽しみ頂ければと思います」

また、母・キャリーを演じる倉科は「難易度が高く、理論的な戯曲なので、立体的にすることの難しさを感じましたし、国や価値観が異なる中で、私にとって初めての母の役。キャリーは、人の痛みといった感覚に訴えることが多く、葛藤していたものが突然出てきたり、感情があちこちに行く女性です。家族の捉え方が異なり、対極の価値観を持つ 2 人のやりとりは魅力的で、お客様にどのように伝わるのか興味があります。いまの時代にこの戯曲を上演する意義を感じて、キャスト、スタッフ一同、精魂を込めて作ったので、まずは楽しんでください」

さらに息子・ジョンを演じる前田は「この作品にとって、“戦争”は重要なテーマですが、僕のなかで一番大きいのは“家族”です。ずっと一緒にいるようで、なんでも素直に言えるかといえばそうではない。一番近くにいる存在でも、すごく遠い部分もある。それが家族だと「My Boy Jack」を通して感じています。稽古前、ジョンは父親に対して反発心を抱いているのでは?と思っていましたが、ラドヤードのことは嫌いではないし、リスペクトも持っていて、フランクに話しができる。心の奥底で『これは本当の自分じゃない』とジョンは思っているんです。ただ、自分が理想とするものが本当のこととも限らないですし、そんな複雑さを持っているキャラクターなので、僕の中でも正解が見つかっていません。すごく難しいけれど、面白い部分だと思っています。キプリング家の 4 人と、ご自身の家族と重ね合わせて考える瞬間があれば、ジョンを演じている僕としては、とても嬉しいです」

姉・エルシーを演じる夏子は「イギリスのウィットに富んだ会話やセリフの応酬など、舞台ならではの魅力が詰まっていて、観る方によって視点が変わる作品です。劇中で描かれているのは、普遍的でどの家庭にも起こりうる出来事。家族を愛しているからこそ、エルシーは両親やジョンにストレートな物言いで接します。家庭環境に翻弄される部分はジョンと同じですが、自らの人生を歩む力を持っている人だと思います。上村さんは、濃縮還元のように大切なことが詰まった演出をしてくださるので、稽古初日からここまであっという間でした。ぜひ劇場で、生でご覧ください」とのコメントを寄せた。

舞台「My Boy Jack」は次の日程で上演される。
東京公演:2023年10月7日(土)~22日(日) 紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAY
福岡公演:10月28日(土) 14:00開演/29日(日) 13:00開演 キャナルシティ劇場
兵庫公演:11月3日(金) 13:00開演/4日(土) 13:00開演/5日(日)13:00開演 兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
愛知公演:11月11日(土) 13:00開演/12日(日) 13:00開演 東海市芸術劇場 大ホール

掲載写真全て 撮影:岡千里

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