チャールズ・ディケンズの名作『二都物語』はフランス革命期の激動の中、それぞれの国の2人の青年と1人の美しい娘とのドラマティックなロマンス。アメリカでミュージカル化されたのは2007年。翌年にはブロードウェイに進出。日本では2013年夏、帝国劇場にて日本初上演し、12年の時を経て、2025年明治座にて再演が決定した。
主人公の弁護士シドニー・カートン役の井上芳雄、フランスの亡命貴族チャールズ・ダーニー役の浦井健治はともに初演に続き続投となる。その2人から想いを寄せられる、美しく心優しい女性ルーシーは、2021年に宝塚歌劇団宙組トップ娘役に就任し、チャーミング な雰囲気と華やかなダンスで注目を集め活躍した潤花が抜擢。退団後初ミュージカルで、今作に挑む。ルーシーの父でバスティーユに17年間投獄されていたドクター・マネット役を福井晶一、ドクター・マネットの元使用人で貴族を恨むドファルジュ役を橋本さとし、その妻で貴族に深い恨みを抱くマダム・ドファルジュ役を未来優希が演じる。そのほか、岡幸二郎、福井貴一、宮川浩が出演する。
STORY
18世紀後半、イギリスに住むルーシー・マネット(潤花)は、17年間バスティーユに投獄されていた父ドクター・マネット(福井晶一)が酒屋の経営者ドファルジュ夫妻(橋本さとし、未来優希)に保護されていると知り、パリへ向かう。無事に再会し父娘でロンドンへの帰途の最中、フランスの亡命貴族チャールズ・ダーニー(浦井健治)と出会うが彼はスパイ容疑で裁判に掛けられてしまう。そのピンチを救ったのはダーニーと瓜二つの酒浸りの弁護士シドニー・カートン(井上芳雄)。3人は親交を深め、ダーニーとルーシーは結婚を誓い合う仲になる。カートンも密かにルーシーを愛していたが、2人を想い身を引く。穏やかな暮らしが続くかに見えたが、ダーニーは昔の使用人の危機を救おうと祖国フランスに戻り、フランス革命により蜂起した民衆たちに捕えられてしまう。再び裁判に掛けられたダーニーだったが、そこで驚くべき罪が判明し、下された判決は死刑。ダーニーとルーシーの幸せを願うカートンはある決心をし、ダーニーが捕えられている牢獄へと向かう――。