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2025年10月10日 09:44

『デスノート THE MUSICAL』製作発表会見 夜神月を演じる加藤清史郎&渡邉蒼が抱く10年越しの思いと、父からのメッセージ

リコ(HUNNY BEE) 今井清隆 鞘師里保 渡邉蒼 加藤清史郎 三浦宏規 濱田めぐみ 浦井健治

『デスノート THE MUSICAL』の製作発表が10月9日、東京・クラブexで行われた。2015年の初演から10周年を迎える本作の会見には、Wキャストで夜神月(やがみ・らいと)を演じる加藤清史郎、渡邉蒼。L役の三浦宏規。弥海砂を演じる鞘師里保。さらには夜神月裕役のリコ(HUNNY BEE)、死神レムを演じる濱田めぐみ、死神リューク役の浦井健治。夜神総一郎役の今井清隆が顔をそろえた。

制作発表の開始とともに舞台上は暗転し、ピアノの伴奏とともに、加藤清史郎と渡邉蒼が、本編で披露される楽曲「デスノート」の歌声を響かせ、一気に作品の世界へいざなう。続いて三浦宏規さんによる「ゲームのまつり」が披露され、L独特の存在感とパワフルなボーカルで圧倒、集まった120名のオーディエンスを引き込んだ。さらには濱田めぐみと浦井健治による「哀れな人間」の熱唱が繰り広げられ、迫力ある歌声とその一方で切なさもにじませる歌声は、会場を本番さながらの空気感に包み込んだ。その後、舞台上には各キャストが登壇。

MCから「出演が決まったときのお気持ちは?」という質問が投げかけられ、それぞれのキャストが本作への熱い思いを語った。

まず、夜神月を演じる加藤は、「嬉しいというよりも先に驚きと実感の湧かなさというか…(決まって)うぉーという感じでした(笑)」と率直な思いを語り、「2015年の初演を日生劇場でいち観客として観ていたので、自分が夜神月を演じることになって、“あの夜神月役?”ライトってあのライトだよな?”という感覚になりましたし、それだけに、頭の中で整理するのに時間がかかりました。その後、作品に携われることを嬉しく思いましたし、(演出の)栗山民也さんはじめ、(作曲の)フランク・ワイルドホーンさんといった方々が携わっている作品に参加できる喜びを感じ始め、今は稽古しながらそれをひしひしと体で受け止めています」と引き締まった表情で語った。

10年前に観客席で観ていたという加藤は「今は歌の稽古が中心なんですが、ワイルドホーンさんの楽曲が、いち観客として聴いている分には、キャッチーで躍動感ある世界ではあるんですけど、歌ってみないとわからない難しさ、そして歌ってみてワイルドホーンさんの曲と自分の声がカチっとハマった瞬間の、気持ちよさ楽しさがあって、脳汁…っていうんですか。それを感じているんですが、それでもまだまだ課題はたくさんあるので、10年前の自分には、“今のうちの歌の勉強しとけ~”って言いたいですよね(笑)」と感慨深くコメントした。

同じく夜神月を演じる渡邉蒼は、出演が決まったときの思いを聞かれ「思い出したのは、父が数年前から“お前は夜神月をやるんだよ”、“夜神月をやるべきだと思うんだ”と言っていたことです。さすがに作品が大きすぎるので“地道に頑張るね”と伝えていたんですけど、今回お話をいただいて本当に驚きました。怖さや不安な気持ちもありますが、父に出演が決まったことを伝えたとき本当に喜んでくれましたし、“絶対大丈夫だ”って言ってくれたので、一番身近なところで僕の夜神月を待ってくれている人がいるので、そのために全力を尽くそうと思っています」と、家族への思いと丁寧に語った。 

そして、続く三浦は「母が…」と渡邉さんのコメントにかぶせる形で笑いを取り、「いや嘘です(笑)」と切り替えコメント。

「初演から拝見させていただいていて、このミュージカルは大好きな作品で、いつかやってみたいと思っていました。10周年という記念すべき公演で出演できるのは本当に嬉しいです。(Lのような)猫背の姿勢でいかにできるかというところは、決まる前から考えていましたが、実際にやってみると大変です。先輩方がやってきたことを思うと、もっと鍛えて、この体勢でも声が出るようにしていかなければと思っています」とLならではの挑戦について率直に話した。

鞘師里保は「10年前まではアイドルをやっていましたが、ツインテールでステージに立ったことがないタイプのアイドルだったので、大丈夫かな?務まるのだろうかというドキドキがありました。でも、作品が大好きだったので挑戦しようという気持ちになりましたし、SNSで出演の発表したとき、外国人の友達からもたくさんメッセージが来て、作品の大きさ、偉大さを感じました」と語った。

リコは「原作や映画、ドラマをファンとして見ていたので、決まったと聞いたときは信じられない気持ちと、多くの方に愛されている作品に出演できる楽しみな気持ちがありました。同時に、(演じる)夜神月裕ちゃんは微笑みを与えてくれるような存在だと思っていたので、それを演じる大きな緊張と責任も感じています」と気を引き締めた。

そして、「この作品の一番の魅力はどこだと思われますか?」との質問に濱田めぐみは解きほぐすようにコメント。

「この作品は今ある舞台作品と毛色が違います。普遍的なテーマよりも、この時代に突きつけられる何かを赤裸々に、尖ったままメッセージを届けられる舞台です。受け取る人によって得るものが全然違うと思いますし、ワイルドホーンの音楽も手伝って、観始めたら最後まで一気に観てしまう、目が離せない作品です」

さらに浦井健治は「夜神月とLの心理戦・頭脳戦は間違いなく魅力です。また、群像劇として(演出の)栗山(民也)さんが捉えていると思うのですが、その中で、それぞれが正義を掲げているということがこの時代に大切だということが伝わってくると思います。個人的には家族愛を描いているのもこの作品の魅力だと思っています」とこの作品が持つ普遍的なテーマを伝えた。

今井清隆は「音の力が非常に感じられる作品だと思います。稽古場で聴いていると、歌い始めたらあっという間にその世界がバーッと変わるんです。栗山先生は非常に演劇的に作り上げ、ストレートプレイのように芝居を作り上げていますが、音が入ってきたらうわーっと世界が広がって引き込まれていきます」と、ミュージカルとしての奥深い魅力を語った。

「役を演じる上で一番意識していることは?」という質問に夜神月を演じる加藤清史郎は、「夜神月の持っている愛についての感じ方、感受性。何に対してどういう愛を持っているのか。そしてそこに彼特有の負けず嫌いさがフルコンボで絡み合ってキラになっていると思っています。一つ一つに対する執着心がどこから来ているのかを意識することで、いろいろなシーンで垣間見えてくるものがあるのではないかと今は思っています」とコメント。

渡邉蒼は、「夜神月には様々な要素があるんですけど、根本の部分を考えると抑圧された中で生きてきた部分があると思っています。優等生で学年トップの成績を持ち、刑事の父親がいて、いい子であることを求められる中でデスノートに出合ってしまう。だからこそ、最初の綺麗な部分をどう作るかが重要だと思っています」と、それぞれのアプローチで夜神月に向き合っていくその思いを語ってくれた。

役へのアプローチの質問ではLについて聞かれた三浦宏規は「失礼しますね」と断ってから椅子の上に両足を乗せた姿勢で、「Lはこういう姿勢で歌うんです」とLの特徴的な座り方をしながら、「この姿勢でも声が出るように歌稽古から歌っている」という稽古での話も聞かせてくれた。 

また、記者から「デスノートにちなんで、日頃の生活の中で何かノートに書き留めておくようなことはありますか?もしかしたらデスノートがご自宅にあったり(笑)?」という質問が飛び出し、個性あふれる回答が。

加藤は「デスノートはございません(笑)。学生時代はノートを取るのが好きなタイプではありませんでしたね。でも、忘れっぽいので買い物に行くときはメモを取るようにしています。基本的にタブレットなど端末でノートを取ることが多いですけど、発信するときにも言葉遊びが好きで、いいなと思う響きや言葉が出てきたら、全然そんなつもりはないですけど、いつか歌作りたいなと思ったときの材料になればと思って書き留めたりしています」 と語り、

渡邉は、「ノートを持ち歩くほうです。今のリュックにも5冊ぐらい入っています。演技全般のことを書くノート、役のことを書くノート、強い感情を感じたときに書くノート、曲に関すること、音楽理論のことなど、様々なことを書いています。ノートを持っていないと不安になるんですよね。ただ、あまりにもノートが多いので父からはノートの数を減らすようにって言われています(笑)」と意外な一面を披露した。

三浦宏規は、「僕はスマホのメモ帳をノート代わりにしています。ラジオをやっているので、日頃からネタを探し、何か面白いことがあったらすぐに書いて、どこかで話せるようにしています。意味わからないような自分にしか分からない内容を書いています(笑)」とメモの利用方法について語り、鞘師は、「お仕事の材料になることもあるので、日頃思ったことはスマホのメモ機能に残すこともあるんですけど、強い感情を感じたときは実際のノートに日記として書くこともあります。楽しかったことも悔しかったことも書くんですけど、強い憤りを感じたときのノートは、もしかしたらデスノートに近いものがあるかもしれません(笑)」と笑いを誘った。

全キャストは約1ヶ月半後の初日に向けて稽古を進めている日々。新しい時代の『デスノートTHE MUSICAL』の開幕が待ちきれない。

本作は、11月24日~12月14日まで東京建物 Brillia HALLで上演。その後、大阪、愛知、福岡、岡山にて公演が行われる。

公式サイト https://horipro-stage.jp/stage/deathnote2025/

 

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