トップ > PICK UP > 石丸幹二×井上芳雄×安蘭けい ミュージカル『ラグタイム』がついに開幕!「このカンパニーしかできないラグタイムがここに生まれている」

2023年9月9日 10:04

石丸幹二×井上芳雄×安蘭けい ミュージカル『ラグタイム』がついに開幕!「このカンパニーしかできないラグタイムがここに生まれている」

ミュージカル『ラグタイム』の公開ゲネプロと囲み取材が9月8日(金)、日生劇場で行われ、石丸幹二と井上芳雄、安蘭けい、EXILE NESMITHが初日に向けた想いを語った。

本作は、1998年にトニー賞ミュージカル部門において13部門ノミネート、最優秀脚本賞・最優秀オリジナル楽曲賞など4部門を受賞した作品。激動の20世紀初頭のニューヨークを舞台に、ユダヤ人・黒人・白人、それぞれのルーツを持つ家族の固い絆や、差別・偏見に満ちた世界を変えて、より良い未来を作っていこうとする姿を、珠玉の音楽に乗せて送る。

初日を控え、ユダヤ人のターテ役の石丸は、「この作品は四半世紀前に作られている作品ですが、この作品は日本で上演する、そしてそこに出演することが夢でした。その夢が叶うので非常にうれしくもあり、お客様がどんな反応するのか、期待と不安が入り混じった状況で初日を迎えます」と想いを明かした。

一方、黒人のコールハウス・ウォーカー・Jr役の井上は、「人種の話ですので、日本で僕たちが演じる上ではたくさんのハードルがありました。なので、みんなで自分たちなりの表現を見つけてきました。それがどう伝わるか、どう感じていただけるかは分かりませんが、とにかく僕たちは大きなテーマのこの作品を大事に作ってきました」とコメント。そして、「音楽も素晴らしいんですよ。『アナスタシア』も開幕しますが、そちらと同じ作曲家です。ただ、『アナスタシア』よりも2、3曲いい曲が多いんじゃないかなと思います」と冗談めかして笑わせた。

また、安蘭は「短い期間でここまで作り上げられたのは、多くを経験されてきた方々がいるからこそだと思うので、そこは自信を持っています。それぞれの役の作り方や稽古を見て、足りない時間をどうにか補っているんだなと見ながら思っています。このカンパニーしかできないラグタイムがここに生まれていると思うので、明日から楽しみにしていただければと思います」と笑顔を見せ、NESMITHは「この御三方の横に僕が立っているのが信じられなくて、本当にありがたい機会をいただいたと思っています。僕自身もダブルなので、色々なセリフだったりシチュエーションだったり、葛藤だったりが、自分のルーツの先にあるのかなと、重ねながら稽古をしたり、皆さんのお芝居を見て感じさせてもらいました。自分にとってもこの作品は忘れられない歴史の一つになると思います」と想いを寄せた。

人種を扱っているということから、井上が話す通り、本作ではその人種の違いをどう見せるかは大きなポイントだ。井上は、その描き方について「人種というのは今、とてもセンシティブな問題で、どうやって描くかを僕たちも模索してきました。見た目などの分かりやすい記号で描くのではなくて、思いや生活してきたもの、匂い、動き、文化でその人となりを表現できたらいいなと思ってやっています。なので、今回、僕たちはちょっと前まで日本の演劇界であったような、見た目で人種を表現するということはしていません。でも、演出の藤田さんをはじめ、どうやって表現するかを考えた結果が出ると思うので、ぜひ見ていただいて、感じていただければ嬉しいなと思います」と説明。

石丸も、「振り付けが人種の動きを強調しているんです。衣装もはっきり違います。黒人の人たちはカラフル、白人はピュアな色、移民の人は移民の色としてグレー。所作もちょっとずつ違いますので、それで表現しています」と語った。

実際にゲネプロでは、それぞれの人種が分かりやすく表現されていた。衣装もさることながら、動きもダンスも歌い方もそれぞれ違う。日本人が演じているのに、石丸はユダヤ人、井上は黒人、安蘭は白人であることがはっきりと感じられるという、新しくて不思議な感覚を覚えた。

また、人種問題を描いているというと小難しい物語をイメージしてしまうが、ストーリーはいたってシンプル。そこでは、私たちと同じように懸命に生きる人間たちの姿が上質な音楽とともに丁寧に描かれていた。

ミュージカル『ラグタイム』は、以下の日程で上演。
東京公演:9月9日(土)~30日(土) 日生劇場
大阪公演:10月5日(木)~8日(日) 梅田芸術劇場 メインホール
愛知公演:10月14日(土)~15日(日) 愛知芸術劇場 大ホール

トップ > PICK UP > 石丸幹二×井上芳雄×安蘭けい ミュージカル『ラグタイム』がついに開幕!「このカンパニーしかできないラグタイムがここに生まれている」

Pick Up(特集)

error: コンテンツのコピーは禁止されています