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2025年11月1日 19:05

【後編】城田優インタビュー「AIで何でもできてしまう時代だからこそ、生の舞台が重宝されるべき」 「松竹ブロードウェイシネマ 2025秋」

――では、城田さんにとってミュージカルとはどんな存在ですか?

演劇やミュージカルといってもいろいろな作品があります。今回、上演される3作品も全く毛色が違って、それぞれに魅力がある。もちろん、観る人それぞれに好みはあるので、その色が好きだと思う人もいれば、ちょっと苦手だという人もいて、自分が何色なのかを見つけることができるとても楽しいコンテンツだと思います。今はミュージカルに触れる機会が増えてきました。ミュージカルはすごく幅が広いので、あまり観たことがないという方やミュージカルに興味がないという方も、ぜひ一度、観ていただけたらと思います。ミュージカルはエンターテインメントの王様とも言われているので、劇場に足を運んでいただいてもいいですし、こうした映画から入っていただくのも良いのではないかと思います。話は逸れてしまいましたが、ミュージカルは、とても刺激的で、その作品によって全く毛色が違うエンターテインメントなので、心が豊かになるコンテンツだと思います。

――「今はミュージカルに触れる機会が増えた」という言葉もありましたが、今後、ミュージカルの裾野をさらに広げていくためにどうしたら良いとお考えですか?

単純に触れていく機会を増やすしかないのかなと思います。例えば、ウニを食べたことがない人に「これは絶対においしいから食べてもらいたい」と思ったら、まずはそのウニの存在を知ってもらわなければいけないですよね。それと同じで、ミュージカルという作品、ミュージカルというジャンルを知っていただく。そして、その中でも多岐に分かれていることを知っていただく。もしかすると『エニシング・ゴーズ』は好きだけど『インディセント』は苦手だという人もいるかもしれないし、その逆かもしれない。なので、まずはエンタメにおいての好みに沿って作品を選んでいただいて、こうしたミュージカル映画でもいいですし、サブスクでもいいので、何らかの形で観ていただければと思います。その入り口はどんな形でもいいと思うんですよ。例えば、ディズニーアニメもミュージカルですよね。そうしたところから入っても良いのではないかなと思います。とにかく、作品に触れていただくことだと思うので、僕たちにできることはこうして「ぜひ観てください」「面白いですよ」と言うことしかないのかなと思います。

――そうですね。なるべく多くの方の目に触れてもらうということしかないですよね。

ただ、僕自身は、ミュージカルだけでなく、エンターテインメント全般で、さまざまなことに興味を持ってやらせていただいているので、自分の活動はミュージカルを広めるためだけというわけではないです。面白そうならば番宣でなくてもバラエティ番組にも出ますし、ドラマにも映画にも出ます。自分が面白いと思ったことをやっているだけなんです。それは観ている方たちも同じだと思います。好きではないものを無理に観る必要はないんです。もし、食わず嫌いだったら、「これを食べてみたら?」とおすすめすることはできますが、そうでないなら無理をする必要はないと思います。

――なるほど。そうした中でも、城田さんはミュージカルに対しての思い入れは深いのかなと

もちろん思い入れはあります。いいものを作りたいです。今、AIでなんでもできてしまう時代で、何十億円もかけなくてもAIの力で一瞬でできてしまうことがたくさんあります。ですが、そうした世の中だからこそ、生の舞台が重宝されるべきだと僕は思っています。テレビドラマや映画、動画配信というエンターテインメントにはできない、生で目の前で起きていることを観て感じるというコンサートやミュージカル、舞台、イベントというジャンルはこれからより価値が高まっていくと思います。それは、生身の人間が何十人、何百人集まって作るからです。なので、そこで面白いものを作ろうという思いは強くあります。ただ、ドラマにはドラマの、映画には映画の良さがありますし、それぞれのお仕事を自分なりに体現していければと思っています。

公式HP https://broadwaycinema.jp/titanic/17787419

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取材 文:嶋田真己  撮影:有田純也

 

 

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