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舞台『オーランドー』に出演する池田鉄洋さんにインタビュー!『この座組みは貴重、大傑作になるはず!』<後編>

2017/7/25 10:58

取材:記事・写真/RanRanEntertainment

<“白井演出”を楽しむことができるメンバー>

――正解を超えるような演技となると、経験が浅い、若い役者の方にとっては難しいこともあるのでは?

若い人が、演出家の言葉がわからない時に“何を拠りどころにするのか”というと、自分の感情を拠りどころにするんです。でも演じるのは訳の分からないキャラクターじゃないですか。そこに自分の、二十歳そこそこの感情を持ってきても違うんですよね。そうやって深みにはまっていっちゃう。そんな時はとにかく形から入ればいいのにと思うんです。白井さんの手の動きとかを勉強したらいいと思うのですが、それは私が経験したから分かることで……。

この間、白井さんがKAAT神奈川芸術劇場でやられていた舞台『春のめざめ(2017年)』は10代の子たちの話ですが、20代くらいの若い方たちが出演されていましたよね。もしそれを10代の子たちが演じていたら、どつぼにはまって大変な事になっていたと思います。そういう意味では、今回共演する小芝風花さんは若いですが、芸歴は長いのでよくご存知でしょうし、ご一緒する方々は皆さん、“白井演出”を楽しむことができるメンバーなので、白井さんも少しハードルの高い要求をされるのではないかと。あまり追い詰めないでほしいなぁ(笑)。楽しくやらせていただければなと思います。

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――本作は、20世紀初頭という同性愛が許されない時代に、ヴァージニア・ウルフが同性の恋人をイメージして書かれた作品と聞いてどう思われましたか?

当時の同性愛者などは社会的地位をはく奪されるような時代だったと思うので、描かれている物語と現実とでは重みが違うと思いますが、せめて空想の物語の中だけは軽やかでいたかったんだろうなと思います。そういった作品から白井さんがどのようなシーンを作るのか、我々にどんな鎖をはめるのか……「え~?そこぉ!?」となるかもしれませんが(笑)、それを含めて楽しみですね。

――これまで女装役も数多く演じられてきた池田さんは、現時点でどう演じようと考えていますか?

私が10年くらい主宰しているコントユニット『表現・さわやか』のメンバーに佐藤真弓という女優がいるのですが、背が小さくてパタリロみたいな感じの人で、必然、ヒロインみたいな役ができなくて、おじさんとかをやらせていたんです。それで仕方がなく私が女性を演じることが多くなりまして(笑)。でも、このままでは女性役はキツイので(笑)女性に見せようとして良いカツラを買ってみたり、メイクを勉強したりしてどんどんハマっていっちゃったんです。
形から入っていったのですが、不思議と気持ちも女性になって「もっとキレイになりたいわ~♪」と思うようになるんですよ(笑)。女性を演じてきた経験は、人よりも多いと思いますので、形さえ作ってしまえばきちんと演じられる自信はありますね。さすがにこの、おっさんの姿のままで女性役というのはしんどいですが(笑)、カツラやメイクなどある程度のアイテムさえいただければ、女子もどきの気持ちになって演じることができると思います。

――池田さんは演出に関して白井さんとディスカッションされるのでしょうか?

5年前の舞台『4 four(2012年)』では、かなり役者たちは白井さんとディスカッションしていましたね。高橋一生くんが出演していたのですが、彼も話し合って作っていくのが好きだったので。白井さんもそういうのはウェルカムなので、よく話し合っていましたね。また、『春のめざめ』に出演していた栗原類くんも「こう思うのですがどうしたらいいですか?」とかよく聞いていたようです。私も類くんを演出したことがあるのですが、彼はかなり聞いてくるんです。類くんは馬役だったのですが、馬の気持ちを色々聞かれて、どう答えていいのか悩みました(笑)。でも、白井さんはそれも大事なことだと思っていらっしゃるので、本当にお芝居がお好きなんだなと思いますね。

――では今回の稽古でもディスカッションはありそうですか?

今回、僕はそんなに(白井さんとは)話さないと思いますね。話さない代わりに演じちゃって止められる感じになればいいかなと思っているんです。会議の時間がめんどくさいので、それならやってしまおうかなと。何となくですが、その方が共演者の野間口徹くんも好きじゃないかなって気がするんですよね。作品のことも大事だけど、演技が大好きで「まず演じる事が楽しいよね」という遊び方ができる方々が今回揃ったので、ならば「先に演じちゃおう!」となるんじゃないかな。なんとなくですよ。

 <もし、女性になったらチヤホヤされてみたい>

――『時と性を超える』作品に絡めて、もし池田さんが目覚めて女性になっていたら、どんなことをしてみたいですか?

『君の名は。』じゃないですが、やっぱりおっぱいを触るんじゃないですかね(笑)。でも、女性になると言っても色々ルールがあって、年齢や顔の具合も今の状態と変わらないくらいの女性になるとしたら、ちょっと大変でしょうね(笑)。47歳のちょっと疲れた顔の女性が出来上がると考えると……どうしようかな~って思う(笑)。

――では(笑)、若くてキレイな女性になっていたとしたら?

それなら街に繰り出しますよ、どんだけ扱いが変わるんだろうって試してみたくなる。今、私、どの現場に行ってもチヤホヤされないんですよ、おっさんなんで(笑)。(一同爆笑)

その点、若い女の子は現場に行ってもチヤホヤされていますもんね(笑)。この間、ある若手女優さんが現場に遊びに来たんですけど、もうプロデューサーのおっさんたちがブッワーと寄って行って……こっちにもヒロインいるけど、あれ!?ってなりましたもん(笑)。

あの世界と僕が住んでいる世界はまるで違うなって思いましたね。パラレルワールド!次元が違うんじゃないかってくらい(笑)。きっと見えているものも違うんだろうな。でも、彼女くらいキレイな女性になったら、周りに寄ってくるのはおじさんだっていうのは不思議ですよね(笑)。広瀬すずになったらキレイなものが見えるわけじゃなくて、おじさんが見えるんだ!ワハハッ(笑)(一同爆笑)。

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――共演の多い多部未華子さんや小日向文世さん、また共演者の皆さんとのエピソードはありますか?

小日向さんはドラマで一回、雑誌で一度、対談をさせていただきました。劇場でよくお会いするので可愛がってくださいます。今回は旅公演(兵庫)もあるのですが、小日向さんは旅が大嫌いなんですよ。日本だったらいいのかな?以前、『サイドウェイズ(2009年)』というアメリカのナパ・バレーを舞台にした映画に出演された時、何処にも行かずにずっとホテルにいたらしいと、共演されていた生瀬さんから聞きました(笑)。野間口くんも呑まずに家に帰るし、戸次くんも結婚されたので家に帰るし、僕も子供がいるので家に帰りたいので、みんなすぐ家に帰ると思います(笑)。
まぁ、それはそれで無理せずにやっていけるかなと(笑)。僕はそこまで出不精ではないのですが、小日さん(小日向さん)の“安全な所に居ようよ”という気持ちもわかるんですよね。そんな小日さんの可愛らしさとか、変わった部分とかも大好きなので。先輩ですけど、ずっと見ていたい方ですね。

多部ちゃんとはプライベートでも、映画の現場のみんなとご飯行ったりしていますね。多部ちゃんはとても可愛らしい容姿ですけど、稽古のジャージがヒョウ柄だったりして。意外と男らしい一面を持っているので、パブリックイメージとは違うんだろうなって。だからこそ色々な役を演じられるんだなって、そこがたまらない魅力ですね。多部ちゃんのことは「まだよくわからないな」っていつも思わせられます。今回は座長ですし多部ちゃんなら、きっと我々を引っ張って行ってくれると思いますね。

<緻密に書かれた上での“飛びかた”があるから面白い>

 ――今回の舞台の見どころをお聞かせください。

今脚本を書いている時期なので思うことですが。もし、自分が『オーランドー』的なお芝居を書いたとして、「突然女性になりました」ということが通るわけがなく、プロデューサーなどもOK出すわけがないと考えすぎていたのですが、このお芝居を演じることになって、もっと頭を解さないといけないなって反省したんです。

全部がぶっ飛んでいたら話にならないけど、緻密に書かれた上での“飛びかた”があるから面白くて、「こんな飛びかたしても面白いじゃん!」「ありえないな、びっくりしたな」と考えさせられました。稽古って“収まりどころ”を探していく部分もあるのですが、それを事あるごとに壊していかないといけないんじゃないかという気もして。今、私生活で子供も出来て、大人しくなっている時期なので(笑)、一回無茶なことをしてみようかなと考えているところです。それぐらいしないとお客様も楽しめないと思うし、発想もお客様の方が飛んでいたら負けなので、作品がぶっ飛んでいるから役者もぶっ飛ばないと。お客様の想像を超えないといけない。

後半、主役自ら、とんでもないメタモルフォーゼ(変化)を起こすので、目まぐるしく変化していく舞台を楽しみにしていただけたらと思います。たまに、一人めんどくさい人がいたりすると、ある点を超えるのは難しくなるのですが、この座組みはなかなかないですよ!演じることが大好きな方々が集まっているので、ある点を軽く超える大傑作になる気がしますので是非いらしてください!

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KAAT×PARCOプロデュース『オーランドー』
公演日程: 2017923日(土・祝)~2017109日(月・祝)

KAAT公演>KAAT神奈川芸術劇場<ホール>
20171026日(木)~29日(日)

<東京公演> 新国立劇場 中劇場
20171018日(水)

<松本公演>松本市民芸術館 主ホール
20171021日(土)~22日(日)

<兵庫公演>兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール
原作: ヴァージニア・ウルフ
翻案・脚本: サラ・ルール
演出: 白井晃
翻訳: 小田島恒志 小田島則子
出演: 多部未華子 小芝風花 戸次重幸 池田鉄洋 野間口徹 小日向文世
演奏: 林正樹 相川瞳 鈴木広志

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白井晃演出で待望の日本初演!

時と性を超えるヴァージニア・ウルフの傑作を舞台化!!

一夜にして女性へと変貌し、時を超えて真実の愛を追求する、
美貌の青年貴族オーランドーに多部未華子が挑む!
共演者も時には男性として、時には女性としてオーランドーの数奇な運命の中で巡り合う!小日向文世はエリザベス女王で登場!


日本初演となる本作は、20世紀モダニズム文学の重鎮で最も有名な女流作家のひとりであるヴァージニア・ウルフの代表作を、1974年生まれのアメリカの劇作家サラ・ルールが翻案。サリー・ポッター監督の映画「オルランド」(1992年)でも知られる人物オーランドーを、現代的に生き生きと甦らせる。

16世紀のイングランドに生を受けた少年貴族オーランドーは、エリザベス女王をはじめ、あらゆる女性を虜にする美貌の持ち主。しかし初めて恋に落ちたロシアの美姫サーシャには手ひどくフラれてしまう。傷心のオーランドーはトルコに渡る。その地で30歳を迎えた彼は、なんと一夜にして艶やかな女性に変身!

オーランドーは18世紀、19世紀と時を超えて生き続け、またもや運命の人に会い、それから……

奇想天外なストーリーながらも、数奇な運命をたどるオーランドーの人生をなぞり、“真の運命の相手には時代も国も性別も関係なく巡り合えるはず!”というヴァージニア・ウルフの強いメッセージが感じられる本作を演出するのは、KAAT神奈川芸術劇場の芸術監督・白井晃。これまでKAATプロデュース公演で演出してきた「ペール・ギュント」「夢の劇―ドリーム・プレイ―」「マハゴニー市の興亡」など上質でアカデミックな印象の作風を踏襲しつつも、わずか6名の俳優で、これまでとはひと味異なった新たな表現に挑戦する。

 

 

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