取材:記事・写真/RanRan Entertainment
10月から12月にかけて、福岡、東京、大阪で上演される日本テレビ開局65年記念舞台『魔界転生(まかいてんしょう)』が上演される。『真田十勇士』以来、2回目の顔合わせとなる堤幸彦監督と脚本のマキノノゾミ氏による本作は、山田風太郎の伝奇小説「おぼろ忍法帖」を原作に、島原の乱を起こすも幕府軍に敗れた天草四郎が、「魔界転生」の妖術で黄泉の国から蘇り、幕府滅亡を図るべく呼び覚ました魔界衆と、魔界から蘇った強敵に立ち向かう柳生十兵衛率いる柳生衆との激闘を描く。
ランランエンタメ!では2人の巨匠が手掛けた舞台『真田十勇士』で海野六郎役を演じ、今作も柳生衆の一人・小栗丈馬役で出演する栗山航さんにインタビューを敢行。作品への意気込みや27歳の誕生日を迎えた現在の心境などについて語っていただいた。
――『魔界転生』発表記者会見はいかがでしたか?
2年前も同じ場所で、舞台『真田十勇士』(2016)の会見に参加しましたが、その時よりも楽しく記者会見に臨めました。堤さん、マキノさんをはじめ顔馴染みのあるみなさんがいらして、またいい作品が始まるなという雰囲気がビシビシ伝わってきて、ワクワクした気持ちのまま会見を終えました。
――本作に出演が決まった時のお気持ちはいかがでしたか?
本当にすごく、すごく嬉しかったです。また、マキノさん堤さんタッグの作品に出演できる。『真田十勇士』と同じような感覚をまた味わえると思うと嬉しくて。上川隆也さん主演の『魔界転生』が上演されるという話は最初、ニュースで知ったんです。「堤さんマキノさんタッグの作品で『真田十勇士』と同じだ!しかも、制作は日テレ(日本テレビ)だ!!あれ?僕、呼ばれてない?……」と思って、1、2ヵ月すごく悲しい気持ちでいたのですが、後から追加キャストで呼ばれて、「やったー!またあの『真田十勇士』で感じた面白さを体感できる!」と大喜びしました(笑)。演じている僕たちも楽しいと思える舞台だったんです。マキノさん堤さんの奇想天外な面白い脚本と演出に出会えて役者として幸せです。
――堤幸彦監督と脚本のマキノノゾミさんの舞台『真田十勇士』は「とても大変だった」と、出演されたみなさんは口を揃えておっしゃっていますね。栗山さんはいかがでしたか?
本当に大変でしたが、みなさんには“僕の役は大変じゃない”と言われます(苦笑)。『真田十勇士』で演じた海野六郎は、刀の代わりに銃剣とそろばんを持っている役なのでそれほど殺陣も上手くなく、また合戦が始まってすぐに死んでしまうので”大変じゃないだろ?“と言われるのですが、自分にとっては精神的・身体的にもきつい舞台でしたね。しかし、それ以上に楽しかったですし、大変さよりも面白さのほうが上回る舞台でした。今回は『真田十勇士』のときよりもさらに大変らしいので、きっと前作を上回る素晴らしい作品になると思います。
――大変な舞台を乗り越えていく秘訣は何だと思われますか?
大変だと思わないことじゃないですか?ハハハ(笑)。僕はポジティブシンキングなので、あまり大変だと考えないようにしていて……。先々のことをあまり考えたくないんです。目の前の稽古を丁寧に重ねて、一日一日を大切に生きていけばいいと思うのです。先々のことを考えたら辛くなりますから(笑)。
実は毎回、作品ごとに壁にぶち当たっているんです。この作品でも悩むところがあると思いますが、先輩方にアドバイスをいただきながら、その壁を壊して進んでいきたいと思っています。
――『真田十勇士』のときはどのような壁に当たったのでしょうか?
やはりキャラクターですね。あのときは、自分の色を出すという壁にぶち当たりました。堤さんの演出でしたので、みんなキャラクターが濃い中、僕は再演組だったので、どう自分の色を出していこうかなというのが難しかったですね。今回もどう自分の色を出すかが大事だと思っています。
――今回は宙吊りがあるとのお話でしたが、ワイヤーアクションは栗山さんが得意とされるアクションの一つですよね?
そうですね。ワイヤーアクションがあると聞いた時、やりたいなと思ったのですが、おそらく飛ぶのは溝端さんで僕は飛ばないと思います。舞台ではワイヤーアクションをやったことがないので是非やってみたいと思っているのですが……。機会があれば飛んでみたいですね、何でもします!(笑)。
――殺陣についてはいかがでしょうか?
まだ台本をいただいていないので、どれだけアクションがあるのかわかりませんが、殺陣に関しては自信を持ってやっていますので、安全ないい刀さばきをお見せしたいです。『真田十勇士』のときは海野六郎の殺陣シーンがほとんどなかったので、堤さんにもっと殺陣でいいところをお見せしたいとずっと思っていました。今回の『魔界転生』で、それが叶いそうなのですごく楽しみです!
――今回演じられる小栗丈馬はどのような印象をお持ちですか?
まだ原作も見ていないのでよくわからないのですが、堤さんの演出にかかったら、それが“小栗丈馬”になるので原作に寄せていく必要はないと思っています。みなさんに小栗丈馬といえば“栗山航が演じた小栗丈馬”を真っ先に思い浮かべてもらえるようにがんばりますし、そうなれば嬉しいです。
――先ほども、堤さんの作品は奇想天外と言われていましたが、どのくらい奇想天外なのでしょうか?また、映画やドラマなどの映像では独特のカメラアングルで撮影されていますが、それが舞台ではどう生かされると思われますか?
演出家の方の頭の中は“どうなっているんだろう?”といつも不思議に思いますね、僕には想像ができないほど発想が面白いので。堤さんも会見でおっしゃっていましたが、かなり大がかりな舞台装置が作られるようです。僕たちが想像できないほどの舞台装置と演出が待っているんだろうな。だから、安全を確認しながらやっていかないといけない大きな舞台だと改めて思いますね。
――博多座からスタートして1ヵ月くらいは、東京を離れ福岡で過ごされるわけですよね?
博多座に4週間、計1ヵ月滞在することになりますが、家に帰らないと疲れが取れないんじゃないかな。ホームシックになるんじゃないかとそれだけが不安なんです(笑)。ホテル住まいが4週間続くわけですから、不安しかない(笑)。だから、家から枕とタオルケットは持参していこうと思っています。アハハ!
――食べ物など楽しみにされていることはありますか?
食べたり飲んだりする暇があったら、稽古しないと。
――ストイックですね。
ハハハ(笑)。でも、博多は何度か仕事で滞在していて、よく知っているお店などもあるので楽しみではあります。楽しみではあるのですが1ヶ月は長いです(苦笑)。
――共演者のみなさんの印象はいかがですか?
今日、初めて上川さんと松平さんとお会いしましたが、背中が大きかったですね。記者会見のとき、後ろの席からずっと眺めていました。ドシンと構えられていて、頼りがいのある大きな背中だなと。甘えさせていただこうと思いました(笑)。時代劇の総大将である松平さんの気合に圧倒されそうですが、是非とも殺陣で交わりたいですね。一度、剣を交わらせていただけたら自信になると思います。(後編に続く)
日本テレビ開局65年記念舞台『魔界転生』
【スタッフ】
原作:山田風太郎(角川文庫刊) 脚本:マキノノゾミ 演出:堤 幸彦
企画・製作:日本テレビ
【キャスト】
上川隆也 溝端淳平 高岡早紀 村井良大 松田凌 玉城裕規 木村達成 猪塚健太
栗山航 丸山敦史 山口馬木也 藤本隆宏 浅野ゆう子 松平健 他
【日程・会場】
【福岡公演】2018年10月6日(土)~28日(日) 博多座
【東京公演】11月3日(土・祝)~27日(火) 明治座
【大阪公演】12月9日(日)~14日(金) 梅田芸術劇場メインホール
【チケット発売日】
福岡・東京:7月7日(土)発売
大阪:7月29日(日)発売