取材・撮影/RanRanEntertainment
相葉雅紀主演の舞台『ようこそ、ミナト先生』が6月4日(土)~19日(日)新国立劇場で、6月29日~7月3日(日)梅田芸術劇場で上演される。開幕直前の6月4日(土)にフォトコールと、相葉雅紀、松平健、脚本の金子ありさ、演出の宮田慶子が出席し取材会が行われた。
左から)宮田慶子 松平健 相葉雅紀 金子ありさ
本作は、脚本家・金子ありさと演出家・宮田慶子と相葉雅紀が『君と見る千の夢』以来12年ぶりにタッグを組み贈る、町や人生の“再生”をテーマにしたオリジナルストーリー。
物語の舞台は、湊孝成(相葉雅紀)が非常勤教師として赴任した、とある山あいの町・日永町。彼は“ミナト先生”と慕われ、地元組からも移住組からも頼りにされている。しかし、一人暮らしの偏屈者植村久志(松平健)だけは心を開こうとしない。
ミナトをとりまく住民たちを演じるのは、秋元才加、忍成修吾、濱田龍臣、須藤理彩、青木さやか、中山裕一朗ほか。
フォトコールに続いて会見が行われた。
初日への思いについて、ミナト先生役の相葉雅紀は「ずっとやりたいと思っていた舞台を、こんな素敵な皆さんに囲まれてやれることを幸せに思っています。無観客でやることが多かったので、お客さまの前に立つことをすごくしたかったので、少し緊張はしていますが今日も楽しんでやりたいと思います。」と語った。
植村久志役の松平健は「大変難しいですが、町や人の再生、脚本に描かれている心の葛藤をうまく演じられたらと思っています。」と、テーマの難しさを実感している様子だった。
演出の宮田慶子は「いよいよ初日を迎えて、緊張しながらもとても楽しみにしています。みんなで1ヶ月間ほんとに楽しく、でも苦しみながらコミュニケーションをとりながらやってきました。とにかくコロナでお客様も緊張していた時期が長かったと思うので、思い切りみんなで舞台を楽しんでいただきたいなと思っています。」と挨拶。
脚本の金子ありさは、「とにかく、無事に今日を迎えられたことをとても嬉しく思います。最後までみなさんが無事に走ることを祈るだけです。私は頭の中にあったものが今目の前にあるということの眼福にただただ浸っております。」と喜びを語った。
12年ぶりの舞台となる相葉は、稽古について少し躊躇しながら「辛かったです。」と告白。「けっこうしごいていただいたので、12年間空いてしまったこともあるのですが、なかなかハードな機会でした。役がそもそもハードな役なので、そこに自分を持っていく作業は
難しかったです。手取り足取り愛のある指導をしてくださいました。たまに金子さんが稽古を見に来てくださった時にはほめてくださっていました(笑)」と、二人の対応の違いを笑顔で明かした。
宮田は稽古の途中で、「ごめんね。12年分ダメ出ししているよね。それは消化できないよね。ちょっと反省した。」と相葉に話したという。「12年間すごい経験をなさって、12年分当たり前ですけれど、すごく素敵な大人になられて、ものすごく中身が充実された」と相葉の成長ぶりを実感したそうで、「金子先生の書いて下さった本が、ハードルが高くて、とても真摯に受け止めてきちんと重ねていかないとできない役柄なので、大人になって中身が充実した分苦しんだ感じでした。」と話した。「日々、こういうことかな?と探しながら、稽古場としては一番ハードだけれど、今後は楽しいと思って欲しいと思いながらもしごいていました。」と、稽古場の様子を語った。
金子は、相葉の成長を頼もしく思うと同時に「演劇界のレジェンド、松平健さんを迎えられるということの光栄、12年間私たち頑張って良かったなと感じています。」と率直な気持ちを語った。松平は「私などは若い頃はそんなしごきがなかったので羨ましいと思います。日々見ていて頼もしいです。」と、稽古を重ねて相葉が頼もしくなっていくのを実感しているようで、相葉のことを「努力家」と話す。
金子は、12年ぶりに相葉主演の物語を書くに当たって、相葉に対し持っているイメージが「ファンタジーとリアリティの融合というテーマがあって、居そうで居ない人、そこをすごく意識して、ドラマや映画ではできない舞台ならではの役柄、表現法を意識して書いた」という。相葉はそれを聞いて「僕は商店街にいるタイプ」と首を傾げたが、金子は「絶対にいないタイプ。」ときっぱり。
宮田は、今回、「いろいろと詰まった時に本当に松平さんに助けていただいた。さきほどフォトコールで見ていただいたシーンも、ほんのちょっとした目線のきっかけでガラッと呼吸がしやすくなったり、お父様のように助けていただいた。」と松平の存在の大きさを話した。相葉も対峙して松平の目の力、放ってくるパワーも感じたという。
再生がテーマの今回の物語。相葉にとって再生したいものとは、「お客様の前に立てるということが再生したいことだったので、再生していると思います。」と話し、舞台は「体一つでの勝負になってくる。厳しいけれど、宮田先生とのお仕事は大きい。なかなか機会がありませんが、その分今回吸収しようという思いです。」改めて本舞台への思いを伝えた。最後に「全力でみんなで作り上げてきた舞台なので楽しみにしてください。」と観客に向けてメッセージを送り、会見を締めくくった。
『ようこそ、ミナト先生』
【東京公演】 2022 年 6 月 4 日(土)~6 月 19 日(日) 新国立劇場 中劇場
【大阪公演】 2022 年 6 月 29 日(水)~7 月 3 日(日) 梅田芸術劇場メインホール
脚本:金子ありさ
演出:宮田慶子
出演:相葉雅紀 秋元才加 忍成修吾 濱田龍臣 須藤理彩 青木さやか 中山祐一朗
横堀悦夫 森田甘路 大沼百合子 田中利花 天野はな 野口俊丞 吉村卓也 谷 花音 松平 健
主催・企画製作 東京グローブ座
公式サイト: https://www.minatosensei.com
【ストーリー】
甲信越地方の山あいにある町、日永町。 一年前、この地を観光で訪れ、非常勤の音楽教師として働くことになった湊孝成。 人当たりがよく誰にも親身な彼は“ミナト先生”と慕われ、地元組からも移住組からも頼りに されるように。住民の間ではミナトがずっと町にいてくれるよう、診療所の医師・高梨由佳 子とくっつける計画が持ち上がるほど。 だが一人暮らしの偏屈者、植村久志だけは心を開こうとしない。 そしてミナトはある秘密を抱えていた。 そんなある日、ひょんなことから日永町の動画がネットで拡散。町が世間から注目を集める と事態は大きく動き出す――。