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2023年4月16日 13:23

【後編】JUON、ビートルズは「常にそばにいる存在」 2度目のポール・マッカートニー役に挑む 舞台『BACKBEAT』インタビュー

取材:写真/RanRanEentertainment

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――2月に行われた製作発表では、久しぶりにメンバーたちと演奏を披露されましたが、プロのミュージシャンでもあるJUONさんからみて、皆さんの成長は感じましたか?

やはり初演の時とは経験値もスキルも全然違いますので、半端なく上達していました。製作発表のためのリハーサルも行ったのですが、リハーサルでは見せることができなかった爆発したプレイがステージではできたと思います。ただ、この作品ではスキルが上がればいいというわけではないんですよ。上がれば上がるほどその壊し方のクオリティを上げていかないといけない。それは楽しみでもあります。

――なるほど。今作では、実在するポールが左利きということに合わせて、普段は右利きのJUONさんも左利き用のベースを弾いているそうですね。利き手とは違うというのはやはり相当大変なのではないですか?

おっしゃる通りです。初演の時は、半年くらいはずっとサウスポーで弾いてましたが、最初はキツかったですね。ベースは、握力が必要なので、(利き手でないと)音が出なくなってしまったり、弾きたい弦に当たらなかったり…うまく弾けない自分にイライラすることもありました。少しできるようになってからは楽しくなりましたが。

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――ポールを演じる上で、一番難しかったのは左利きの演奏ですか?

そうですね。しかも、飛び跳ねたり、暴れたりしながら弾くんですよ。ただ立って弾くのにも一生懸命なのに、動きながら弾くとなると、どんどんハードルが上がっていく。それが大変でした。ですが、左手で弾くからこそ、初期のビートルズの匂いが面白い具合に出せたのかなとも思います。右手で弾いたらスラスラ弾けてしまうので、(左で弾くという)ぎこちなさが初期のビートルズっぽいなと。あの当時の彼らのガチャガチャ感が出ないといけないと思うので、うまくなりすぎるのも問題がある気がしてます。それについては、石丸さんと(製作発表の)リハーサルの時にも少しお話したんですが、「うまくなりすぎているから、引き算していかないといけない」と石丸さんもおっしゃっていました。演奏という面ではうまくなるのは良いことなのですが、この作品、この役ということを色々と考えなくてはいけないと思います。まあ、左利きでヴァン・ヘイレンをやれと言われたら倒れていたので、ビートルズで良かったと思います(笑)。

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――ポールらしさを出すためにしていることや、役作りではどんなことをしたのですか?

僕自身は、ジョン・レノンに近い性格や雰囲気があるのかなと自分では思っていますが、いざ音楽をするとなるとマインドはポールに近いと思うんです。楽曲はきれいに作りたいですし、歌もうまさやテクニックを大切にしているところがある。なので、ポール気質ではあると思うので、そこを出していけばいいのかなと。自分を変えるというよりは、自分の中にその芽を見つけて、ポールの顔をリンクさせるような感覚で初演の時は演じていました。

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――映画『TELL ME~hideと見た景色~』ではhideを演じるなど、実在のミュージシャンを演じる機会が続いていますね。同作でもhideらしい仕草が随所に見られたので、実在の人物を演じる時には、特に仕草などを意識していたりするのかなと。

もちろん意識はしていますが、ポールの場合は、幼い頃から聞き続けているビートルズということもあって、元々自分の中にその芽があったんです。なので、自分の中に焦点を当てるような感覚でした。hideさんの場合には、確かに昔の映像や画像を観たり、インタビューをされている動画を観たり、楽曲をカバーしたり、どんどん自分を染めていく作業でした。映画を観た友達から「お酒で酔っ払って暴れるシーンが良かった。あそこはhideさんそのままだった」と言われたのですが(笑)、制作の方は「JUONくんの温厚なところがhideさんとリンクする」とおっしゃっていたこともあって、自分の中にその素質みたいなものはあったのかもしれません。そうしたリンクする部分を見つけて、自分の中に落とし込んでいく作業なのかなと思います。

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――ありがとうございました。では、改めて今作の見どころと公演への意気込みをお願いします。

ビートルズを演じるメンバー全員で、生演奏でお届けするというのが見どころです。ライブだからこそ、1公演1公演、同じものはないので、そのライブ感を楽しんでいただけたらと思います。個人的には、1段階ステップアップした演技をお見せして、この作品に貢献していきたいと思っています。さらにパワーアップした『BACKBEAT』を楽しみにしていただけたら嬉しいです。頑張ります!

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『BACKBEAT』

作:イアン・ソフトリー、スティーヴン・ジェフリーズ
翻訳・演出:石丸さち子
音楽監督:森 大輔
出演:
戸塚祥太(A.B.C-Z) 加藤和樹
辰巳雄大(ふぉ~ゆ~) JUON(FUZZY CONTROL) 上口耕平
愛加あゆ
鍛治直人 東山光明 西川大貴 加藤将 工藤広夢
尾藤イサオ

日程・会場:
2023/4/23(日) 東京・江戸川区総合文化センター 大ホール
2023/4/28(金)~5/3(水・祝)兵庫・兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
2023/5/6(土)・5/7(日) 熊本・市民会館シアーズホーム夢ホール(熊本市民会館)大ホール
2023/5/20(土)・5/21(日) 大阪・枚方市総合文化芸術センター 関西医大 大ホール
2023/5/24(水)~5/31(水) 東京・東京建物 Brillia HALL (豊島区立芸術文化劇場)

 

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文:嶋田真己   撮影:篭原和也

 

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