取材/RanRanEntertainment
6月5日(月)から東京国際フォーラム ホールCで開幕される、ミュージカル「FACTORY GIRLS〜私が描く物語〜」の取材会が行われ、柚希礼音、ソニン、実咲凜音、清水くるみ、平野綾が公演への意気込みなどを語った。
本作は、アメリカ・ブロードウェイで活躍する新進気鋭の作曲家コンビクレイトン・アイロンズ&ショーン・マホニーによって作られたパワフルなロックサウンド満載の原案をもとに、日本で活躍する板垣恭一をはじめとする豪華クリエイティブチームが集結して製作された、日本発のオリジナルミュージカル。紡績工場で働く女性たちが、“自由”と“平等”を求めて闘う姿を正面から描く。2019年に初演された本作は、女性たちの闘いと連帯の物語が大きな話題となり、読売演劇大賞優秀作品賞を受賞した。
――再演が決まった時のお気持ちを聞かせてください。
柚希 みんなでたくさん稽古をして、毎日稽古場が閉まるまで自主稽古もした大好きな作品です。ラストシーンは特に、キャストみんなで話し合い、一緒に作ったので、そうした作品で読売演劇大賞の優秀作品賞を受賞できたことは本当に嬉しかったですし、感動しました。またこのキャストで、そして新たなキャストの方々にも参加していただいて、こうして再演ができるということは、本当にありがたいことだと思っています。コロナ禍でみんな様々な経験をして、感じたことも多いと思いますので、そうした思いも込めてまた0からみんなで作り上げていきたいと思っています。
ソニン 実は私は、初演の大阪公演を終えた頃から、再演をやるべきだと思っていました。今、柚希さんもおっしゃったように、初演の稽古中も(日本語脚本・演出の)板垣(恭一)さんと話し合いながら作っていったので、みんなの力で作りあげたという思いが強くある作品でした。私たちはただ与えられた役を演じたのではなく、どうしたらよりお客さまにメッセージが伝わるかというアプローチを考えながら作っていたので、大阪公演が終わる頃には、さらなる改善点も見えていたんですよ。もっとここを掘り下げた方がいいとか、そうするとここは辻褄が合わないように見えるから変えようとか、頭の中には構想があったので、再演が決まって「きた!!」と(笑)。ようやくできるという気持ちと、さらに作品をブラッシュアップしてより良いものを作ろうというワクワクでいっぱいでした。
実咲 私も本当に嬉しかったです。初演では、お客さまから良かったというお声をいただくことが本当に多かったので、そうしたお声のおかげもあったのだろうと思います。賞を受賞した時はコロナ禍だったのですが、授賞式で再び、キャストの皆さんとお会いできて本当に嬉しかったのも覚えています。
清水 2019年頃は、まだ女性がメインの舞台はそれほど多くなかったと思うので、チャレンジングな作品だったと思います。オリジナル作品ということもあって、最初は空席もありましたが、口コミで広まっていって、観劇してくださる方も増えていって…。今は女性がメインの作品も増えてきたので、この作品もさらにブラッシュアップして良いものをみんなで作っていきたいと思います。
――平野さんは、再演から本作に参加されますが、出演が決まりどのような思いでしたか?
平野 素晴らしい作品で、演じられている皆さんのパワーがものすごいというお声を私も聞いていました。実際に、確かにそうだろうなと納得できるキャストさんばかりで、物語も今の時代に合っている内容だと思います。今、歌稽古が始まって、皆さんがディスカッションをして、持っている能力を全て注ぎ込もうというスタンスがすごく素敵だと思っています。だからこそ、初演が高い評価をされていたのもすごく納得がいきました。まだまだ稽古序盤ですが、すでに学ばせていただいていることがたくさんあります。ここからどうやって新しく生まれ変わるのか、私自身もすごく楽しみです。
――作品の見どころと、お客さまにメッセージをお願いします。
柚希 私自身はもちろん、友達や宝塚の同期といった周りの方からも気に入ってもらっている作品です。やはり、女性を中心にすごく心に突き刺さる物語だと思います。初演を観た方に再び「良かった」という印象を与えるためには、初演の時以上に、頑張らないといけないと思うので、より細かいところまで作っていきたいと思います。みんなで一丸となって頑張りますので、楽しみにしていただけたらと思います。
ソニン 柚希さんは本当に真面目で、すごく練習をする方なんです。(初演の時は)それを見ていて、私も遠慮せずストイックにやろうという気持ちになれました。この作品は、女性みんなの物語ですが、実在した人物でもあるサラとハリエット2人が軸になっていかないといけないと思っています。初演の時も、そして今も、どう見せたら今の方たちに伝わるのだろうと考えています。多様性を自覚している方が多いこの時代、それぞれのキャラクターの背景をより見せていくことが多くの方に響く物語になるのかなとも思うので、板垣さんから男性側の視点をもらいつつ、さらに彩り豊かな作品を作っていけたらと思います。
実咲 今回は新たに加わったメンバーの方もいらっしゃり、変化するところもたくさんあると思います。私自身も、もう一度しっかり台本を読み込んで、どういう立場でいるべきかを考え、初めて参加するような気持ちで取り組めたらと思っています。「素晴らしかった」「心に留まった」「感動した」「頑張ろうと思った」「勇気をもらった」…そんなお言葉をまた頂けるように精進したいと思っています。
清水 私が演じるルーシー、そして平野さんが演じるマーシャは、作品のポップな部分を担っていると思います。なので、うまくバランスを取れるよう意識して演じたいです。私自身は、個人的にも努力しながら、お二人(柚希とソニン)についていきます! みんなに助けていただきながら頑張っていきたいと思います。
平野 今日のお話で、初演から皆さんがセリフの一言一言にどれだけのこだわりを持って作ってきたのかが伝わってきて、稽古が始まる前にお話を聞けて本当に良かったと思っています。すごく気合いが入りました。出演させていただくからには、より作品を深められるように頑張りたいと思います。
ミュージカル「FACTORY GIRLS〜私が描く物語〜」は、以下の日程で上演。
東京公演:6月5日(月)〜13日(火) 東京国際フォーラム ホールC
福岡公演:6月24日(土)・25日(日) キャナルシティ劇場
大阪公演:6月29日(木)〜7月2日(日) COOL JAPAN PARK OSAKA WWホール