9月13日より全国公開される映画『ウルヴァリン:SAMURAI』の記者会見が、8月29日、都内にて行われ、主演のヒュー・ジャックマン、共演の真田広之、TAO、福島リラ、そしてジェームズ・マンゴールド監督が登壇した。
全米をはじめ、世界103ヵ国で初登場No.1を獲得。全世界の興行収入が22億ドル=2200億円を突破した空前のシリーズ最新作『ウルヴァリン:SAMURAI』。本作の舞台が“日本”ということで、この日の会場となった目黒雅叙園鷲の間は、広さ123畳もの和室。報道陣は靴を脱いで座布団に座り、登壇者たちは能舞台のステージに椅子に座っての会見という前代未聞のスタイル。案内スタッフは黒子が担当するという徹底ぶりだ。
前日に行われた豪華なジャパンプレミアにも多くのファンと報道陣が駆けつけ、熱い歓迎を受けたヒュー・ジャックマン。「おはようございます」と日本語で挨拶すると、会場を見渡し「“ヒュー、ヒュー!”という気分です。」と(自分の名前をもじった)覚えたての日本語を披露し上機嫌。「親友ジェームズ・マンゴールド監督をはじめ、素晴らしい俳優の皆さん、そしてたくさんの日本人キャストの方々と日本で撮影が出来たことを大変誇りに思っています」とコメントした。
ウルヴァリンと壮絶な死闘を演じた真田広之は、「今回信玄役を務めさせていただきました。不死身のウルヴァリンが死を意識するという、原作のアメリカンコミックのシリーズの中でも非常にレアな物語を日本で撮影し、参加できたことを光栄に思います。監督、ヒュー、素晴らしいクルーと共に日本、シドニーで有意義な時間を過ごすことができました。ぜひ日本の皆さんにも楽しんで欲しいです」と挨拶し、胸を張った。
ウルヴァリンと恋に落ちるヒロイン、マリコを演じるTAOは演技初挑戦。「実は、私はヒュー・ジャックマンさんの大ファンで・・・それが理由でオーディションを受けたんです(笑)。でも、これをきっかけにお芝居に恋をしてしまいました。監督やキャストの皆さんと出会い、新しい人生の扉を開いていただき、感謝してもしきれません。皆さんに早く映画を観ていただきたいです」と笑顔をみせた。
ローガン(ウルヴァリン)のボディガード、ユキオ役の福島リラは、「このようなシリーズ超大作に参加し、素晴らしいキャストやクルーと仕事ができて非常に光栄に思います。この作品は、SFアクション好きの方は勿論、そうでない方にも楽しんで頂けると思います」と語った。
ジェームズ・マンゴールド監督は、「今、この場に立つことがとても幸せです。日本で出会った皆さんと仕事ができて、私の夢が叶いました。西洋人の監督として、日本で作品を撮影できたことを非常に嬉しく思います。私の人生の中で素晴らしい体験でした。私は日本映画が大好きで、日本の作品から影響を受けてきました。このファンタジー作品を、日本を通して紹介できて嬉しいです」と、感慨深げに話した。
続いて質疑応答!
Q:日本のロケ地で特に印象に残ったところは?また、ビックリしたことは?
ヒュー・ジャックマン:私は日本が大好きなので、日本で撮影がしたいという夢がようやく叶いました。日本は人々、食べ物、文化など、とても美しい国ですね。そして、日本の方たちは本当に姿勢がいい。私は幼いころから母によく『姿勢を正しなさい』と言われたのですが、あの時、日本に送ってくれれば姿勢がよくなったでしょうにね(笑)。これまでに、北海道や京都などによく行っていたのですが、今回は鞆の浦や福山市に行き、釣りなどをしました。息子と富士山にも登りましたよ。一番驚いたのはラブホテルですね。脚本を読んだ時に『これクールだね!だれが思いついたアイデア?』と尋ねたら、『実在するんだよ。』と言われたんです。もちろんリサーチもしましたよ (笑)
Q:ウルヴァリンと信玄の格闘シーンは、アクション演技というより本気で闘っているような迫力でした。戦った感想は?
ヒュー・ジャックマン:(終わって)安堵な気持ちでした。真田さんは日本の国宝だから、傷つけることがなくて良かったです。他のシリーズでは2人ほどケガをさせてしまったり、自分も15回くらい怪我していますからね。あの戦いのシーンは本当に重要。まったくCGも使わない男と男のガチの戦いでした。2人のキャラクターが一番必死になったところで、ある意味ウルヴァリンが新しく生まれ変わるシーンでもあります。アクションの中にもキャラクターのドラマを出す監督は、本当に素晴らしいです。
真田広之:私もオーストラリアの国宝を傷つけなくてよかったです(笑)。ヒューは大きな爪を付け、私は刀を持ってフルスピードで撮っていました。彼は上半身裸なので、少しでも当たれば傷つけてしまう。そんなことになったら、彼の世界中のファンに殺されるし、それ以前に役を降ろされるところでした。今、この場にいられてよかったです(笑)。ファイティングシーンなんですが、まるでダンスを踊っているような、振付や演技を超えたグルーヴを感じ、監督もそれを切り取ってくれました。本当に相手に恵まれましたね。
Q:日本での撮影ということで、真田さんが撮影側からアドバイスを受けることもありましたか?
真田広之:僕は、脚本の段階で感じたことを監督に伝えたり、美術スタッフや小道具のスタッフが具体的に聞いてきた時に答えるくらいで、大したことはしていないですよ。でも、日本のお客さんが見ておかしくないよう色々とアドバイスしました。アメリカンコミックの世界観を持った、オリジナルな日本を作ることに注意しました。日本の方には、新鮮な日本を楽しんで頂けると思います。
Q:TAOさんと福島さんは、今回演技初挑戦でしたが、ベテランのヒュー・ジャックマンと真田広之さんから何か印象的なアドバイスはありましたか?
TAO:「なぜ私が選ばれたかのか、分からないんです」と不安な気持ちを真田さんに話すと、「きっとTAOは味のついてない鮮魚なんだよ。味のついてない鮮魚を調理したいから選ばれたのでは?」と話してくださって。『あぁ、私はまな板の上の鯉なんだな』と思ったら、少し安心しました(笑)。食事のシーンでは、ヒューから「何テイク撮るかわからないから、少しずつ食べるようにしないとお腹がいっぱいになるよ。堅いものを食べると喋れなくなっちゃうから気をつけて」とアドバイスいただきました。現場での初歩的なことを色々と教えてくださったり、私の気持ちを楽にしてくれて本当に感謝しています。
福島リラ:私は映画もアクションシーンも初挑戦でした。撮影開始の3週間前からトレーニングをしていましたが、撮影中も継続してトレーニングを続け、時間があれば剣の素振りをしていましたね(笑)。真田さんからは、殺陣や日本人についてのアドバイスをいただきました。ヒューとの撮影は多く、彼を見ているだけで学ぶことが多かったです。プロフェッショナルなお二人は、役者としてだけでなく、とても人間味あふれる方でした。
― これを受けてヒュー・ジャックマンがひと言。
ヒュー・ジャックマン:2人は本当にいい仕事をしてくれましたよ。私たちがこの2人を発見したように、日本の皆さんも彼女たちの素晴らしさを発見すると思います。すでに彼女たちは、世界でもとても絶賛されています。世界中でオーディションをした結果、この2人が最もふさわしいということになったのです。しかし、演技が初めての役者を起用することはとても勇気のいること。私はウルヴァリンを5回演じていますが、マンゴールド監督のお陰で、今回最高のパフォーマンスが出来たと思っています。監督のお陰で素晴らしい映画に出来ました。TAOさんとリラさんの2人はとても貴重な体験をしたと思いますね。
マンゴールド監督:真田さんがTAOさんを『味のない魚』と言ったけれど、魚もそれぞれ元から持っている味があると思う。僕は、2人が持つ内面から出る素晴らしいものを感じ、その素晴らしさを画面に映し出そうとしただけですよ。2人の今後の活躍を楽しみにしています。
Q:世界中で大ヒットしている『ウルヴァリン:SAMURAI』。この作品で、2020年に開催される五輪の候補地である日本の素晴らしさを世界に知らせてくれたと思います。今回オリンピック候補地となっている日本へ応援コメントをいただけますか?
ヒュー・ジャックマン:『ウルヴァリン:SAMURAI』の続編として『ウルヴァリン:オリンピック魂』を作ろうと思います!もちろん、ドーピングテストは受けますよ。たぶんカギ爪でひっかかると思うけれど・・・(笑)。10種競技に全部出るし、全てのレースにもきっと出ると思う(笑)。東京はオリンピックに最もふさわしい開催場所だと思います。東京は完璧な街。「これだけ多くの人がいるのに、どうしてこんなに上手く機能しているのだろう!」といつも驚くんですよ。だから東京で開催すれば、全てが上手くスムーズに進むでしょう。でも、ひとつだけ問題がありますね。それは、選手たちが日本から帰りたくなくなってしまうことです (笑)。
終始笑いの絶えない和やかな会見となった。フォトセッションを終え、「一言だけ言いたいんだけど・・・」とヒュー・ジャックマン。「これまで色々な記者会見をしたけれど、記者の皆さんが靴脱ぐ会見は初めて見ましたよ」と伝え、会場の笑いを誘った。さらに、黒子の姿でマイクランナーとして会場を走り回っていたスタッフに「黒子の方もご苦労さまでした。」と気遣い、「この2人は、もしかしてマット・デイモンとベン・アフレックじゃないですよね?」と最後まで会場を楽しませていた。
映画『ウルヴァリン:SAMURAI』
9月13日(金)TOHOシネマズ日劇他全国ロードショー!
<3D/2D 字幕版・日本語吹き替え版(一部地域を除く)同時公開>
公式サイト:http://wolverine-samurai.jp
facebook:https://www.facebook.com/WolverineJP
twitter:@Wolverine_JPN
配給:20世紀フォックス映画
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