2016.07.30 取材:記事・写真/RanRan Entertainment
映画『夢二~愛のとばしり~』の初日舞台挨拶が30日都内で行われ、主演の駿河太郎、共演の小宮有紗、黒谷友香、主題歌担当のmayo(岡本真夜)、そして宮野ケイジ監督が登壇した。
mayo 小宮有紗 駿河太郎 黒谷友香 宮野監督
同作は、日本画家・竹久夢二のこれまで描かれる事のなかった真の姿と、普遍的な男女の欲望と苦悩に迫るストーリー。映画初主演で不倫愛に身を投じた駿河は「共感する部分は?」との質問に「ここでは共感する!とは絶対に言えないでしょ」と既婚者ゆえに絶句。すると妻・たまき役の黒谷はすかさず「孤高過ぎて理解できない姿なので、それは夢二にしかわからないでしょうね」とフォローを入れ、見事な“夫婦”ぶりを見せつけた。
しかし夢二とたまきの関係性は、まさに愛憎そのもの。黒谷が「最初から距離が近くない独特な夫婦像なので、現場で駿河さんと喋りたかったけれどシリアスなシーンが多かったので……」とほとんど会話を交わさなかった事を告白すると、駿河も「ご挨拶程度しか喋っていない」と苦笑い。それでも駿河は「黒谷さんは根が関西人だからホンマは喋りはる方だけれど、撮影中は役そのままでいてくれた。それが僕にはありがたかった」と現場での関係性に感謝していた。
実在の人物を演じた駿河は「夢二はモテる男というか、女性が放っておけない何かを醸し出している人」と分析すると「そんな人物像を僕に求める監督は、類まれなる精神力の持ち主」と宮野監督をチクリ。その宮野監督は、駿河の起用について「満たされていないというか、いらだちを内に秘めている印象があった。それを役への起爆剤にしてくれるのではないかと期待した」と狙いを明かした。
夢二が最も愛した愛人・彦乃役の小宮は「純粋で心が真っ白で透明な女性。その透明感をどうやって出そうかと思った。彦乃は母性のある心の大きな女性なので、普段の私のせっかちさが出ないように心がけました」と役作りを紹介。この日は劇中衣裳の着物姿で「劇中で着た衣裳のどれもがカラフルで可愛らしい。今はレトロな洋服も流行っているけれど、当時のスカーフやブラウスは今でも着られそう。オシャレって回ってくるんだなと思いました」と当時のファッションセンスに魅了されていた。
『夢二~愛のとばしり』
7月30日より全国順次公開
■原作:野村桔梗「竹久夢二のすべて」(駒草出版)
■監督・脚本:宮野ケイジ
■出演:駿河太郎、小宮有紗、加藤雅也、黒谷友香ほか
■2015年/日本/108分
■配給:ストームピクチャーズ