取材:記事/RanRanEntertainment
写真:TDK株式会社提供
世界最高峰のオーケストラ、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(以下ベルリン・フィル)が来日。本公演を協賛しているTDK(株)とベルリン・フィルにより、11月24日サントリーホールでの公演直前に行うゲネプロに、音大生および楽器を演奏している学生が招待された。
首席指揮者兼音楽監督のサイモン・ラトルとベルリン・フィルによる組み合わせで聞くことができるのは、今回が最後となる。2002年ベルリン・フィルのシェフに就任したラトルは、来年退任して、生まれ故郷イギリスのロンドン交響楽団音楽監督に就任、来年、ロンドン交響楽団を率いて来日することになっている。
さて、当日のプログラムは、リヒャルト・シュトラウス作曲交響詩「ドン・ファン」、壮大なオーケストラが響き渡る曲だ。続いて、ハンガリーの作曲家バルトークのピアノ協奏曲第2番、ピアノが響き渡る難曲で中国の女流ピアニスト、ユジャ・ワンとのコンビが見どころだ。そして最後はブラームスの交響曲第4番と、ファンには堪らないプログラムになっている。
ゲネプロが始まる前に、ブルーローズ(サントリーホール小ホール)にて、クラシック音楽に精通しているフリーアナウンサーの浅岡聡によるプレトークが行われた。生(ナマ)のオーケストラ・コンサートを聴く機会のない学生たちに、生演奏を聴くこととは?「指揮者のラトルは『演奏するたびに新しい発見があるんです』と言っており、毎回同じ演奏のCDとは違うのです!」と強調した。また、ゲネプロの見どころを披露、「めったに聴く機会のないゲネプロ、しかもベルリン・フィルのゲネプロを楽しんでほしい」と訴えた。
19時公演開始の1時間前の18時にゲネプロが始まった。「ドン・ファン」とブラームスの4番を順におさらい。彼らにとってはお馴染みの曲であるため、ラトルが気になる点を中心に部分部分を演奏した。そして最後にバルトーク。ここでユジャ・ワンが登場、いつもながらのクリスチャン・ルブタンのハイヒールで颯爽と登場。ペダルはちゃんと踏めるのかしら?との不安はご無用で、超難曲のバルトークをガンガン弾きまくる。オーケストラとピアノのコンビネーションはなかなか難しいのか、最後には弦楽器奏者以外の管楽器、打楽器奏者とユジャによる掛け合いを繰り返し演奏していた。本番の演奏が聴けないのが、残念である。
ベルリン・フィルの演奏会は24日当日、そして25日いずれもサントリーホール、そして前日23日には川崎ミューザの3日間行われた。
写真:TDK株式会社提供