映画『愛されなくても別に』の完成披露試写イベントが6月8日(日)に都内劇場にて開催され、主演の南沙良、共演の馬場ふみか、井樫彩監督が登壇した。本作は、武田綾乃の同名小説が原作で、毒親のもとで生まれ育ち、人生を奪われてきた大学生が自分の人生を取り戻すという青春劇だ。
宮田陽彩を演じた南は「監督が作ってくださった資料がお芝居している中でも助けになりました。陽彩は（自身の）不安を自分の中では安心材料にしている子だと思い、そこは自分に通ずる部分もあったので、お芝居の中に生かせたらと思いました」と役作りに活用したことを明かした。
また、江永雅を演じた馬場は「インする前にアクティングコーチのもとに通って、母親とのシーンを実際にレッスンさせていただきました。そのシーンを演じる助けになったと思っています」と振り返った。
南は原作を読んで「割と、とげのある悪口が結構あるんですけど、原作を読んでいて微笑ましい気持ちにもなりましたし、一歩前に踏み出す物語になっていて、素敵だなと思いました」と、ネガティブな要素のなかにも温かな一面もあったことを明かした。
印象に残っているシーンを問われ、南は「私は水（に入る）シーンが印象に残ってます。私自身、水がそもそも苦手なんです。水に浸かるのが怖いんです。気持ち的にも、物理的にもダメでした」と悪い印象シーンを揚げた。実際に上を向いて浮いているシーンでは、「浮かなかったんです。浮こうとしても、沈んでいくから、監督が横で支えてくれる。本当に助けられながら頑張りました」と辛い思いを振り返った。
馬場は二人乗り自転車でのシーンを揚げた。「二人乗り自体あまりしたことが無いし、もちろんよろしくないのでしない方がいいと思うんですけど、沙良ちゃんを後ろに乗せて、結構な山道でカーブの多い下り坂だったんです。そこを前に軽トラが荷台にカメラを乗せて、距離を保ちながら、安全に沙良ちゃんを運び、セリフを言わなきゃいけない。やることがあまりにも多すぎて、結構大変だったなと思います」と話し、「実際に自転車をこぎながら、何回もいろんなアングルで撮影したり、最後はドローンで撮ったりとかいっぱいありましたね」と回想した。
井樫監督は「『江永は偉いよ』と言って、二人が並んで話しているところは、グッときました。大人になると褒められることがなかなか無いなかで、そういう関係性を築いた陽彩と雅が言葉を交わし合う。尊さというか、いいシーンだったと思います」とグッとなるシーンを揚げた。
南と馬場の関係性について、馬場が代表して「お互いに人見知りなので、はい、最初はどうやってしゃべろうかなと思ってたんですけど、毎日撮影で二人いることが多かったので、互いの存在にどんどん慣れていく感じ、それが実際、陽彩と雅の関係性にもすごく反映されてますし、仲良くなったよね」と言い、井樫監督は「撮影中に気付いたら、無言で隣にただ座っている。それがすごいいいなと思ったし、ただただ二人で一言二言しゃべってお茶飲んでいるその姿がすごい素敵だなと役柄的には思いました」と素敵な関係性についてコメントした。
イベントの終盤には、6月に誕生日を迎える南（6月11日生）と馬場（6月21日生）の二人に、井樫監督からサプライズで花束贈呈。これから1年の抱負について、南は「体調を崩さず健康に、より新しいことにチャレンジしていける1年になったらいいなと思っています。頑張ります」と気合いを入れていた。
また、馬場は「ちょうど30代に入るということで、あのすごく楽しみにしています。先輩方に30代は楽しいぞってすごく言われるので、楽しく健康に日々を営んでいきたいと思っています」と笑顔で語った。
イベント最後には、馬場は「チラシやティザーだけを見ると、すごく重くて苦しい作品のように感じられる感じる方もいらっしゃるとは思うんですけど、観終えた後に爽やかさ、ちょっとした光を感じられるような作品になっていると思います。これから公開まで皆さんぜひたくさんの方にあの宣伝をしていただき、いい初日を迎えられるよう私たちも頑張っていきたいと思っています」とアピール。
また、南は「生きることはすごく難しいと私は日々常に思っていて、そう思っている方にぜひ届いたらいいなと思います。登場人物たちの悩みとか、勇気が寄り添えられたら。たくさんの方に観ていただけたら」と自身の思いを伝えて、イベントを締めくくった。
映画『愛されなくても別に』 2025年7月4日 新宿ピカデリーほか全国公開
配給：カルチュア・パブリッシャーズ ©武⽥綾乃／講談社 ©2025 映画「愛されなくても別に」製作委員会
