今話題になっている<築地>の本当の姿を描く、唯一の映画
『TSUKIJI WONDERLAND(築地ワンダーランド)』
完成披露試写会イベントレポート
左から遠藤尚太郎監督、服部幸應(服部料理学校理事長)、島津修(築地・仲卸)
今、注目を集める東京都中央卸売市場築地市場。10月1日(土)より築地(東劇)にて先行公開、15日(土)より全国公開の映画『TSUKIJI WONDERLAND (築地ワンダーランド)』は、築地市場に初めて1年以上に渡りカメラが入り撮影を敢行、一般の人は足を踏み入れることのできない築地の深部まで迫り、真の<築地>の姿を捉えた唯一の映画である。
公開を目前に控えた9月29日(木)、本作の舞台挨拶付き完成披露試写会が築地(東劇)にて実施された。舞台挨拶には、本作品をみて、「20回泣いた。 日本人こそが、一番築地を知らないということに気づかされる。 絶対にみるべき作品」と絶賛のコメントを寄せた服部幸應氏、築地市場の場内で仲卸として働く島津修氏、本作の遠藤尚太郎監督が登壇。本作を観た感想や、撮影時の裏話、築地の魅力などを深く語った。
また本作に出演している築地市場に長年通う和食料理人・道場六三郎氏から応援のコメントが届き、築地への思いが語られた。
トークセッションでは仲卸の島津氏が「僕らは誇りを持って仕事をしているプロフェッショナルです。束になった築地の仲卸集団の代わりになるものは、どこにもいないと信じて仕事をしています」と語ると、観客席からは感嘆の声が上がるなど、満員の観客は食い入るような様子で、熱心に聞き入っていた。
『TSUKIJI WONDERLAND(築地ワンダーランド)』完成披露試写会
日時:9月29日(木) 18:30
会場:東劇
登壇者:服部幸應(服部料理学校理事長)、島津修(築地・仲卸)、遠藤尚太郎監督
【登壇ゲストコメント】
◆公開を目前に控えた今の心境
遠藤尚太郎監督:
この映画の企画が動き出した4年前は食のドキュメンタリー映画も少なく、和食が無形文化遺産になる前で、何もかもが手探りでした。築地の仲卸の方々をはじめ、出演してくださった方々やクラウドファンディングでご協力頂いた方々、松竹の人たちなど、いろんな方の気持ちに支えられてこの映画が完成したことを嬉しく思います。この映画は築地市場を生み出す人々を記録したいという思いで撮影しました。日本の食文化を再確認し、僕たちの手で育んで、次の世代にどのように繋いでいくのかを、この映画をきっかけに考えていただければ嬉しいです。
◆映画を見た感想
服部幸應:
この映画を観たとき、20回ほど涙を流しました。仲卸の人と料理屋の店主の丁々発止で真剣なぶつかり合いにとても心を打たれました。
島津修:
監督やプロデューサーの方々の熱意が伝わってきました。築地のドキュメンタリー番組はよくありますが、この映画以上のものは、今後もう出来ないだろうと思います。
◆映画の撮影があると聞いた時の印象
島津修:
最初は何を物好きなことを言うのだと思いました。僕たちの普段の日常生活が映画なんかになるのかと。ただそれでも何度も築地に足を運んでもらううちに彼らの思いが伝わってきて、皆だんだん協力してあげたいと思うようになりました。
◆ご自身にとっての築地とは
服部幸應:
魚の状態を全て理解して把握しているような人たちがいるというのが凄いことです。海外の市場に行くと、築地が世界一の魚市場だと言われる理由がよくわかります。
◆最後の一言
遠藤尚太郎監督:
この映画に出てくる築地の映像はワンカットととして簡単に撮影できた映像はありません。1日に40kmも築地の場内を歩き回り、立ち止まることを許されず、肉体的にも大変な撮影でした。そんな時にふと「クラウドファンディングで応援したよ」と声をかけてくださる方がいたりして、いろんな人に支えられている映画だなと実感しながら撮影しました。そんな色々な人の思いを観ていただきたいと思います。
『TSUKIJI WONDERLAND(築地ワンダーランド)』作品概要
世界一の魚市場《築地》
初めて長期撮影が許され、カメラが捉えた知られざる市場の真の姿——
ようこそ。誰も見たことがない不思議の世界へ——
江戸時代にはじまる日本橋魚河岸から築地の地に移り80年。〈築地市場〉は、常に日本の食文化を支え続けてきた。銀座から徒歩で15分。美食都市TOKYOを代表する街=銀座が、〈築地〉と隣接しているのは偶然ではないだろう。一方で、世界一のフィッシュマーケットにして、洗練された魚食文化や、「和食」の発展を支える地として、日本国内の料理人の信頼を得るだけでなく、海外のトップシェフのリスペクトを獲得、多くの観光客を魅了し続けている。
働く人約1万4000人、1日に外から訪れる購買者2万8000人、1日に入場する車両1万9000台。この巨大市場は、魚に命をかける「仲卸」と呼ばれる目利きや、食材が命のプロの料理人たちが日夜、切磋琢磨し、しのぎをけずる、ガチンコ勝負の場。本作では、普段目にすることのないこうしたプロフェッショナルの仕事に焦点を当てることによって、想像もしなかった未知の世界へと観客を導く。
誇り、技、意地、生き甲斐、仲間意識。仲卸を始めとする“築地の住人たち”の本音あふれる情熱に満ちた生き様は、フィクションよりもドラマティックに胸に迫る。
本作は報道規制の厳しいこの巨大市場に対して、初めての長期密着撮影を敢行、一般立ち入り禁止のエリアに初めてカメラが入っての撮影が許された。築地で働くプロ、シェフ、文化人、評論家など取材対象は、総勢150人。彼らの生の声によって、食の最前線を支える〈築地〉でいったい何が起きているのか。今まで誰も踏み込むことができなかった、その舞台裏に迫る。
伝統と活気が混在する唯一無二の〈築地〉の真の姿が初めてスクリーン上に姿を現す。
タイトル:『TSUKIJI WONDERLAND (築地ワンダーランド)』
上映時間:110分
公開表記:
10月1日(土)築地(東劇)先行公開/10月15日(土)全国ロードショー
監督・脚本・編集:遠藤尚太郎
製作・配給:松竹メディア事業部 © 2016松竹
取材協力:築地で働く人々(仲卸ほか) /
すきやばし次郎 鮨さいとう すし匠 第三春美鮨 㐂寿司 石かわ
銀座小十 神宮前樋口 ESqUISSE みかわ是山居 道場六三郎
レネ・レゼピ(ノーマ) ふぐ料理浅草みよし 新田亜素美 森田釣竿
テオドル・ベスター(文化人類学者) 服部幸應 山本益博 犬養裕美子
岩村暢子ほか
公式サイト:http://tsukiji-wonderland.jp/
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