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2021年8月20日 22:40

西島秀俊、すごい監督が日本に現れたと思った! 岡田将生、映画を観て涙が止まらなかった!と絶賛 映画『ドライブ・マイ・カー』公開初日舞台挨拶

西島秀俊、岡田将生、濱口濱口竜介監督 映画『ドライブ・マイ・カー』

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映画『ドライブ・マイ・カー』の公開初日舞台挨拶が、8月20日(金)TOHOシネマズ日比谷にて行われ、主演・西島秀俊、共演・岡田将生、そして濱口竜介監督が登壇した。

本作は、村上春樹の短編を映画化したもので、第74回カンヌ国際映画祭コンペティション部門にて日本映画として初となる脚本賞を受賞。併せて、国際映画批評家連盟賞、AFCAE賞、エキュメニカル審査員賞という3つの独立賞も受賞して4冠受賞という偉業を達成。さらには、第46回トロント国際映画祭、第69回サン・セバスチャン国際映画祭、第59回ニューヨーク映画祭への正式出品も決定するなど、日本公開を前に世界から大きな注目を集めている。

冒頭、濱口監督は「皆さんと頑張って作った作品で、自分自身でも撮りながら良い作品が出来ていると思った。初日を迎え、お見せできて嬉しい。多くの方に見て頂きたい」と喜びを語った。

海外キャストも迎え9つの言語で紡がれ多言語も交えた緻密で壮大な脚本について、濱口監督は「どのような演出をするかと考えたとき、多言語演技という演出を取り入れた。台詞の順番が決まっている脚本があるお芝居なら、リハーサルを積めば、違う言語でやり取りができるのではと思った。シンプルに芝居をしあう人たちを描きたかったからそのような設定になりました。演じた役者さんは大変だったと思う」と述べた。

 

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海外キャストとの共演について西島は「今回ご一緒した役者の皆さんは共通点として作品や演技に対してまっすぐな人が多かった。演技を楽しんで日々を豊かにしていく力にある方々で、監督を100パーセント信じて向き合う方々だったので一緒にできて気持ちが良く、毎日喜びがある現場でした。僕はドライな演出者を演じたので積極的に関われなかったけれど、本読みを通して通じ合え、コミュニケーションできた」と撮影当時の様子を語り、海外キャストとの関わりが多かった岡田は「みんなで役に対して迷いながらみんなで答えを探していた。英語でのコミュニケーションだったので、習いながらコミュニケーションを取っていました。お前の英語は赤ちゃん英語だと言われながら(笑)、お芝居は日本に限らずどこでもできるんだと気付けた現場でした」とエピソードを語り、現場の雰囲気の良さが伺えた。

俳優であり演出家という役どころについて西島は「実際の演出家の方の話を参考にしたり、監督に言われた通り自分でも演出について考えながら演じました。僕の役は濱口監督に影響を受けている役柄で、自分を通して濱口監督がみんなを見ていると意識しながら演じました」と語った。

高槻という、とらえどころのない難しい役どころについて岡田は「コロナの影響を受け、撮影が1度中断しました際、空いた時間で深く考えることができ、その時間が非常に役に立ちました」と空いた時間を活用し、深く役作りに励んだと明かした。

西島と岡田に対しての印象を聞かれた濱口監督は「2人とも思慮深く真っ直ぐな方で一緒にできて本当に良かった。本読みの時間でどんどん役が分厚くなるのを感じていた」と絶賛した。

 

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西島との初共演について岡田は「緊張感がある現場で、カットがかかった後、監督の顔の後に西島さんの顔をチェックしてしまう自分がいた」と西島を意識していたことを明かした。反対に、岡田に対する印象を聞かれ西島は、「本当に純粋な人なので、こんな世界にいて大丈夫なのかなと心配になります。これからもっと強くなっていってくれたら一ファンとしては幸せです」と述べ、それを受け岡田は「僕32歳ですよ?」とすかさず笑顔で返し、会場中が笑いに包まれた。

濱口監督の印象を西島は、「すごい監督が日本に現れたと映画ファンとして思っていた。本作に参加させていただいて、不思議な気分。作品の中に自分が映っているけれども自分ではない気がする」と表現。岡田もこれに同意し、「ただただ凄い映画に関わらせてもらった。僕も作品を観て、自分自身ではない気がして、不思議な感覚を持っている。台本を頂いた際、たまたま地方ロケに出ていて車の中で台本を読んでいて、その時に不思議な縁を感じていました。車の中で、言葉と表情だけでどれだけ芝居ができるか考えながら読んでいた。今回関わらせていただいて本当にうれしい」と作品との不思議な縁についてのエピソードを披露した。

 

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イベント終盤、濱口監督は、日本人初カンヌ脚本賞を受賞したトロフィーをお披露目した。運ばれてきたトロフィーを嬉々としてのぞき込む西島は「日本に一つのトロフィーなんですね。本当に濱口監督おめでとうございます!」と祝福の言葉を述べ、笑顔を見せた。監督は「まさか頂けるとは思わなかったが非常に光栄です。村上春樹さんの物語をベースに、書き終えた後は自分でも凄い物が書けてしまったと思った。一方、脚本賞というのは演じてくれた役者さんがあっての賞なので本当に演じて頂いた皆様にとても感謝している」と感謝の気持ちを述べた。

最後に、濱口監督は「この場に来られなかった日本や海外キャストの皆さん全員を代表して、公開できることに本当に感謝の気持ちでいっぱいです」と述べ、岡田は「今回映画を観て涙が止まらなかった、皆さんにもこの感動を劇場で体験してほしい」と力説。主演の西島は「映画の中で、自分ではない人間が息づいていると感じた作品。素晴らしい役者さんたちが沢山出ていて、その皆さんがこれからもスクリーンの中で生き続けています。スクリーンでは、いつでも会えるので良かったら劇場まで観にきていただきたい」と力強くメッセージを贈り、大勢の拍手に包まれイベントは幕を閉じた。

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