左から)蘭乃はな 東山義久 三浦宏規
東山義久と三浦宏規が出演するENTERTAINMENT DANCE PERFORMANCE「BOLERO-最終章-」が、7月18日に東京・よみうりホール、7月30日(火)、31日(水)に大阪・SkyシアターMBSにて上演される。初日を前に公開ゲネプロと取材会が行われ、東山義久と三浦宏規、蘭乃はなが登場した。
「BOLERO-最終章-」は、楽曲「ボレロ」の世界観を追求するダンスパフォーマンスショー。ボーカル&パフォーマンスグループDIAMOND☆DOGSのリーダー、東山義久が2013年に立ち上げたプロジェクトの最終章となる。セリフがまったくなく、ダンスのみで表現する舞台は観た人を確実に魅了する。
今作では麗しき青年と少年の出会いと哀切なる別れ、そして2人の再会を誰もが一度は聴いたことがある名曲「BOLERO」の世界観で表現されている。東山と同じく主演を務める三浦宏規はミュージカル「のだめカンタービレ」、フレンチロックミュージカル「赤と黒」、舞台「千と千尋の神隠し」など、多くの話題作の出演が続いている。また、元宝塚トップ娘役の蘭乃はなが三浦の姉役を務める。
その他のキャストは穴沢裕介、木村咲哉、鈴木凌平、髙橋慈生、田村允宏、長澤風海、中塚皓平、早川一矢、MAOTO、望月凜、山崎感音、山野光と、個性豊かな面々が揃った。総合演出を務めるのは植木豪。そして、総合振付を大村俊介〔SHUN〕が手がける。
初日を迎えた今の気持ちを聞かれた東山は「今回の作品は一から作ったオリジナル作品でダンス主体の構成になっています。大変なこともありましたが、カンパニーの皆さん、キャストに恵まれ、こうして初日を迎えられることに感謝しています」と気持ちを語った。
続いて三浦は「ダンスだけの公演ということで、稽古場の熱気がすごかったです。そんな中、ケガも病気もなく、全員がここまでやってこれたことが良かったです。本番もケガに気を付けて最高のステージを届けたいと思います」と話した。
そして、三浦の姉役で出演する蘭乃は「今回の作品に出演できたことは本当に嬉しいです。東山さんをはじめ、皆さんの作品に対する思いが踊りや制作の過程から感じられ、『よし私もやるぞ!』と想いがあふれています」と気合十分の様子を見せた。
今年で芸歴25周年の東山。2013年から10年以上、今回の作品に携わっていることに関して「キャリアのスタートがダンスだった僕が今ではミュージカルをはじめ、エンターテインメント全般に関わっています。しかし、ダンサーがメインとなるオリジナル作品が少ないように思えたのでだったら僕が始めようと思い始めました。素晴らしい才能の方たちと、「BOLERO」の最終章を迎えることができたことは本当に幸せなことです」と想いを語った。そして、最終章は過去最高の作品と確信しています、とも加えた。
東山の熱い想いを聞いた三浦も「僕もキャリアのスタートがクラシックバレエ、ダンスから始まっているので、ダンス公演にかける思いは強いです。しかも題材がボレロ。そして、東山義久さんとご一緒に出来るということで、ステージの上で踊り死ぬ覚悟で今回は挑んでいます」と語った。そして、1週間前の深夜、東山から電話で『お前、そんなんで終われるの?』と突然問われ、5日前にソロパートが増えたという秘話も明かした。「倒れるくらい大変な曲が増えましたが、東山さんの言葉が嬉しかった」とも。この話しを隣で聞いていた東山は声を出して笑いながら「彼は今回の作品の主役なのでこれで終われないのでは?と思い、作品の大きな見せ場を急遽、増やしました」と、三浦への期待を寄せたようだ。
今回の作品で紅一点の蘭乃。14名の男性に囲まれて稽古中に印象的だったことを聞かれると、「東山さんに『男15名、やべぇな!』と言われたことが印象的でした」と笑顔で答えた。さらに「それくらい私も皆の中で負けないぞ!という思いでやっていたので大変なことはありませんでした。でも、ソロパートは泣きそうでした。しかし、稽古ごとに積み上げていきました」と自信をのぞかせた。そんな蘭乃のコメントに対して東山は、「めちゃくちゃいいソロができました」と、納得した表情をみせた。
作品に対しての手ごたえを聞かれた東山は「音楽、演出、構成とすべてオリジナルで作っているので一から積み上げていくことはたいへんでした。でもモーリス・ラヴェルが作った楽曲「ボレロ」も積み上げていった最後に“爆発”につながるので、そういう意味で舞台も最後まで苦労が必要だったと思います。今は全キャスト・スタッフ、どの人の顏を見ても早く初日を迎えたい、自分たちの作りあげたものを発表したいと誇りに思っているように見えます。その想いだけでも成功かなと思っています」と満足そうな笑みを浮かべた。
今回の作品で三浦の姉を務める蘭乃は三浦のことを「三浦君はノーブルな雰囲気を持っていながらも、どこか衝動的でいい意味、狂暴性があるところが魅力です。はつらつとしたエネルギーがあるところにギャップ萌えしています」と三浦の意外な一面を語った。すると三浦は「狂暴性」という言葉に驚いた表情を見せながらも、蘭乃のことを「今回の蘭乃さんの役どころは、普段の蘭乃さんの姿からまったく想像がつかないほど狂気に満ちて人が変わり過ぎて怖いくらいです。でも、空気をガラッと変える姿を稽古場から見させてもらえて幸せでした」と絶賛した。
作品の注目ポイントを聞かれた三浦は「オリジナルの楽曲がどれもすばらしく、その曲に合わせたダンスも美しいので、皆さまに満足してもらえる作品になっていると思います。総合芸術として楽しんでいただけたらと思います」と話した。蘭乃は「副題の『BOLEROが揺れる』の通り、衣装が揺れます。そして、心と体の動きが照明や曲に合わせて揺れるところは、キャストやスタッフ総動員で作り上げた世界観なので細部に至るところまでご覧ください」と注目ポイントをアピールした。東山は「この作品は全員が主役だと思います。それぞれに持ち味があり、歌、セリフがない状態の中、ダンスで表現しています。素晴らしい表現者の動きからいろんなセリフや歌が聞こえてくると思います。ぜひ堪能してください」と作品の魅力を語った。
最後に作品の意気込みを聞かれた蘭乃は「BOLEROで熱い夏にします!いい踊りをします」と、この日一番大きな声で力強く答えた。三浦は「素晴らしいダンサーに囲まれて刺激のある日々を送ってきました。総動員で作品を作り上げてきたのでお客様に『絶対に劇場に来たほうがいいですよ』と言いたいです」と熱く語った。そして最後に東山が「一人で多くの方に唯一無二のBOLEROを観ていただきたいです。僕らの肉体からいろんな音楽とセリフを聞いて楽しんでいただきたいと思います」と見どころを語った。
会見後のゲネプロでは先ほど東山が語っていた通り、これぞ唯一無二と思わせる圧倒的な仕上がりであった。セリフも歌もないが、演者の体から歓喜や悲哀の言葉が聞こえるようでならない。後半になるにつれて盛り上がりを見せるところは、ラヴェルの楽曲「ボレロ」そのもの。まさに三浦の言う通り「絶対に劇場に来たほうがいい」作品だ。
ENTERTAINMENT DANCE PERFORMANCE「BOLERO―最終章―」は、2024年7月18日(木)~2024年7月25日(木) 東京都 よみうりホール/2024年7月30日(火)~2024年7月31日(水) 大阪府 SkyシアターMBSにて公演が行われる。