――日本初演の作品は、形になるまでに時間がかかるので、それがなかったから2週間でも可能だったということですね。
そうですね。『この世界の片隅に』もそうでしたが、絵としてどう見せたいか、一豪さんの頭の中にあるものをステージの上に作り上げていくわけですから、どうしてもそれには時間がかかります。
――先ほど、このお仕事をしていなかったらこれほど舞台に触れる機会もなかったかもしれないというお話がありましたが、こうして舞台やミュージカルに出演をされてきて、今、改めて舞台やミュージカルの面白さをどんなところに感じていますか?
今はテレビもあまり観ない時代になってきてしまい、ドラマも切り抜きや縦型ドラマが普及し始めています。そうして時代が変わっている中でも、ライブや舞台、お笑いなどの生ものは廃れないものなのだと感じています。ミュージカルというと、あまり触れたことがない人はオペラのように歌い上げて、歴史的な物語を描いているというイメージがあるかもしれませんが、今はもっとライトなミュージカルもたくさんあります。2.5次元のようにアニメや漫画の世界観をステージの上に再現してミュージカルにするという作品もたくさんありますし、時代に合わせたミュージカルが普及しているので、これからどんどん知るきっかけが増えていくのではないかと思います。
今はスマホがあれば何でも観られる時代ですが、生の舞台に触れたときにしか味わえないエネルギーがあると思いますし、それは今だからこそ広がりやすくもあるのかなと思います。何かのきっかけで観て、知ってもらえたらいいなと思います。個人的なことを言えば、自分がミュージカルに出演するようになって4年くらい経ちましたが、いろいろな作品に出演させていただき、いろいろな演出家の方とやらせてもらって、自分の役の幅も広がったし、舞台や演劇における気持ちもものすごく変わったので、すごくいい経験をしているなと思います。
――ご自身の中で大きく変わったというのは例えばどんなところですか?
これまで、若さなのかもしれませんが、尖った思想があったり、考えていることが閉鎖的だったんですよ。ですが、今は時代も変わっていますし、柔軟な方が良いと思うようになりました。ミュージカルにも先入観を持っていて、僕にはできないと思っていましたが、挑戦してみたら、自分がそれまでやってきたことにプラスしてできることが増えて、幅が大きく広がったと思うので、自分の思いや先入観よりも、まずは一回、知ってみるということが大事だと思いました。どのジャンルでもどんな仕事でも、やってみることで新たに得られるものがある。それは、実際に自分がミュージカルに挑戦して気づいたことでした。
それから、さまざまなものに対しての偏った見方が少なくなったように思います。人付き合いも変わったんですよ。それまでは、好きな人とだけ話せばいいと思っていましたが、今は、あまり話さなかった人とも話すようになりました。苦手だと決めつけるのではなく、何でこの人のことを苦手だと思うんだろうと考え出すと、苦手だと思っていたところも可愛く見えてくるんですよ。そうやって考えると苦手ではなくなってきて、そうした状況すらも楽しめるようになってきました。そうしているうちに、仲良くなれて、いいことばかりです。敵を作ってもいいことは何一つないので、敵を作らず、誰とでも付き合えるようになったというのも大きな変化だと思います。
――俳優業としての理想像や、今後の進む道という意味での変化はありましたか?
以前はいろいろと考えていましたが、今は先のことを考えるのはやめました。「10年先はこうするべきだから今、こうしよう」と考えて、それをやったとしても、先々でそうならなかったときにすごく嫌な思いをしますし、疲れてしまうので。今は、流れの中で「こうしたいな。でも、ダメだったらやめよう」くらいの気持ちでいます。そうしないと楽しくなくなってしまうんですよ。極端なことを言ってしまえば、好きなことをやってそれで稼げていればそれが最高だと思うので、今は「俳優をやっています」でいいのかなと思います。もちろんそれが俳優ではなくなる可能性はありますが、今、自分が一番好きなことは俳優です。なので、自分が俳優をしていてやりたいことや思い浮かんだこと、こうしてほしいということに向き合いながらやっていこうと思っています。
――2025年がスタートして、怒涛のスケジュールでここまできていると思いますが、改めて今年はどのような1年にしたいですか?
本当に怒涛ですね(笑)。実は、今年は舞台に出演するつもりはなかったんですよ(笑)。映像に力を入れたいと思っていたので、スケジュールを空けていたのですが、こうしてイレギュラーな形で一豪さんとこれほど早くご一緒できると思っていなかったです。しかも、自分の色をしっかりと出せて、素晴らしい作品に出会えたので、いいスタートが切れたのではないかなと思います。実は、寝正月を送っていたんですよ(笑)。「ニート最高!」と思いながら過ごしていたので、そんな僕を叩き起こしてくれてありがとうございます(笑)。
――急遽決まった役が、自分の色を出せるというほどハマり役になるというのは本当に素晴らしい出会いでしたね。
最初にお話をいただいたときに、この役だったら間に合うかもという思いはありました。きっと自分と真逆の役だったら、大丈夫かなと不安に思ったと思うのですが。前回、一豪さんとご一緒したときは、全く違うキャラクターの役柄だったので、むしろ一豪さんはよくOKしてくださったなと心配になったくらいです(笑)。
――一豪さんもきっと小野塚さんならという思いだったと思います。では、改めて読者にメッセージをお願いします!
急遽スケジュールが決まったので、僕のファンの方はなかなか来ていただくのは難しいと思いますが、出演する以上はたくさんの方に観ていただきたいですし、お客さまが入っていないと悲しいです(笑)。なので、なるべく有給をとって駆けつけていただけると嬉しいです。それから、チケットをすでにとっているという方は、もしよかったら観ていただいて、作品として楽しんでいただければと思います。ミュージカルを観たことがない方にも楽しんでいただける作品ですし、ぜひ観にきていただき、一人でも多くの方にこの作品でハッピーな気持ちになっていただけたらと思います。
ミュージカル「ヒーロー」
2025年2月6日(木)~3月2日(日)
日比谷シアタークリエ
公式HP https://www.tohostage.com/hero/
【サイン入りチェキプレゼント】
<応募方法>
(1)ランランエンタメの公式X(https://x.com/ranranentame) をフォローする
(2)【前編、後編】の両方の記事を、リツートする。
(3)ダイレクトメッセージから「小野塚勇人さん希望」と書き、申し込む。
<応募締切>
2025年3月2日 23時59分
<当選発表>
締切後、厳正なる抽選の上、当選者を決定。ご当選者様には、ランランエンタメ公式アカウントよりダイレクトメッセージにて当選連絡をいたします。2日以内にご返信がない場合は当選の権利が移ります。
当選者発表までに少々お時間を頂戴いたします。ご了承ください。
<ご応募について>
※リツイートは、公式リツイートに限定させていただきます。
※X(旧Twitter)アカウントを非公開にしている場合、リツイートを確認することができないため応募対象外となります。
※ご応募後のキャンセル、変更、返品、お届先の変更はできかねますので、ご了承ください。
※当選結果に関するお問い合せは受け付けておりませんので、ご了承ください。
<商品発送について>
※商品の配送は日本国内のみとさせていただきます。お届け日は、指定できません。
※当選者の長期不在や、賞品お届け先ご住所や転居先が不明等の理由により、賞品のお届けができない場合は、ご当選を無効とさせていただく場合がありますので、予めご了承ください。
<注意事項>
※プレゼントの応募によりお預かりした個人情報は商品の発送にのみ使用いたします。
※ご当選の権利は第三者への譲渡や現金とのお引き換えはできません。
※ご応募いただいた時点で、本応募要項に同意いただいたものとみなします。
取材 文:嶋田真己 撮影:間野真由美