大西風雅(Lil かんさい)主演、舞台『年下彼氏~君のとなりで~』が、2月22日(土)大阪・森ノ宮ピロティホールを皮切りに、福岡・キャナルシティ劇場、東京・東京グローブ座にて上演される。
2020年、年下の男の子との恋模様を描き話題となったドラマ『年下彼氏』。2024年には第2弾『年下彼氏2』(ABCテレビ)を放送。今作は、ドラマとは違う新しいストーリーで舞台化。脚本はドラマ『年下彼氏』『年下彼氏2』を手掛けたモラル。演出は劇団「柿喰う客」の代表・中屋敷法仁。
同じアパートに住む4人の大学生が、管理人の姪・レイ(小島藤子)をめぐって繰り広げるコミカルで胸きゅんな物語。主人公のハルトをLil かんさいの大西風雅が、ダイキ、コウ、ツキヒコをそれぞれ、Boys beの池川侑希弥、AmBitiousの山中一輝、関西ジュニアの渡邉大我が演じる。主演の大西風雅に、舞台への意気込みと見どころを聞いた。
――台本を読まれて、どういったところに注目して欲しいと思いましたか?
『年下彼氏』というタイトルやドラマの内容から恋愛だけのお話だと思われがちですが、僕を含めた4人の友情と、恋バトルでのかわいい掛け合いが中心のお話です。とても分かりやすくて観やすいと思います。
――登場人物のキャラクターは映像版と比べて変化は感じられましたか?
ドラマの時は会社員の役でしたが、この舞台では大学生。ちょっと過去に何かあった感じの主人公で、優しい子なのだろうと思います。自分のことをさらけ出せなくて、周りの子に気を遣っている。他の3人がけっこう関西色が強くて、台本を見た時に、僕でも使わないようなすごい関西弁が出てきて、「うわっ、すごいなこれ(笑)」って思いました。コメディ色が強いので、楽しいと思います。
――今、大西さんは大人っぽさも年下っぽさも求められるちょうど中間の歳ですね。自分がまだまだ年下っぽいなと思うところと、大人っぽいのではないかと思うところを教えてください。
年下っぽいところですか?あっ、僕めちゃくちゃ偏食なんです。最近はマシになったのですが、1個にハマったらそれしか食べないということがありました。朝パイナップルだけで生活していたこともありました。それと知育菓子が好きで、作ることが面白いので、余ったものはお母さんやメンバーに食べさせたり。食に関しては子どもだなと思います。大人の部分はどうだろう?変わってないなと思うのですけれど、後輩が多くなりました。今は奢る立場になったので、そこは成長というより、時が経ったなと感じています。
――自分としてはどちらのポジションにいる方が楽ですか?
子どもですね。僕は家でも一番下で、甘やかされて育ってきたと思っているので、その立場しか知らないですが、今回は僕だけが年上で他の3人は高1なので、うまくコミュニケーションをとりながらやっていきたいです。
――今回、高1のみんなをどう引っ張っていこうと思っていらっしゃいますか?
3人とはプライベートでもよく遊ぶ仲なので、ご飯を食べに行ったり、演技の話もしやすいです。舞台でも仲のいい設定なので、普段からの仲の良い感じを出せたらなと思います。
――仲良し4人の掛け合いが一番の注目ポイントだと思います。特にデートのシミュレーションをするシーンは、アドリブで自由にできるところになると思いますが、どういう風にしたいですか?
メチャクチャ怖いです。全41公演もあるし、自由にできるので、その分まとめるのが大変だと思います。皆何をしゃべるかわからないし、でもアドリブがあると毎公演新鮮に演じられると思うので、成長できるように頑張って臨みたいです。
――ところでアドリブは得意ですか?
僕、基本、アドリブのところは考えていかない方なんです。ライブの最後の挨拶もその時感じたことを話すタイプなんです。僕は、今回まとめる立場なので、下の3人が考えてきたことをうまくまとめられたらと思います。
――ステージ上で、言葉がパッと出るのですね。
関西で育ってきましたから、嫌でもやるタイミングはあります(笑)。小学校5、6年で入ったのですが、初めての仕事が、「きのこ、たけのこチョコの戦争」の話で、どちらがおいしいか、そのお笑いをやったり、一発芸を考えたり。こんなことするために入ったわけではないのにと思うこともあったのですが、今思えば、『年下彼氏』の舞台に繋がっていたのだと思いますね(笑)。
――今回演じるハルトについてはどんな風に感じていますか?また、どんな風に演じようと思っていますか?
今までやってきた役は自分とかけ離れている役でした。このあいだも、10歳の海外の子どもの役をやって、やはり気持ちを作らなくてはならなかったです。舞台期間中やドラマを撮っている時には役に引っ張られがちになります。今回は大学生で、将来に悩むという役柄で、役作りというよりは本当に自然体で共感する部分が多いです。現実味がある話なので、役作りというよりもそのままの、素に近い部分で考えずにやろうと思っています。
――ハルトとご自身が共通している部分はありますか?
どこだろう?ハルトは大学生で僕は芸能界で職業は違いますが、悩みがあることは一緒だと思います。自分の思っていることとか言い出せないタイプで、そこは近いです。
――この道に入る壁のようなものはなかったのですか?
僕は近所の人に勧められて入ったので、自分の意志があったわけではないですが、入ったことは父、母も喜んでくれました。ハルトは、敷かれたレールを歩く感じですが、僕は自由に育てられたので、そこは違うのでちょっと考えてやろうと思っています。
――普段はグループ(Lil かんさい)で活動していらして、今回はグループから離れての活動になりますが、気持ちの違いはありますか?
1人だと頼れる人がいないですからね。最近は自分で考えて発言していますが、少し前までは、メンバーが喋っていたことと同じようなことを話して、こういう場をしのいでいました(笑)。グループでいたら安心感はあります。でも一歩外に出て、いろいろな世界を見ることで鍛えられるとも思います。
――緊張感もよりあるということでしょうか?
いや、僕は昔からあまり緊張しないタイプですが、今回は、後輩を引っ張っていく立場なので、緊張感というより責任感の方が強い感じです。
――性格的にはみんなを引っ張っていくというより、ついていくタイプ?
1人だけでどこかにいる(笑)タイプです。僕は後輩と友達みたいな感じで接しているので、今回の舞台ではシェアハウスのように同じ寮に住んでいる人たちで、友達という設定なのはやりやすいと思います。
――関西ジュニアの人たちはグループの枠を飛び越えて仲良くされているのですか?
そうですね。グループの区切りはありますが、関西はみんなでライブをしたり、『年下彼氏』にはグループが違いますけれど、バラバラでメンバーが出たり、同期のメンバーもいますので、仲がいいです。僕が一番仲がいいのはAmBitiousの真弓(孟之)です。
――今回の作品を演じる上で目標を掲げるとしたら、どんなことになりますか?
みんなで言っているのは、「絶対福岡でもつ鍋食べたい」、これだけは絶対です(笑)。特に大我は、今回舞台が初めてで何もわからないと思うので、僕が以前先輩の後ろでセリフがなくても勉強した経験を教えたり、プロの人たちを見て学んだり、スキルアップ、レベルアップして欲しいです。クオリティの高いものにしたいと思っています。
――作品の見どころを、ご自身の役にフィーチャーするとどこだと思いますか?
ハルトは、自分の思っていることを言えないタイプだったのですが、恋愛をして、だんだん成長していき、最後は一人前の男になっていくところに人間味があります。この話は誰も悪い人がいないので、そこもすごくいいですし、心温まる話です。
――観に来てくださるお客さまに向けてメッセージをお願いいたします。
喜怒哀楽を全部感じられる舞台になっています。あっ、「怒」はないです。ドキドキの「ド」です(笑)。キュンキュンして、感動して、お笑いのシーンも僕たちの力量だと思いますが、楽しめます。全部を感じられる舞台になっていますので、ぜひ観に来て欲しいです。
舞台『年下彼氏~君のとなりで~』
日程:大阪 2025年2月22日(土)~3月9日(日) 森ノ宮ピロティホール
福岡 2025年3月15日(土)・16日(日) キャナルシティ劇場
東京 2025年3月22日(土)~4月6日(日) 東京グローブ座
作:モラル
演出:中屋敷法仁
出演:大西風雅(Lil かんさい) 池川侑希弥(Boys be) 山中一輝(AmBitious) 渡邉大我(関⻄ジュニア)/小島藤子
庄野﨑謙 宍戸美和公 マギー
主催・企画製作:ABCテレビ/ストームレーベルズ/東京グローブ座
公式サイト https://www.toshikare.com/stage/
【ストーリー】
関西のとある田舎町の大学に入学することになったハルト(大西風雅)。下宿屋「コーポ風巻」に入居すると、そこにはこれから一緒に共同生活を送ることになる同じ新入生のダイキ(池川侑希弥)、コウ(山中一輝)、ツキヒコ(渡邉大我)の姿があった。個性バラバラの4人が同じ屋根の下で生活することになって、これからの4年間できっと色んな事が起こるんだろうなと思っていたその日の夜、いきなり大事件が起きることに。下宿屋のオーナー夫妻の姪であるレイ(小島藤子)が東京での仕事を辞めてコーポ風巻を継ぐことになり帰ってきたのだ。
レイのその素敵で、品があり、優しそうで、大人らしい余裕もあって、つまりは年上の女性の魅力にダイキ、コウ、ツキヒコは一目惚れ。レイと付き合いたいと積極的にアプローチをかけて行った。ハルトだけは一歩引いた感じで皆を見守っていたのだが、自身が抱える悩みについて話したことをきっかけに、徐々にレイに惹かれていき・・・一つ屋根の下での恋バトルが勃発。この恋、どうなる?
ヘアメイク/谷本雄志(JOUER)
スタイリスト/井元文子、鼓裕花
衣裳協力/Juun.J (CORONET)、アネモネ(サンポークリエイト)、grün、OLD ORDER
取材 文/高橋美帆 撮影/有田純也