
髙橋曽良 大西風雅 安嶋秀生 川﨑皇輝 元木湧 長瀬結星 阿達慶
川﨑皇輝、元木湧、安嶋秀生、長瀬結星、大西風雅、阿達慶、髙橋曽良ら東西ジュニアが出演する舞台『サマータイムマシン・ブルース』が2025年10月22日(水)からIMM THEATERほか愛知、大阪で上演される。本作は、劇団ヨーロッパ企画の第8回公演として2001年8月に上演され、2005年には映画化もされた上田誠の傑作戯曲。蒸し暑い部室でぐったりしている「SF研究会」メンバーの前にどこからともなくタイムマシンが現れ、タイムトラベルをしたことから、過去が変わったことで自分たちの“今”を消さないために奮闘する姿を描く。川﨑、元木、安嶋、長瀬、大西、阿達、髙橋の7人に本作への意気込みを聞いた。
――今回の出演が決まったお気持ち、そして、本作に参加することで楽しみにしていることを教えてください。
川﨑:今回、どの役が誰に合うのか、台本の一部を抜粋して演じて、誰が選ばれるのかをオーディションで決めたので、実際にお話が決まったときはすごく嬉しかったです。7人の掛け合いのテンポがとても面白い、新しい空気感の作品になるのではないかとすごく楽しみです。
元木:本当にそれぞれの役に合っている人が選ばれたんだと思います。みんなイメージ通りだよね。大西だけはちょっと違うけど。
大西:いやいやいや(笑)。僕、事務所に入るまでは賢かったんですよ? 公文で小学六年生のときに中学3年生の勉強をしていて、賞ももらったんだから!
安嶋:グループや個人で舞台に出演することはこれまでもありましたが、違うグループのメンバーがこうして集まって舞台に出演するというのは珍しいことなので、そうした楽しみもありますね。
川﨑:でも、(後輩である)髙橋くんたちは萎縮しちゃうよね。
髙橋:オーディションのときに、皆さんとお会いして、あまり話したことがない先輩方がたくさんいて。皆さん優しいのは分かっているのですが、関わったことがないので、なかなか話しかけることができなかったです。緊張してしまって。でも、稽古も始まったので、僕の方から話しかけていきたいなと思います。
――もう一人の後輩組、阿達さんはいかがですか?
阿達:僕も曽良と同じで、これまであまり関わりはなかったですが、ずっと見てきた先輩方と一緒にお芝居ができるということ、またその中で同期の曽良とできるというのがすごく嬉しいです。今回、脚本を上田さんが担当されているのですが、上田さんとは映画でもご一緒していたので、そうした意味でも楽しみです。これまでに何度も上演されている作品なので、プレッシャーがありつつも、ワクワクとドキドキでいっぱいです。
――長瀬さんはどんなことを感じていますか?
長瀬:僕は逆に後輩と舞台を一緒に作るというのが初めてなんですよ。僕自身、後輩とあまり関わってきたわけではないので、みんながどういう人なのかなと楽しみですし、一緒にご飯に行けたらいいなと思います。あ、ご飯に行くのは、後輩たちだけだよ? 後輩には奢ります(笑)。
――オーディションで選ばれたということですが、皆さん、ご自身が演じる役に対してはどのように感じていますか?
川﨑:どうなんだろう。
安嶋:(川﨑の演じる甲本は)ずっと少年忍者のMCをしているみたいなキャラクターだよね。
川﨑:ああ、そうなのかもね。でも、僕は安嶋の新美の方がしっくりきてる。飲み込みきれずにずっと右往左往している感じとか、ずっと分かっていない感じがあって。(元木)湧の石松はインテリな発言が多いよね。
元木:ああ、普段通りね。
川﨑:あはは(笑)、楽しみですね。
長瀬:普段、何もインテリなこと話してないのに(笑)。
元木:隠してるんだよ。インテリになるとキャラが変わっちゃうでしょ。
一同:あはは。
川﨑:(大西)風雅はどうなの? (元木と)接点多いの?
元木:あんまり仲良くないよね。
大西:うん(笑)。というか、接点がなかっただけで、これまで関わりがあんまりなかった。
元木:風雅は木暮役だけど、木暮は鋭いことを言う人物だから合うんじゃないかなと思うけど、自分ではどう?
大西:僕はオーディションで木暮はやってないんですよ。やってないけど選ばれた。
元木:そうなんだ。じゃあ、そういうイメージなんだね。
大西:木暮は映画にも登場しないから、僕のために作られたキャラだってこと(笑)。
一同:かっこいい(笑)。
大西:僕が初代木暮です(笑)。
川﨑:長瀬の小泉役は?
安嶋:長瀬もあっている気がする。むしろ「小泉」じゃなくて「長瀬」って呼びたいくらい長瀬。
長瀬:じゃあ、ちょっと演出家さんに聞いてみようか(笑)? 名前変えられますか? って。
川﨑:いやいや、変えられるのは『DREAM BOYS』くらいだから(笑)。
長瀬:「小泉」と書いて「長瀬」と読むとか(笑)。
川﨑:(髙橋は)ナチュラルに後輩でいけるよね?
髙橋:そうですね。もともと、皆さんより後輩で、オーディションのときも曽我役は演じやすいなと思っていたので、曽我役で嬉しかったです。劇中で、いじられるシーンがあるんですよ。そういうやりとりもいいなと思います。
元木:演じやすそうだよね。
川﨑:阿達の田村はちょっと分からない。
阿達:でも、僕、映画でも未来人の役を演じたことがあるんですよ。なので、その経験を活かしたいです。それから、先輩たちから「何考えているのかわからない」とよく言われるので、それもちょっと未来人っぽいかなと思います。

――登場人物たちがタイムトラベルをするという本作ですが、皆さんは過去と未来だったらどっちに行きたいですか?
大西:面白い質問だ!
元木:これは難しい…。
大西:でも、未来って怖くないですか? 例えば、5年後に行って自分がいなかったらと思うと…。
元木:そうしたら、未来を変えればいいんだよ。
大西:確かに。現代に戻ってきて変えていけばいいのか。
元木:そう。だから、僕は未来。未来の知識を現在に持ってきて、色々なものを開発したい。流行とかも分かっていれば先取りできるなって。
安嶋:でも、それは過去に行っても同じなんじゃない? 過去に行って現在、流行っているものを流行らせればいい。
元木:未来の方が面白そうだよ。
川﨑:僕も未来。150年後くらいの未来に行って、人類の行く末をみたい。その頃だと自分が生きているかどうかは関係ないし、でも、人類の行く末は気になる。どこまで技術が進むんだろう。
元木:確かに、空を飛ぶ車とか見てみたいよね。
安嶋:僕は過去に戻って、ミスしたなということをやり直したい。そうしたら、僕はもっと人気が出ているかも(笑)。昔は、ジャズダンスをサボってたんです。でも、あのとき、きちんと基礎から学んでいれば、今、ダンスがもっとうまくなっているかもしれない。
長瀬:僕も過去です。天下統一したいです。
元木:めちゃくちゃ過去に行くね(笑)。明智光秀とかの時代ってこと?
長瀬:そう。いろいろな人を討ち取りたい。その時代では考えられないくらいの現代の技術を持っていくから、さすがに天下統一できるんじゃないかなと思う。
川﨑:しかも、調べれば、誰がどんな戦術を使ったとか、誰が誰を裏切ったとか、歴史に残ってるもんね。
長瀬:それで僕は歴史上の人物になります。江戸時代は僕が築いたことにします(笑)。徳川に変わって、長瀬にします(笑)。長瀬時代です(笑)。
元木:日本が終わるな(笑)。
大西:僕は未来です。未来に行って、漫画を読みたい。まだ連載途中のものがどんな終わり方をするのか、全部確認したいです。完結しないとモヤモヤするじゃないですか。
川﨑:確かに、全巻一気に読みたいよね。
大西:そう、それをしたいです。
阿達:僕は、先輩方の背中を見ていて経験や知識の差をすごく感じるので、今の自分と同じくらいの年齢の先輩たちがどんなことを考えてたのかを知りたいです。それで、それを今に生かしたい。
長瀬:すごい、真面目。僕だけかなり過去に行ってるね(笑)。そうだ、戦国時代にアイドルを作ろうかな。
元木:戦国時代のアイドル、需要あるのかな(笑)?
長瀬:アイドルで戦いを終わらせるんだよ。そんなことしているよりも、僕たちを推した方がいいよって。
元木:だから、争いはやめようって?
川﨑:エンタメがない世界にエンタメを生み出すのは楽しそうだよね。
長瀬:それで、ステージの最後の火薬がバーンとなるところは鉄砲を撃つの(笑)。ステージはお城(笑)。
髙橋:僕は未来ですかね。未来に行って何をしようと考えたときに、まずお金かなと思ったので、少し先の1、2年後に行って、宝くじを買ったりしたいです。
川﨑:当てたらすごそうだよね。
――(取材当時)お稽古場スタートしたと聞いています。観客の皆さんにこの作品のどんなところを観てもらいたいですか?
川﨑:全員のキャラが立っているので、そこがまず見どころだと思います。それに、会話のテンポがすごく早いので、台本が分厚いんですよ(笑)。
元木:ほぼ広辞苑です(笑)。
川﨑:でも、それだけ楽しんでいただける会話になっていると思いますし、台本を何度読んでも面白いと思うので、何回観ても面白いと思います。あとはやっぱり伏線。
安嶋:物語の最初から伏線がたくさん張り巡らされているからね。
大西:重い話ではないので、すごく気軽に観てもらえる作品になると思います。
川﨑:僕はやっぱり阿達の演じる田村が楽しい。
大西:確かに、キーとなる人物ですよね。
阿達:そうですね。いたるところに伏線があるし、視覚的にも楽しい物語になると思います。
川﨑:タイムマシンに乗って、未来に行ったりするじゃない? それって、別の衣裳になるってことだから衣裳の早着替えもあるんだよね。
阿達:めちゃくちゃ早着替えのシーンもありますよ。
元木:でも、それはお手の物でしょう? 着替えというよりは、なんか変わっているみたいな。
大西:カッコ良さそうに言っているけど、全然カッコよくないです(笑)。
長瀬:でも、本番までにこのみんなの空気感をもう少し丸くしたいね。
元木:今はまだ曽良が遠慮してしまっているから、もっと来られるように。
髙橋:初めてなんです、こんなにも緊張するのは。
元木:そうだよね、先輩ばっかりだったら、最初は緊張するよ。
長瀬:でも、仲良くなった上で舞台に立った方が良いよね。
元木:役柄的にも(髙橋が演じる曽我は)ちょっと生意気な後輩だから、(髙橋が)素を見せられるようになればいいなと思います。
髙橋:現実でも先輩後輩の空気がある僕たちが、舞台上でも先輩後輩の役を演じるというのが面白いと思うので、精一杯頑張ります!

舞台『サマータイムマシン・ブルース』は、以下の日程で上演。
東京公演:2025年10月22日(水)~11月2日(日)IMM THEATER
愛知公演:2025年11月6日(木)~7日(金)COMTEC PORTBASE
大阪公演:2025年11月12日(水)~16日(日)サンケイホール ブリーゼ
取材 文・撮影:嶋田真己

