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2023年9月28日 12:23

【前編】観る人によって受け取るものが違う物語 杉田雷麟・小澤竜心に聞く『多重露光』への意気込み

左から)小澤竜心 杉田雷麟

モボ・モガプロデュース最新作、横山拓也が書き下ろし、眞鍋卓嗣が演出を手がける稲垣吾郎の主演作『多重露光』。真飛聖、杉田雷麟/小澤竜心(Wキャスト)、竹井亮介、橋爪未萠里、石橋けい、相島一之という実力派が顔をそろえ、家族の愛や葛藤を描き出す。

本作で、稲垣が演じる写真館の店主・純九郎が憧れていた“家族”のお嬢様で、久しぶりに写真館を訪ねてきた麗華の息子・実を演じる杉田雷麟と小澤竜心にインタビューを行った。

――出演に向けた意気込みを教えてください。

小澤:僕はストレートのお芝居の経験が少ないので、日々新しいことに挑戦しながら、ひとつの役を分け合う雷麟さんをはじめとする共演者の皆さんのお芝居を勉強させていただき、毎日楽しくやっています。自分らしさがある、それぞれの実をお客様にお届けできたらと思っています。

杉田:被ってしまうところもありますが、やっぱり稽古場で見ていると全然お芝居が違うんです。いいところはちょっと盗んだりしつつ、お互いの個性が出た実になっています。引っ張られすぎずに自分の芝居を心がけて本番に挑みたいと思っています。

――台本を読んだ感想、実というキャラクターの印象はいかがでしょう。

杉田:人間関係などがリアルな台本だと感じました。すっきりしないところ、もやもやが残るところなどがリアルでした。実も子供っぽさがあるし、みんな悩みや苦悩を持っている。悪い人はいなくて、みんなが誰かのことを思って行動しているけど、結果的にぶつかってしまったりする。それがすごく面白いなと思いました。

小澤:タイトルになっているカメラの技法、『多重露光』のように、人の思っていることが重なって何かが生まれたり、トラブルに発展したりする。台本を読んでそのことを改めて感じました。そして家族の愛や友だち、知り合いから受ける愛が素敵に描かれている作品だと思いました。観てくださる方々も一人ひとり違う感想を抱くと思いますし、すごく興味深いというか奥深い作品だと思いました。実は子供っぽいけど大人に見せたいイメージ。作中で成長を感じられるシーンもあるので、自分でも楽しみながら、お客さんにも楽しんでいただけたらいいなって思っています。

――実は20歳で、お2人と年齢が近いです。役作りにおいて意識していることなどはありますか?

小澤:役作りではないですが、僕のお母さんは麗華さんみたいなんです。ちょっとおせっかいで心配性で。だから実の気持ちがわかるなあと思っています。母である麗華さんを演じる真飛さんに自分のお母さんを当てはめてお芝居しているところはありますね。

杉田:僕も結構等身大で演じています。でも子供っぽさは少し意識していますね。真飛さんが「母親役だから普段から敬語なしで、ママって呼んでね」と言ってくださるので、普段から家族っぽくというか、色々お話ししています。

――それぞれの個性が出た実になっているということですが、お互いの印象はいかがでしょう。

杉田:細かいシーン、たとえばカメラのシャッターを切る所作などで「あ、やられたな」って思うことは何度もありますね。ちょっと真似してみています。

小澤:雷麟さんはお芝居の経験が長いので、面白い部分をわかっていらっしゃるんですよね。自分が気づけなかったポイントに気づかせてくれることがたくさんあります。自然なお芝居をされるので、アドバイスをいただきながらやっています。

『多重露光』
【日程】2023年10月6日(金)~10月22日(日)
【会場】日本青年館ホール
【脚本】横山拓也
【演出】眞鍋卓嗣
【出演】
稲垣吾郎/真飛聖 杉田雷麟・小澤竜心(ダブルキャスト) 竹井亮介 橋爪未里/
石橋けい 相島一之
【公式HP】https://tajuroko.com/

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