取材・撮影/RanRanEntertainment
SNSから始まりブロードウェイの大ヒットミュージカルとなった「BE MORE CHILL (ビー・モア・チル)」が遂に日本初上陸。開幕日の7月25日 (月)、東京・新国立劇場 中劇場で行われたプレスコール&取材会に、主演の薮宏太をはじめ、加藤清史郎、井上小百合、横山だいすけの主要キャストが顔を揃え、さらに本作のオフ&オンブロードウェイ版の演出家であり、『ア・ストレンジ・ループ』で今年度のトニー賞最優秀演出賞(Best Direction of a Musical)に輝いたスティーヴン・ブラケットが登壇した。
とにかくCoolな舞台がやってきた。プレスコールで披露されたのは3曲だが、ちょっとのぞき観ただけでも、人気シットコムを観ているようなアメリカンテイスト満載のワクワク感。もっと観たいと思わせる中毒性がこの舞台から漂ってくる。また主演の薮の高音の伸びの素晴らしさ、ビブラートの美しさ、そして加藤の情感豊かなクリアーな歌声が、このミュージカルの楽曲との相性がバッチリだ。
世界的に評価が高く、面白いという本作をアジアで初めて、そしてトニー賞の演出家スティーヴン・プラケットによる演出ということで、主演の薮の顔も誇らしく輝く。
「振り付け稽古中にスティーヴンの受賞のニュースが入ってきて、稽古場は大盛り上がり。トニー賞を受賞した演出家から演出を受けることは、人生で一度あるかないかのことなので、この貴重な体験、一分一秒を無駄にしないように、スティーヴンから放たれる言葉を一言一句聞かなきゃと思いました」と薮。
スティーブンが初めて稽古場に登場した時には、「コングラッチュレーション!」と皆で巨大なクラッカーを鳴らしてお祝いしたそう。薮は「すごくいい雰囲気でスティーブを迎えられたのかなと思っています」と座長の顔を見せた。
仕事でその場にいなかったという加藤は後から映像で観て「超楽しそうだった」と悔しそう。薮は「清ちゃんはね、ちょうど『るろうに剣心』のイベントで。だから侍から今、急にニューヨーカーになったんだよね」
一回り以上も年が離れているという薮と加藤だが、「清ちゃん」と呼ぶほどに仲がいい。二人は13年前のドラマ『任侠ヘルパー』以来の共演となる。
「小っちゃかった。ほんと小っちゃかった。こども店長とかやっていた時期だから」と加藤。漢字ドリルをやっていた加藤に、薮が「たまに教えてあげたり」することもあったそうだ。「メンバーの山田(涼介)の『暗殺教室』とか作品は観ていて、成長する過程は知ってたんですけど、久々に会ったらすごい大人になって、でもちょっとやんちゃな部分が残っていて、やっぱり清ちゃんは清ちゃんだなっていうのは変わらないかな。会った時に、あっ、これは親友の役いけるな」と優しい笑顔で話す。
そんな二人の絆を強固にしているのはサッカー。稽古場ではお互いがサッカーのユニフォームを着ていることがあるという。加藤は「共通の趣味があって。本当に稽古場で毎日嬉しくて。『イングランドの代表誰?』『ウィルシャー!』『めっちゃ渋いね』ってサッカー知らない人からしたら何の話しているんだろうっていう」と笑う。「昔も今も変わらず、僕の大好きなお兄ちゃんみたいな感覚は持っています。でも今回親友の役ということで、タメ語でいいよと言ってくれたこともあって心の距離がぐっと近づいたかなと思っています」と嬉しそうな加藤。
一方、横山は薮のことを「宏ちゃん」と呼ぶ。「聞きました?僕のことを『宏ちゃん』って呼んでくれるんですよ。すごい嬉しかったです」と、横山以外で薮を『宏ちゃん』と呼ぶのは家族以外にはいないという。
横山は「僕にとって『宏ちゃん』は凄くかっこいい存在なんですよ。その彼がオタクをやるってことで、イヤイヤ、ならんでしょ?と思ったんですけど、役に入った時のオタク全開の彼をそこからCHILL系(格好いい存在)になっていく姿も早くお客さんに観てもらいたい」と薮を絶賛。
オタクの役ということで、「稽古の後に歌番組の収録とかあることが多かったので、その切り替えが大変でしたね」と語る薮に、7月2日に行われた「THE MUSIC DAY(ザ ミュージックデイ)」を観ていたという加藤は「ちゃんと格好良かった」と太鼓判。このカンパニーの心地よさは、誰も褒め惜しみをしないというところにもあるのかもしれない。そんな雰囲気を作っているのは座長の薮に他ならない。
ヒロイン役の井上は、「お芝居の中ではジェレミーは大丈夫?という役なんですけど、薮さん自身はすごく頼もしくて、めちゃめちゃ頼らせていただいていて、お稽古場でも劇場入ってからでも周りの方のことをすごく良く観てるなと思います。衣装さん大丈夫ですか?とか、ここ準備できてますか?とか、円滑に進むように仕切ってくださるのでとっても素晴らしい方だなと。本当にジェレミーと全然違う」と薮を称賛。薮が「今の流れ全部太文字で書いてください」と会場を沸かせる場面も。
メンバーの観劇について聞かれると「メンバーちょっと今忙しいんで、先生やってる子がいたり(純愛ディソナンス・中島裕翔)、昼に短パン履いてワーキャーやってる有岡とか(ヒルナンデス・有岡大貴)。でも(観に)来てくれるとは思いますけど… 」と主演舞台の会見でメンバーの名前が何度も挙がる、相変わらずの仲の良さが感じられた。
【公演情報】
ミュージカル『BE MORE CHILL(ビー・モア・チル)』
原作:ネッド・ヴィジーニ
脚本:ジョー・トラックス
音楽・歌詞:ジョー・アイコニス
演出:スティーヴン・ブラケット
振付:チェイス・ブロック
出演:薮宏太(Hey! Say! JUMP) 加藤清史郎 井上小百合 木戸邑弥 内海啓貴
斎藤瑠希 ダンドイ舞莉花 ラリソン彩華 ブラザートム 横山だいすけ
■7/25~8/10 東京公演 新国立劇場 中劇場
■8/20・21 福岡公演 キャナルシティ劇場
■8/27~29 大阪公演 COOL JAPAN PARK OSAKA WWホール
公式サイト: https://www.tbs.co.jp/bmc2022/