取材:撮影/RanRanEntertainment
2人の役者と1台のピアノで繰り広げられるミュージカル『スリル・ミー』。 1920年に全米を震撼させた事件をもとに、“私”と“彼”が事件を起こすに至った心理や当時の社会を魅力的な楽曲に乗せて紡いでいる。日本では2011年に初演が行われ、多くのファンを魅了してきた。 2021年の公演は新型コロナウイルスの影響で公演が途中で中止になり、急遽全キャストによるトークショーと各ペアの配信が行われた。そこから2年の時を経て、2023年9月7日(木)から東京公演がスタート。大阪、福岡、名古屋、群馬でのツアー公演も決定している。 2021年に引き続き出演する松岡広大と山崎大輝にインタビューを行った。
――お二人は2021年にオーディションで選ばれ、今回2回目の参加となります。改めてこの作品に対する思いを教えていただけますか。
山崎:前回演じたからこそ、今回どういうものを作っていくか、少し迷子というか。もちろん楽しみですが、この作品についてわかり始めた、味わったからこそ、どうすればいいんだろうという思いはあります。当時は、お芝居をしている最中に余計なことを何も考えていなくて、ただ“彼”として生きた感覚があります。何をしようとかはあまり考えていなかった。今回も、渦の中に入っていく感覚です。
松岡:2年前は我々も他のペアもそうですが、志半ばでした。それがあって、この2年の中でも随分変わりましたし、世の中も色々変わりました。あとは、この作品の中で起きているような凄惨な事件が同時多発的に起こっている気がして、今やるべき作品なのかなとすごく思いましたね。
山崎:確かに、そっち側に引っ張りやすいよね。
松岡:作品を上演するときって、毎回検証しないと意味がないと思うんです。なぜ今やるのかなどを考えると、“今”と照らし合わせて作るのが一番なのかなと。続きものをやるわけではないので、特にそこが大事かと思います。
――演出の栗山(民也)さんから言われて印象的だったことはなんでしょう。
松岡:いっぱいありますが、本読みの時点で言われたのは「現代は声が失われている、肉声がない」ということ。僕がその言葉から推測するに、議論や対話が圧倒的に少ない、人と向き合って話すことが今は圧倒的に減っている、何かを提示し合うことが極めて少ないということなのかなと。あと、日本人はどうしても議論が下手なのでそういうことも指していたのかなって。含蓄のある言葉の印象がすごく強いです。
山崎:その時に話していた「今はどんどん簡単な方へ流れていっている」っていうのもすごく説得力があると思った。あと、劇中で僕らは人を殺すわけですが、ある時の稽古中に「これだと人を殺してないな」って言われたことがあって。
松岡:あったね。
山崎:そうですよねってなって。できてないなって。「このシーンは人を殺したあとだから。もちろん実際に人を殺すことはできないし、人を殺した後の人が実際どうなるかは僕にもわからない。でもそれを考えるのが俳優である君たちの仕事だよ」と諭すように言われて。それはその通りで、もちろん知ってはいたけど……。
松岡:普段考えないからね。
山崎:そう。改めて提示されるとより深く知ろうと思うようになりましたね。
――見ているとペア毎に異なる個性があると感じますが、お二人が考える自分たちのペアの強みや魅力は。
松岡:色々な先輩方も言いますが、個性というのは金のシャチホコで、一番最後に載せるもの。我々が意図的に作り出しているものではないんですよね。でも、「令和における」というとあれだけど、この若さの人間・僕らの世代がこの作品をやるのはすごく意義があることなのかなとは思います。さっき話に出た「簡単な方に流れる」ということやコンプライアンスもそうですが、現代は色々なことが合理的になっている。それは結局、尖っているものを均して一辺倒にすることでもあるんですよね。それは正直生きづらい。反駁し合ったりとか議論したりが抑圧されていく中で、ネット主流で会話が苦手という偏見に晒されている僕らの世代がやることにすごく意義があるし、それが強みなんじゃないかと思います。
山崎:うん。
松岡:「うん」じゃないのよ(笑)。
山崎:僕は広大くんと違って対話が苦手なんです。僕は文字の方がありがたい。まさに「若い側」の人間。だからこそですよね。
松岡:似て非なる部分があるからね。似て非なるというかもう「非」です(笑)。
山崎:「非です」じゃないよ(笑)。
松岡:違うからいいんじゃないですかね。
山崎:僕らも、他のペアの内情というか関係性はあまりわからないんです。前回もどんなふうに稽古をしているかも、何を喋っているかもわからないし。
松岡:でも成河兄と(福士)誠治さんはすごくわかる。俺は話をしてたのもあるけど。
山崎:その感じはわかるけど、僕は自分のことで必死だし。周りをそんなに見れてない。結構必死だったから。
松岡:あわあわしてたもん(笑)。
山崎:やめろよ!いい記事書いてもらおうとしてるのに「あわあわ」って言葉が出そうだろ!
松岡:取り繕ったら意味がないから、このまま書いてもらおう(笑)。
山崎:僕と広大くんが似ている部分もあるっちゃあると、僕は思うんですよ。
松岡:共通点の数が少ないでしょ。
山崎:言い方がやばい(笑)。でも、大事な芯の部分はきっと似てるはず。って僕は信じてるんですよ。ただ、そもそも違うところにいるというか、立ち位置が違う。
松岡:なんか面白いね。
山崎:だからこそ興味が生まれるし、そのアンバランスさは僕らが持っている武器なのかなと思います。
松岡:違う存在を認め合えるってところだよね。
山崎:お互いを許容し合える関係性だと思います。
松岡:馴れ合いじゃなくてね。
ミュージカル スリル・ミー
東京公演
2023年9月7日(木)~10月3日(火)
東京芸術劇場シアターウエスト
大阪公演
2023年10月7日(土)~10月9日(月・祝)
サンケイホールブリーゼ
福岡公演
2023年10月11日(水)・12日(木)
キャナルシティ劇場
名古屋公演
2023年10月14日(土)・15日(日)
ウインクあいち
群馬公演
2023年10月21日(土)・22日(日)
高崎芸術劇場 スタジオシアター
キャスト
尾上松也(私役)×廣瀬友祐(彼役)/
木村達成(私役)×前田公輝(彼役)/
松岡広大(私役)×山崎大輝(彼役)
ピアニスト:
朴勝哲/落合崇史/篠塚祐伴
スタッフ
原作・音楽・脚本:Stephen Dolginoff
翻訳・訳詞:松田直行
演出:栗山民也
音楽監督:落合崇史
美術:伊藤雅子
照明:勝柴次朗
音響:山本浩一
衣裳:前田文子
ヘアメイク:鎌田直樹
振付:田井中智子
歌唱指導:伊藤和美
演出助手:坪井彰宏 野田麻衣
舞台監督:田中伸幸 松井啓悟
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<応募方法>
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<応募締切>
2023年10 月22日 23時59分
<当選発表>
締切後、厳正なる抽選の上、当選者を決定。ご当選者様には、ランランエンタメ公式アカウントよりTwitterのダイレクトメッセージにて当選連絡をいたします。2日以内にご返信がない場合は当選の権利が移ります。
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