「マイウェイ‐12,000キロの真実‐BASED ON A TRUE STORY」プレミア試写舞台挨拶 

2011/12/23 10:32

2012年1月14日に日本全国公開されるカン・ジェギュ監督の最新作「マイウェイ ‐12,000キロの真実‐ BASED ON A TRUE STORY」のプレミア試写会が2011年12月19日、16時15分より新宿バルト9で開かれた。

 アメリカ国立公文書館で見つかったドイツ軍の中にただ1人写る東洋人の姿を映し出した1枚の写真。その写真が元となっている「マイウェイ」。幼いころからライバルだった強制徴用で最前線に送り込まれても希望を捨てず、家族の待つ京城に生きて帰ることを願う男・ジュンシク(チャン・ドンゴン)と彼とふれあうことにより、元のやさしく人間らしい心を取り戻すもう1人の男・辰雄(オダギリジョー)。この2人の12,000キロにもおよぶストーリー。たとえ、敵国の軍服に身を包もうとも、目指すは生きること、生きて家族のもとに帰ること。戦争映画と一言ではかたづけてはならない人間ドラマがこの「マイウェイ」だ。


本編上映前にメガホンを取ったカン・ジェギュ監督をはじめ、主演俳優陣の舞台挨拶が行なわれた。あまりにも大きな歓声でカン・ジェギュ監督が出るタイミングをフライングしてしまうほど、客席からの盛大な拍手と歓声に促されるように、カン・ジェギュ監督、オダギリジョー、チャン・ドンゴン、ファン・ビンビンの順で登壇した。


カン・ジェギュ監督はブラックのワークジャケットにブラックジーンズでカジュアルだが、いかにも映画監督であるかのような風貌。

オダギリジョーは「これぞオダギリジョー」といわんばかりのブラックのデザインジャケットに白のシャツと赤と黒の細身のタイ、そして、ブラックジーンズにレザーのオーバースカートとワークブーツを合わせた独自のスタイル。

チャン・ドンゴンは前日の来日時のカジュアルな雰囲気とは打って変って、ブラックのベルベットのジャケットに白シャツとグレーのベストとパンツを合わせ、誠実な彼の性格を表しているかのような正統派のドレッシースタイル。

そして、今回の紅一点、ファン・ビンビンは白地に花模様が入り、歩くたびに裾のフリルが揺れるオフショルダーのロングドレス。4人それぞれ、自らの持つイメージにぴったりのスタイルでの登場だった。


オダギリジョーが口火をきった。「アンニョンハセヨ。オダギリです。今日はじめて観ていただけることになりまして、不安と楽しみと…。ぶっちゃけ、不安のほうが大きいですけど。僕は先週はじめて韓国で完成作品を観まして、その迫力に本当に驚いて、正直、前で見ていると酔う人が出るかもしれませんね。僕はいままでの映画より衝撃を受けるのではないかと思っています。今日は楽しんで帰っていただきたいと思います。ありがとうございます。」と韓国語で一言挨拶し、いわゆるぶっちゃけた、いまの本当の彼の心境が素直に語られた挨拶だった。


続いて、チャン・ドンゴンの挨拶。「こんばんは。チャン・ドンゴンです」と日本語での挨拶からはじまった。「お会いできてうれしいです。お久しぶりです。私が日本に来る度にいつも温かく迎えていただいて感謝しています。今回は映画「マイウェイ」を紹介するためにやってきました。俳優、スタッフ全員9ヶ月にもおよぶ撮影期間一生懸命撮影し、すばらしい作品になりました。今日が日本ではじめての上映で、期待でいっぱいです。みなさんに応援いただけたらと思います。」


そして、ファン・ビンビンの挨拶。「こんにちは。どうぞよろしくお願いいたします。」日本語での挨拶。「みなさん、こんにちは。ファン・ビンビンと申します。また東京に来ることができてうれしいです。そして、たくさんの方にこの「マイウェイ」をご覧いただけてうれしいです。幸運にもカン・ジェギュ監督、オダギリジョーさん、チャン・ドンゴンさんと一緒に仕事ができてうれしいです。この映画は人間性を描いたすばらしい映画ですので、気に入り、応援していただけたらうれしいです。」と。この作品にかけた思いがそれぞれの口から、映画の公開を待っていたファンに伝えられた。


なかなか挨拶ができないカン・ジェギュ監督。自ら「ちょっとひとこと…。」と切り出し、「まず一言。実は心配なことがありました。この作品は戦争映画なので、観客が男性ばかりだったらどうしようかと不安でした。でも、ここに集まっていただけた方々は90%が女性ですね。ということは私のキャスティングが成功したということですね。(笑)安心しました。ありがとうございます。」とまだはじまったばかりで緊張感がみなぎる会場を監督ならではコメントで和ませた。

俳優陣には日本、韓国、中国と国籍が違う俳優同士、共演しての感想や撮影時のエピソードなどが語られた。


オダギリジョーはチャン・ドンゴンとの共演についてたずねられたとき、「通訳さんがいっぱいで(いろんな言葉が飛び交い)よく聞こえなくて…。」と。確かに日本語、韓国語、中国語が飛び交う中ではなかなか自分の頭のスイッチを切り替えることも大変だろう。いや、彼なりの気遣いの言葉なのだと思う。「監督が話された韓国語を7割近くの方が理解されていますよね。すごいですね。チャン・ドンゴンさんを愛しているのが分かります。彼は普段から優しくて誠実で謙虚で日本にはもういないタイプの男性ですね。(笑・会場からは拍手)日本にこんな男性がいないのが残念ですよね。非の打ち所がない男性で、本当にみなさんが愛しているのがわかります。」と横で聞いているチャン・ドンゴンが気恥ずかしくなるような褒め言葉がならんだ。「エピソード…、そんなにないんですけど。ちょっと自慢話を…。実はドンゴンさんとカラオケに行ったんですよ。無理やりデュエットを歌わされて…。ドンゴンさんはチューブ、チェッカーズ。サザンオールスターズ、徳永英明の曲が好きなんですよ。(彼と一緒にカラオケなんて)いいでしょ?!」と、集まったファンをうらやましがらせるような、ちょっといたずらっ子のようなコメントで会場を沸かせた。


オダギリジョーと共演しての感想や撮影中、スタッフ全員にダウンジャケットをプレゼントしたチャン・ドンゴンにどのような気持ちでそのようなことをしたのかたずねると、「出演作品は観ていましたが、オダギリジョーさんとは今回の作品ではじめてお会いしました。内気そうな方だと思っていて、どう接したらいいのかと思っていました。でも、実際、お会いすると、みなさんがご存知ようにユーモアもあって、また同じ頃に子供が生まれて共通の話題もあってすぐに親しくなれました。彼は音楽にも関心があると聞いていたので、私が知っている日本の曲を歌うことで(同じ映画を愛し、共に映画に携る)同士として同士愛を育もうと思いました。そして、スタッフへのダウンジャケットは映画という一つの船に乗る共同体としてのユニフォーム的なものをと思い…。そして、真冬の防寒も兼ねてプレゼントさせていただいたんです。」過酷な撮影現場であったのだろう。でも、このチャン・ドンゴンの粋な計らいはこの作品に携る人々すべてに温かい気持ちも一緒に届けられたに違いない。本当にすべての人を思いやるやさしいチャン・ドンゴン。けっしておしゃべりでもなく、おもしろいことを連発するわけでもないが、どんなにスターになっても奢ることないチャン・ドンゴン。ファンはそんな彼のやさしさ、誠実さに惹かれるのだろう。


ファン・ビンビンは厳しい現場が想像される戦争映画を引き受けた理由を次のように語った。「カン・ジェギュ監督の「シュリ」が大好きで、中国でもその映画のファンが多いんです。その監督の作品に出られるならとオファーを受けました。日本、韓国のイケメンと共演できるというのがもう一つの理由です。(笑)お二人それぞれの魅力がスクリーンから溢れ出しています。またさらに虜になるのではないでしょうか。」と日韓イケメン代表のオダギリジョーとチャン・ドンゴンとの共演をユーモアたっぷりなコメントで振り返っていた。


最後にカン・ジェギュ監督からこの作品への思い入れと観客へメッセージが語られた。「まず、メッセージをお送りします。この映画を手がけたときに私の心を突き動かす原動力は何なのか?考えていました。京城を出発してノルマンディーまでの12,000キロにもおよぶ長い旅で、主人公の若い2人が生きるか死ぬかという極限のなかで、どのように気持ちが変わっていくのだろうかと考えてみたいと思いました。それが魅力の一つとなり制作するきっかけとなりました。当時、韓国は日本の支配下にあって、日本と韓国の国籍の違う若い2人の男の心の変化を描きたいと思いました。また、ノモンハンなどどの戦争シーンも皆苦労して撮影していました。楽なシーンなど一つもありません。俳優、スタッフの思いがつまり、皆が一つになって作り上げた作品です。」とこの作品「マイウェイ」にかけた思いが切々と語られた。

 最後に作品を皆で作り上げたように、この4人で一つの「マイウェイ ‐12,000キロの真実‐ BASED ON A TRUE STORY」と書かれたパネルを持ち、笑顔でフォトセッションが行なわれた。

文:S.T

関連記事


Page Up