
歌舞伎町大歌舞伎 三代目猿之助四十八撰の内『獨道中五十三驛』製作発表会見が2026年2月5日(木)に行われ、市川中車、市川團子が登壇した。
本作は文政十年(1827年)に江戸河原崎座で初演。永らく上演が途絶えていたが、昭和五十六年に三代目市川猿之助(二世市川猿翁)が歌舞伎座にて復活上演させた人気作。今回の上演では、古典歌舞伎を人気声優陣が語り演じる松竹のオリジナル朗読劇「こえかぶ」とのコラボレーションで贈る。

今回、中車は本作の中でも屈指の人気を誇る「岡崎無量寺の場」で十二単をまとって宙を飛ぶ猫の怪を初役で勤める。中車は「父・二世市川猿翁が1980年代、江戸時代から百年以上も埋もれていた作品を復活させるべく心血を注いだ演目の一つが、この『獨道中五十三驛』です。この大切な演目を、私と息子の團子で勤めさせていただきますこと、この上ない光栄に存じます」と挨拶。続けて、「岡崎の猫を勤めさせていただきますが、父が得意とするところの演目でございますので、父のスピリットを1人でも多くの方にお見せできるように今から研鑽を積んでいきたいと思っております」と意気込んだ。

一方、團子は常磐津を用いた舞踊『写書東驛路』にて、十三役を早替わりにて勤める。團子は「これは祖父が復活した1981年からのオリジナルのものでございます。初めてTHEATER MILANO-Zaという場所で上演することもあり、緊張もありますが、これまで歌舞伎を見たことがない方にも歌舞伎に触れていただけるとてもよい機会になるかと思います。歌舞伎を知っている人やそうでない人、どちらにも楽しんでいただける公演になるよう、精一杯努めていけたら」と思いを語った。
また、「こえかぶ」とのコラボについて聞かれると、中車は「これまでは例えば、1日に3人の声優さんが出演したら女性の方は女性の役の声を出すというようにそれぞれが役割を持って演じていましたが、今回は1人の声優さんが男性になったり女性になったり、年老いた人になったり、若い人になったり、いろいろと渡り歩いて演じます。声の早替わりをするというのがテーマだと聞いております。声優さんにとってはおそらくハードルが上がることになると思いますが、それはこの作品の持つスピリットとも合致していると思います」と説明。團子は「歌舞伎としての場面は選び抜かれた2場面が上演されて、残りの場面は初心者の方にも分かりやすく『こえかぶ』で伝えてもらうという構成は画期的だと思いますし、より魅力的な公演になるのかなと思っています」と思いを述べた。
歌舞伎俳優として、目覚ましい活躍を続ける團子。中車はそんな團子を「努力の賜物だと思います」と話す。そして、「親子ではございますが、2012年6月5日に初日を共に迎えた同輩でございます。その時から13年が経ちますが、やはり子どもというのは覚えるのが早い。私はもうどんどん差がつけられたと思います。とはいえ、澤瀉屋の年長組として、息子と共に公演をさせていただけて本当に嬉しいですし、光栄でございます」と親子での共演に思いを寄せた。
そうした言葉を受け、團子も「子どもの頃から映像でお芝居をしている姿をずっと観てきましたし、努力の人だという言葉は父の方こそだと思います。努力の賜物だと思います」と笑顔で語った。

歌舞伎町大歌舞伎 三代目猿之助四十八撰の内『獨道中五十三?』は、2025年5月3日(日・祝)~5月26日(火)にTHEATER MILANO-Za(東急歌舞伎町タワー6F)で上演。

