上野樹里が主演するミュージカル『のだめカンタービレ』の公開ゲネプロが10月3日（火）に日比谷シアタークリエで行われ、その様子を収めた舞台写真が到着した。
「のだめカンタービレ」は、2001年に月刊「Kiss」（講談社）で連載を開始すると瞬く間に大人気となり、2004年に第28回講談社漫画少女部門を受賞。全13巻の新装版単行本ほかシリーズ累計発行部数が3900万部を超える爆発的を記録した漫画。その後、ドラマ・アニメ・映画化もされるなどあらゆるメディアミックスを展開し、世界中で愛されるコンテンツとなった。本作は、同作の初のミュージカル作品となる。
落ちこぼれながら天才的なピアノの才能を持つ音大生・“のだめ”こと野田恵を、テレビドラマ・劇場版でも同役を務めた上野が演じ、舞台初挑戦を果たす。また、同じ大学に通うエリート音大生で指揮者を目指す千秋真一役は、舞台『キングダム』で帝劇初主演を果たした三浦宏規、世界的なドイツ人指揮者、フランツ・フォン・シュトレーゼマン、通称ミルヒーをドラマ・劇場版でも同役を演じた竹中直人が務める。
作詞・演出・脚本を上田一豪が務め、TRICERATOPSのボーカル・ギターを担当する和田唱が音楽を手掛け、今回初めてミュージカルへ楽曲を提供する。
全編を通して、笑いに溢れたミュージカルに仕上がっていた本作。特にシュトレーゼマンは個性的なキャラクターと竹中自身のキャラクターが相まって、会場に大きな笑いを生み出していた。
また、上野は、ドラマ・劇場版で見せたのだめの姿そのままをステージでも表現。のだめが歌う可愛らしい楽曲ものだめのキャラクターを引き立たせていた。
千秋を演じた三浦は、エリートでオレ様キャラを見事に体現し、作品を引っ張る。歌にダンスに、そのポテンシャルを遺憾無く発揮し、存在感を放った。
楽曲は基本的にオーケストラの生演奏が奏でているが、劇中に登場するのだめたちが演奏するクラシック楽曲は阪田知樹、亀井聖矢、ぶどうによる演奏提供の楽曲を使用している。クラシックファンにとっては、彼らの演奏が（生ではないものの）聴けるというのも見どころの一つだ。
なお、初日公演のカーテンコールの映像も到着。カーテンコールでは、まず、竹中が「自分の俳優人生の中で唯一断った役です。ドイツ人ですから。僕は日本人だから、絶対できませんと断ったのに、なぜ僕は、今、ここにいるんだ、再び。それが不思議でなりません」と笑いを誘い、「素敵な二人に、そして全てのアンサンブルの方々、そしてオーケストラの皆さんに見守られてなんとか乗り越えることができました。まだまだ続きますが、よろしくお願いします」と挨拶。
続いて、三浦が「いまだに、“先輩”って言われても後輩だもんって思いますけど、本当に光栄なことですし、こうしてお客さまに届けられたことは幸せです。ここからクリエで1カ月近く続いていきますので、最後まで応援よろしくお願いします」と呼びかけた。
そして、上野はのだめの口調のまま、「キャストの皆さんが素敵。峰くんも、真澄ちゃんも。舞台において、今をときめくスターの方々と一緒に、のだめとミルヒーを蘇らせていただいて、フィルターを通さずお客さんと会うことができて、とっても嬉しいです」と話して笑顔を見せた。さらに、「皆さん、楽しんでいただけましたか？」と会場に呼びかけ、大きな拍手が沸き起こると「ああ、よかったです！ 色々ありましたが、ご愛嬌ということでよろしくお願いいたします。では、ありがとうございました」と観客に感謝。 “千秋先輩”のお姫様抱っこでステージを後にした。
ミュージカル『のだめカンタービレ』は、以下の日程で上演。
東京公演：2023年10月3日(火)～29日(日) 日比谷シアタークリエ
長野公演：2023年11月3日(金祝)・4日(土) サントミューゼ
【ミュージカル『のだめカンタービレ』に登場するクラシック楽曲】
●ベートーヴェン「ピアノ・ソナタ第８番『悲愴』」、「ヴァイオリン・ソナタ第５番『春』」、「交響曲第７番」
●モーツァルト「２台のピアノのためのソナタ ニ長調 K.448」
●ブラームス「交響曲第１番ハ短調 Op.68」「パガニーニの主題による変奏曲」
●ラフマニノフ「ピアノ協奏曲 第２番」
●シューベルト「ピアノ・ソナタ第 16 番イ短調 Ｄ．845」
●ショパン「エチュード 第４番 Op.10-4 嬰ハ短調」
●ドビュッシー「喜びの島」
●ストラヴィンスキー「『ペトルーシュカ』からの３楽章」
●ガーシュウィン「ラプソディ・イン・ブルー」
