トニー賞4部門ほか各賞に輝いたブロードウェイの傑作ミュージカル、Broadway Musical『IN THE HEIGHTS イン・ザ・ハイツ』が9月22日（日・祝）から上演される。本作は、ミュージカル『ハミルトン』を生んだブロードウェイの異端児リン＝マニュエル・ミランダの処女作となるミュージカル。マンハッタン北西部、移民が多く住む町ワシントンハイツを舞台に、さまざまな人種の人たちが力強く生きる姿をラップやサルサ、ヒップホップなどの楽曲に乗せて描く。日本では、2014年にラップ部分をKREVAが見事な日本語表現に替え、Def TechのMicroをウスナビ役に迎えて上演。21年の再演を経て、今回は3度目の上演となる。14年の日本初演から約10年の時を経て、再びベニーを演じる松下優也に、初演時を振り返ってもらうとともに、今回の公演への意気込みを聞いた。
――2014年以来、2度目の出演となります。以前から、再びこの作品に出演したいという想いはあったのでしょうか？
ありました。再演を観にいかせていただいた後に、映画化もされていて。そうした作品を観て、またやりたいと思っていました。
――2014年に出演されたときは、この作品のどんなところに魅力を感じられていましたか？
やっぱり音楽です。今、こうしてミュージカルにたくさん出演させてもらっていますが、元々僕はアーティストからスタートしているので、いわゆるR&Bやヒップホップの要素が強いこの作品は親和性のあるものだと感じていました。
――確かに、ラップやヒップホップを取り入れている作品はあまりないですよね。
ないと思います。それもただのアウトプットとして使っているというよりも、カルチャーとして取り入れている作品は、日本においてはかなり少ないと思います。
――本作の出演が発表された際のオフィシャルリリースで、松下さんは「音楽の力」という言葉を出されていましたが、その「音楽の力」はどんなところに一番強く感じましたか？
ワシントンハイツの移民の人たちが主役になっているお話ですが、（本作からは）彼らの内側から来るエネルギーが音楽に繋がっていることを感じます。ミュージカルは、お芝居が歌になっていくものなので、どこか非日常的なところがあるものだと思いますが、この作品の中に出てくる人たちは音楽があるのが日常。なので、ミュージカルになるべくしてなったのだと思います。公園で音楽を流して踊って歌っているというのが彼らの日常だから、内側から出てくるパッションを感じます。
――松下さんもアーティストとして、そうした「音楽の力」に普段から接しているのでは？
そうですね。音楽があったら水を得た魚ですから（笑）。自分がそういうタイプなので、よりこの作品の中の「音楽の力」を感じますね。
――松下さんが演じるベニーという役柄については、共感できるところや理解できるところはありますか？
共感するところもありますが、同時に難しさも感じています。この作品は人種の問題や移民のお話なので、日本で上演する上で、どうやって落とし込むのか、まだ自分の中で答えが見つかっていません。ベニーは黒人ですし、想いを寄せているニーナもまた違う人種です。そういったベニーも持つ背景を踏まえて、稽古中にしっかり役と向き合いたいと思います。
――2014年に出演されたときは、そうしたところも含めて、どんなところにポイントを置いて演じていたのですか？
まだ僕も24歳と若かったので、今よりももっとフィジカルに考えていたように思います。ベニーの音楽的な面をどう無理なく表現するか、このカルチャーが自分の中にあるということをどう見せればいいのかというように。自分は黒人に生まれたわけでもなく、アメリカで生まれ育ったわけでもない。フィジカルとしてベニーをどう表現するのか。自分がそれまで経験してきたものを使って、どうやってステージに立つのかを意識していたように思います。
――今回はどのように考えていますか？
芝居や役、作品に対する取り組み方がこの10年で変わったので、本質をもっと読み解いていきたいと思っています。根をしっかりと張った役作りをしたいです。その上で、最終的には楽しい、ライブ感のある、人間のエネルギーやパッションを感じられる作品にしたいですね。そのためには、稽古を丁寧にして、稽古を通して気づいたことを積み上げていきたいと思います。
Broadway Musical 『IN THE HEIGHTS イン・ザ・ハイツ』 公演情報
原案・作詞・作曲 リン＝マニュエル・ミランダ
脚本 キアラ・アレグリア・ウデス
演出・振付 TETSUHARU
翻訳・訳詞 吉川徹
歌詞 KREVA
音楽監督 岩崎廉
出演
ウスナビ：Micro [Def Tech]／平間壮一（Wキャスト）
ベニー：松下優也
ニーナ：sara
ヴァネッサ：豊原江理佳
ソニー：有馬爽人
ダニエラ：エリアンナ
カーラ：ダンドイ舞莉花
ピラグア屋：MARU
グラフィティ・ピート：KAITA
ケヴィン・ロザリオ：戸井勝海
カミラ・ロザリオ：彩吹真央
アブエラ・クラウディア：田中利花
ハイツの人々：SHUN MAOTO LEI‘OH 鈴木恒守
SATOKO MORI TokoLefty 根岸みゆ 秋野祐香
スウィング：梅津大輝 江崎里紗
MUSICIAN ピアノ・コンダクター：田中 葵
キーボード：伊東麻奈
ギター：齋藤隆広／石本大介
ベース：山口健一郎
ドラム：東 佳樹
パーカッション：一丸聡子
リード：白石幸司／大内満春
トランペット：田沼慶紀／中野 栞
トロンボーン：榎本裕介／脇村佑輔
マニピュレーター：古賀敬一郎
スタッフ 美術：伊藤雅子 照明：吉川ひろ子 音響：松山典弘 衣裳：屋島裕樹
ヘアメイク：宮内宏明
演出助手：陶山浩乃 歌唱指導：吉田純也 ラップ指導：SHUN 稽古ピアノ：田中 葵
舞台監督：戸沢俊啓 舞台製作：クリエイティブ・アート・スィンク 加賀谷吉之輔
宣伝美術：中野淳仁 宣伝写真：笹原清明 宣伝衣裳提供：屋島裕樹
宣伝スタイリスト：ゴウダアツコ
宣伝ヘアメイク：水﨑優里、内布来未、門永あかね、菊池泰子
宣伝：ディップス・プラネット HP制作：メテオデザイン
版権コーディネート：東宝ミュージック
制作：寺地友子、浅田真那、西谷加奈子
企画・製作 アミューズ／シーエイティプロデュース／ぴあ
公式HP https://intheheights.jp/
公式X @intheheightsjp
東京公演 2024年9月22日(日・祝)～10月6日(日) 天王洲 銀河劇場
★アフタートーク対象公演／登壇者
9月26日(木) 13:00公演 Micro、松下優也、豊原江理佳、エリアンナ
9月27日(金) 13:00公演 平間壮一、sara、有馬爽人、KAITA
9月29日(日) 12:00公演 Micro、sara、戸井勝海、彩吹真央、田中利花
10月4日(金) 13:00公演 平間壮一、豊原江理佳、有馬爽人、ダンドイ舞莉花、MARU
主催 アミューズ／ぴあ／シーエイティプロデュース
京都公演 2024年10月12日(土)・13日(日) 京都劇場
★アフタートーク対象公演／登壇者
10月12日(土) 17:30公演 松下優也、sara、MARU、彩吹真央
主催 サンライズプロモーション大阪
名古屋公演 2024年10月19日(土)・20日(日) Niterra 日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール
★アフタートーク対象公演／登壇者
10月19日(土) 13:00公演 平間壮一、豊原江理佳、有馬爽人、エリアンナ
主催 サンライズプロモーション大阪／サンデーフォークプロモーション
神奈川公演 2024年10月26日(土) 14:15開場／15:00開演 大和市文化創造拠点シリウス 1階芸術文化ホール メインホール
主催 やまとみらい（大和市文化創造拠点等 指定管理者）
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2024年10月26日 23時59分
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