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2025年10月25日 22:43

昆夏美&松下優也インタビュー 「力強く、そして不躾にならずにうまく役と調和していきたい」ミュージカル『マリー・キュリー』

ノーベル賞を二度受賞した科学者、マリー・キュリーの物語を描き、2023年の日本初演が大きな話題を呼んだミュージカル『マリー・キュリー』。待望の再演が、2025年10月25日(土)から装いも新たに上演される。今回、タイトルロールとなるマリー・キュリーを演じるのは昆夏美と星風まどか。マリーの夫、ピエール・キュリー役を松下優也と葛山信吾が演じる。夫婦役の昆と松下に、本作への意気込みや役柄の印象などを聞いた。

――出演が決まったときのお気持ちを聞かせてください。

:初演を拝見してこの作品に対してもマリー役に対してもイメージをすでに持っていたので、それを踏まえた上で私にお声がけいただいたことがとても嬉しかったです。それと同時に、「私が!?」という意外な部分もありました。

松下:僕も初演がクチコミで広がったことや業界でもお客さんからもすごく高い評価を受けていること、演出を鈴木裕美さんが担当されていることは知っていたので、こうしてお声がけいただき嬉しかったです。裕美さんとは今回で3度目になるんです。またご一緒できるのがすごく楽しみです。

――初演をご覧になった感想は?

:女性に響く作品だなと感じました。クチコミでどんどんお客さまが増えていったというのもすごく納得する作品だと思います。

松下:僕は映像で拝見しましたが、やっぱり韓国ミュージカルは音楽の力が大きいなと思いました。今作は、ファクトとフィクションが合わさったファクションということですが、事実に基づいたものが入っていて、そこにフィクションもあって、音楽の力を借りてよりドラマチックに描かれている印象がありました。静かな芝居で見せるシーンもあれば、音楽で展開していくところもあり、やりがいがありそうだなと感じています。

――現時点でのそれぞれの役柄の印象を教えてください。

:人は自分の追い求めるものに目覚めてしまったら、それを辞めることはできないということを感じました。マリーは、女性というだけで偏見を持たれていた時代に科学という分野で戦ってきた人なので、自分の目標に向かって走るだけの女性ではなかった。自分がダメになってしまったら、自分自身の存在も否定されてしまうと感じ、この研究をなんとしても成功させなければいけないという思いもあったのだと思います。そのための犠牲や後悔もきっとたくさんあって、それでもたくさんのものを背負っていた人生だった。ただ目標に向かって突っ走っていたわけではないと思うので、今はそうしたところをどう表現すべきか考えています。

――そんなマリーに共感できるところは?

:今は性別関係なく、女性も受け入れられる世の中になってきているので、より今の時代のお客さまに届く作品だとは思います。性別や生きてきた環境によってできないことがある時代に生きて、それに負けたくないという思いは、とても納得できると思います。

――松下さんはいかがですか?

松下:僕が演じるピエールはひたすらマリーを支える存在です。僕はこれまで支えられる役を演じることが多かったですが、今回は、支える側。今の自分の年齢だからこそできる芝居があるのではないかと思いますし、ピエールを演じることでどんな発見があるのかを楽しみにしています。

――ピエールに共感できるところはありますか?

松下:「女性なのに」という偏見に苦しみながらもマリーは研究を続けていますが、ピエールはそうした偏見は持っていません。僕自身もあまり「男だから、女だから」という見方をしないので、そういう意味では似ているところはあるのかもしれません。

――本作は、Fact〈歴史的事実〉×Fiction〈虚構〉=ファクション・ミュージカルとして演出された作品です。とはいえ、マリーもピエールも実在した人物ですが、実在する人物を作り上げるという点では役作りをどのように考えていますか?

松下:実在した人物を演じたことある?

:私は舞台では初めてです。

松下:僕も記憶にないな。

:だから、皆さん、どうやって作っているのか私が知りたいです(笑)。

松下:でもそれは、演者がどう思うかよりも、演出側が何を求めているかにもよるのかなと思います。例えば、この作品は歴史のお話ではないし、ファクションと言っている作品です。なので、忠実な再現よりも作品として作り上げるために削ぎ落とすことを優先する部分もあると思います。例えばそれはビジュアル面もそうです。そもそも僕たち日本人が演じるわけですから。なので、裕美さんが何を求めているのかによっても違うのかなと。もちろんこれが大河ドラマだったり、時代劇だったら、歴史的事実も大事にしなければいけないのだと思いますが。

――確かにそうですね。昆さんは今、どんなことをお考えですか?

:事前準備として、本を読んだり、ネットで調べたりしようと思っていますが、それをどこまで役に投影させればいいのか、何を基準に役作りをすればいいのかはまだ模索しているところです。歴史的事実に固執して役作りをするのも違うと思いますが、自分がどうアプローチをしていくのかもまだ分からなくて。だからこそ、裕美さんや松下さんを始めとしたキャストの皆さんとのお芝居や演出を大切にしたいと思っています。

――昆さんはこれまでに鈴木さんの演出を受けたことはありますか?

:こうして作品でご一緒するのは初めてです。ですが、10年以上前に裕美さんのワークショップに参加させていただいたことがあります。がっつり演出をしていただくのは今回が初めてなので、ビシバシやっていただきたいなと思っています。

――松下さんはこれまでにもご一緒しているということですが。

松下:初めてご一緒したのはミュージカル『花より男子』という作品で、その後がミュージカル『サンセット大通り』でした。『花より男子』は、9年ほど前の作品ですが、学園ものだったこともあり自分も含めて若いキャストが多かったので、「戯曲とは?」というところから教えていただいて。「そのシーンを作るためには、その前のシーンが大事で、その後はこうしたシーンになるからこうしなくてはいけない」ということを噛み砕いて教えてくださいました。僕もまだ20代前半で芝居のことなんて何も分からずにやっていましたが、そうした裕美さんの話を聞いて、お芝居の面白さに気づくこともできました。だから、裕美さんは芝居を好きになったきっかけの人でもあります。

『サンセット大通り』で印象的だったのは、二幕の頭にある「サンセット・ブルーバード」というソロナンバーの稽古ですね。お客さんに向けて芝居で歌うというシーンなのですが、稽古ではそのときにいたキャスト全員を前にして、歌ってみせるということがありました。

――鈴木さんの演出の魅力は?

松下:裕美さんは「その表現が本当であるのか」を大事にしている人なのかなと思います。自分のやり方で演じてほしい演出家もいると思いますが、きっと裕美さんは「それが本当であればそれでいいかも」と思う人。付けられた動き、演出をそのままやっていても、そこに嘘があればダメなんです。だから、ひたすら同じシーンの稽古をしたこともあります。それから、『花より男子』のときもそうですが、すごく分かりやすく教えてくださる方だという印象もあります。テクニカルなところも教えてくださるので、勉強になります。

――お互いの印象は?

松下:帝劇コン(帝国劇場『THE MUSICAL CONCERT』)で初めてご一緒しました。もちろん存在は知っていましたし、歌が素晴らしい方だということも知っていましたが、帝劇コンで聞いた(ミュージカル『ミス・サイゴン』の楽曲で、昆が歌った)「命をあげよう」が本当に素晴らしくて。歌の技術はもちろんですが、ソウルもあって、とても印象に残っています。自分は元々ミュージカルを観てきた人間ではないので、いろいろと観るようになった今も、自分の中にあまりルールがないんですよ。好きか好きじゃないかで判断しているので、テクニカル的なことはあまり関係ない。ですが、(昆の歌う)歌を聞いて、好きな歌声だと思いました。

:ありがとうございます。そのときはご挨拶程度でしたが、今日、改めてこうしてお会いすると、すごく“俺”というオーラのある方だなと。悪い意味ではなく、とてもポジティブな力強いエネルギーをお持ちだなと改めて思います。私の周りでも松下さんのことを知っていらっしゃる方がたくさんいるので、「どういう方なんですか?」と尋ねると、皆さん口を揃えて「お芝居がすごく好きな人」だと言っていました。私は歌やパフォーマンスのイメージが強かったんですが、そこに松下さんならではのお芝居の感覚が乗ると思うので、一緒に作品が作れることがとても楽しみです。ピエールという役柄とご自身のトーンは違うのかなと思いますが、きっと素敵に演じられると思うので、そうしたところも楽しみです。

――ありがとうございました! 最後に公演への意気込みをお願いします!

松下:昆さんも鈴木瑛美子ちゃんも、他のキャストの皆さんも、実力は間違いない人たちが揃っているので、僕も頑張りたいと思います。再演だからといって初演をなぞるだけではなく、良いものは受け継ぎながらも、今回のキャストの良さを出し、ブラッシュアップしてお届けできたらと思っています。

:(Wキャスト)松下さん、鈴木さん、私は固定キャストで演じるのですが、それぞれが持っているエネルギーの色が太い三人が集まっていると感じるので、力強く、そして不躾にならずにうまく役と調和していきたいと思っています。演出の裕美さんがきっと私たちのことを考えて導いてくださると思うので、裕美さんに委ねながらも、我々の作品が作れたらと思います。

ミュージカル『マリー・キュリー』

天王洲 銀河劇場  (浜松町/汐留/天王洲)
2025年10月25日(土)~11月9日(日)
梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ          
2025年11月28日(金)~11月30日(日)
公式HP https://www.mariecurie-musical.jp/

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