瀬戸康史・主演 舞台『彼女を笑う人がいても』開幕
『彼女を笑う人がいても』掲載写真全て撮影:細野晋司
演出:栗山民也×作:瀬戸山美咲が初めてタッグを組む新作『彼女を笑う人がいても』が12月4日(土)世田谷パブリックシアターにて開幕した。
「安保闘争」という現代日本社会を語る上で外すことのできない歴史的事件を題材に、 現代と1960年安保闘争の二つの時代を舞台に、報道の真実やマスコミニュケーションの正義を追い求め奔走する二人の新聞記者の青年の姿を通し、日本社会の光と闇を見つめ、現代を生きる私たちの心にかすかな光を灯す作品となっている。
主演は映像・舞台に目覚ましい躍進を続ける瀬戸康史、ミュージカルを中心に活躍し今回がストレートプレイ初出演となる木下晴香、近年活躍をみせ今回初舞台となる期待の俳優 渡邊圭祐、舞台・TV・映画と幅広く活躍する演技派の近藤公園。更には、話題の舞台作品に次々と出演している阿岐之将一、舞台・テレビドラマのほか声優としても目覚ましい活躍を遂げる魏涼子、舞台だけでなく映像作品でも幅広く活躍中の吉見一豊、長年舞台で活躍し続け栗山作品に欠かせない大鷹明良が脇を固める。
左から:木下春香、瀬戸康史
演出家・作家・出演者の初日コメントは次のとおり。
栗山民也(演出)コメント
初日の夜に
「自分の言葉」というフレーズを、最近関わったいくつかの作品で自分なりのテーマにしていたけれど、今日、初日を開けたこの作品でも、やっぱり一人ひとりが、どう「自分の言葉」で語り始めるのか、強く耳に刻んでいた。
1960年6月の安保闘争での国会デモによって命を失った樺美智子の「言葉」は、2021年に瀬戸山美咲が綴る「言葉」に受け継がれた。忘れ去られていくもの、切り捨てになっていくもののために…わたしはそのことを、演出家として大事に引き受けたつもりだ。一人でも多くの人に、このいろいろな人の 「自分の言葉」がしっかりと繋がれていきますように。
瀬戸山美咲(作)コメント
ただ、そこに立ち、誰かに向かって言葉を発する。あるのは人と言葉だけ。高い集中度で進む栗山さんの稽古は、無駄なことをどんどん削ぎ落としていく時間でした。劇場に入りスタッフワークに支えられ、さらに研ぎ澄まされていく俳優のみなさんの芝居を目にして、畏怖の念すら抱いていました。
しかし、初日を観て心に残ったのは、人間の持つ明るさでした。私たちの目の前の現実は困難かもしれない。でも、希望がないわけではない。そんなことを俳優さんの言葉と身体を通して客席のみなさんと一緒に感じられたような気がします。1960年から2021年の現在を見つめる作品です。今、みなさんと分かち合えたらとても嬉しいです。
瀬戸康史 (高木伊知哉/高木吾郎役)コメント
この作品を通して「言葉」が持つ色々な側面を知り、改めて考えることができています。
栗山さんの発する言葉は、静かですがとても力強い。
そして、瀬戸山さんが書いた言葉は、重く心に響きます。
それから 1960 年と2021年、ふたつの時代を過ごして、ぶつかることの重要性を感じています。 それで、何が生まれるのかが大切なのだと思います。
初日を無事に迎えた喜びを噛み締め、心の炎を燃やし続けます。
木下晴香(岩井梨沙/山中誠子役)コメント
お客様のまなざしや空気から、ものすごいエネルギーがギュッと濃縮されている戯曲だということを再認識しました。
温かくて熱くてストイックな皆さんと過ごす稽古の日々は本当にあっという間だったけれど、思ったよりも平常心で初日を迎えることができたのは、とても実りある時間を過ごさせてもらっているからだと思います。
瀬戸山さんの戯曲から受け取った想いや温度、栗山さんからいただいた宝物のような言葉たちを心に留め、言葉の力を信じて!最後の最後まで梨沙として誠子として、とにかく目の前の瞬間しっかり生きて言葉を発することを大切に、今を生きる1人の人間としてこの戯曲に向き合い深化していけたらと思います。
上:左から 瀬戸康史、渡邊圭祐
下:左から 阿岐之将一、木下晴香、瀬戸康史、渡邊圭祐
舞台『彼女を笑う人がいても 』
2021年12月4日(土)~12月18日(土) 世田谷パブリックシアター
《ツアー公演》
福岡公演 12月22日(水) 18:30 福岡市民会館・大ホール
愛知公演 12月25日(土) 18:00/26 日(日)13:00 刈谷市総合文化センター 大ホール
兵庫公演 12月29日(水)18:00/30日(木)12:00/30日(木)17:00 兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール
公式サイト:https://setagaya-pt.jp/performances/202112kanojyo.html