人気ドラマ「トンイ」や「華麗なる遺産」など日本でも人気の高い女優ハン・ヒョジュが、11月21日、東京・有楽町の東京国際フォーラム ホールAでファンミーティングイベント『ハン・ヒョジュ 女優日和』を開催した。同公演は、2011年10月に日本で初のファンミーティングを開催して以来、約2年ぶりとなるプレミアムイベント。ファンミーティングでは、「女優ハン・ヒョジュ」を演出した監督、共演者の撮り下ろしインタビューの他、前回好評だった朗読劇や歌のプレゼント、韓国の胡弓“ヘグム”の演奏など、ハン・ヒョジュの美しく清楚な魅力をたっぷりと披露。さらにスペシャルゲストが登場するなど盛り沢山な内容で駆けつけたファンを楽しませた。
暗転したステージに照明が照らされ、白のノースリーブに黒のパンツといったスタイリッシュな装いのハン・ヒョジュがステージ中央から登場すると大きな歓声と拍手が沸いた。
「皆さんこんにちは!ハン・ヒョジュです。お久しぶりですね。2年ぶりですね。今日、こんなにたくさんの方にお越しいただきありがとうございます。ドキドキします~(笑)今日、一緒に楽しみましょう!」と流暢な日本語であいさつした。
オープニングトークでは近況を報告。「最近、公開された映画『監視者たち』のプロモーションをしていました。今年1年はこの作品で、とても忙しく楽しく過ごしていました。その後は、旅行に行ってきましたし、日本でのファンミーティングの準備をしながら過ごしていました」。
映画『監視者たち』では、アクションにも挑戦したが、「(アクションシーンは)短く…(笑)。これまでに味わったことのない演技の楽しみがあったんですね。アクションには。次回、機会があればすべてアクションだらけの映画にチャレンジしてみたいです」と新たな一面を明かした。また、旅行について聞かれると、「LAから少し北にあるサンタバーバラに行って来ました。仕事でLAに行ったついでに、そのまま帰ってくるのはもったいないと思いサンタバーバラに寄りました」。そこで撮った写真がオープニングに流れた映像と説明した。
雑誌「韓流ぴあ」に連載中のコラム『ヒョジュ日和』を1年間続けてみた感想を「(日本語で)私にも特別な経験でした」と語り、「私自身についてお話できる機会でした。インタビューでは中々お見せできない“人間ハン・ヒョジュ”についてお見せできる機会だったと思います。1年間、続けられたことに感謝しています」と述べた。
10月に開催された韓流10周年を祝う韓流ドラマ大賞女優部門では4位に輝いたハン・ヒョジュ。「(日本語で)4位はもっと上に上がれる順位なので楽しみです。ずっと4位でも大丈夫です。みなさんがいるから」と話しニッコリと微笑んだ。
そして、現在NHK総合で放送中のドラマ「トンイ」を改めて振り返り、「たくさんの方に愛していただけるきっかけになったドラマ。大きな山を越えたような感覚があり、大きなチャレンジをして後悔が残こらないほど達成感を得ました。女優として、人間として私にとっては意味のあるドラマでした」と述懐。
イベントでは、ドラマ「トンイ」のイ・ビョンフン監督や「春のワルツ」のユン・ソクホ監督。映画『ただ君だけ』のソン・イルゴン監督や『ばんそうこう』のチョン・ギフン監督からのメッセージ映像が流れた。
イ・ビョンフン監督からは「ハン・ヒョジュさんは独特な西欧的な美しさがある。キャスティングも新鮮さを求めたので、結果的に大成功だった」と絶賛。続いて、ユン・ソクホ監督も彼女の第一印象を「はじめて会った時、気分が良くなった。人を惹きつける力がある」と話し、映画『ただ君だけ』のソン・イルゴン監督は「キャスティングしたのはダイヤモンドの原石のような存在だったから。しっかり作り上げれば素敵なキャラクターになると感じた」と明かした。そして、『ばんそうこう』のチョン・ギフン監督からは「最初は役柄について悩んでいるようだったが、(この役は)君の中に存在している姿。十分資質があるし、しっかり表現できると判断した」と監督たちからも絶大な信頼が寄せられた。
また、共演者からもメッセージが寄せられ、『ばんそうこう』で共演したコ・スは「カメラの前では欲もある。ジャンルを問わず、次も絶対共演したい女優さん。ヒョジュさんはいい子、皆さんが感じているそのままです」と称賛。「トンイ」で共演したペ・スビンは「次の役はファム・ファタール(悪女)を一度演じてもらいたいな。十分可能だと思います」とコメント。そして、最後は映画『王になった男』で共演したイ・ビョンホンから、「映画では、俳優は長時間待つことが多い。自分は撮影現場で本を読むことはほとんどないが、待ち時間に彼女が本を読んでいたのが印象的だった。内面を豊かにしようといつも努力している子だと思った」と撮影エピソードを明かした。
映画でハン・ヒョジュが王妃役にキャスティングされた時、正直、心配したというイ・ビョンホン。「王妃役は重要な役で、影があり存在感のある演技が要求される。若い彼女にちゃんと出来るかと少し心配したのも事実。でも想像以上に上手く、存在感のある演技をしていたので同じ作品に出演した俳優としてありがたく思っている」と打ち明けた。また、自分だけが知るハン・ヒョジュの秘密を聞かれ、「秘密は話しちゃいけないけど僕の秘密じゃないから (笑)。お酒が凄く強くて、最後まで全く酔わない姿をみてびっくりした。撮影中に一度飲みに行った時、その場から抜け出すのが大変だったよ(笑)。お酒では僕より先輩かも(笑)」と暴露し、笑いを誘った。
そして、「何年も支持され、応援してもらいながら俳優生活を続けてきて思うことは、ファンの方は“友人”だということ。一緒に年を取り、年ごとに俳優も成長して…。共に年を重ね、互いの変化をみながら親しい友人のような仲になるのだと思う。皆さんも“いい友人”になって欲しいと思います」と心温まるメッセージを送った。
名だたる監督たちや共演者に称えられたハン・ヒョジュは、「俳優だけでなく、人として『誰かの気分をよくすること』が出来るというのはとても嬉しいこと。感謝しています」と話し、「これまでの自分を振り返ることができ、私にとって素敵なうれしい時間になりました」と目を輝かせた。
中盤の質問コーナーでは、尊敬する人に母親を挙げ、やってみたいことには演技心理学を学びたいと明かした。その他、“女優さん”からの「日本映画で好きな作品は?」との質問には、「(日本語で)岩井俊二監督さんの作品や、犬童一心監督さんの作品が好きです。『ジョゼと虎と魚たち』(2003)や『いぬとえいが』(2004)、『金髪の草原』(1999)が好きですね」と答え、“映画監督さん”から「初めてデートした場所は?」との質問に、「小学校の時、公園で」。また、「一緒に歩いてみたいので好きな散歩コースを教えて?」との質問には「漢江(ハンガン)と南山(ナムサン)です。誰ですかぁ(笑)」と苦笑するハン・ヒョジュ。
と、ここでスペシャルゲストとして女優の広末涼子と犬童一心監督が登場。2人が質問者の“女優さん”と“映画監督さん”であったことが明かされた。
広末涼子は「こんにちは、広末涼子です。ヒョジュちゃんは韓国の女優さんの中で唯一のお友達であり、一番大好きな女優さん。4位じゃないです!」とあいさつ。
犬童監督は「僕の作品が好きだと言ってくれて光栄です。映画はデビュー作から観ています。その時からこの人は絶対イケるっ!と思っていました。是非、僕の作品に出演していただきたいです」と熱烈なアプローチを送ると、「うれしいです!」と大感激のハン・ヒョジュに会場からも拍手が沸いた。
また、ハン・ヒョジュから「私をはじめ、後輩女優へ伝えたいことは?」とアドバイスを求められた広末は「技術的なことは必要ないと思います。今の輝きのまま女優として、女性としていきいきと楽しんで年を重ねていくことが輝きを失わず女優として良い作品に出会う秘訣だと思います」と、広末自身が以前犬童監督から受けた言葉を伝えた。
質問BOXから選ばれた質問にも答え、抽選で当たった3名のファンにはツーショットのプレゼント。さらに、今日が誕生日だという女子高生には、ハン・ヒョジュから即興でバースデーソングが歌われるといったサプライズが見られた。
イベント終盤には、オリジナルに書き下ろした朗読劇や、ハン・ヒョジュに歌ってもらいたいとリクエストが多かったLe Coupieの「陽だまりの詩」を歌唱。また、映画曲「ムーンリバー」を韓国の胡弓“ヘグム”で演奏するなど、ハン・ヒョジュの世界観がたっぷりと味わえた。エンディングでは、日本語でファンに宛てた手紙を披露し、会場は彼女の魔法がかかったかのように温かい雰囲気に包まれた。最後はアンコール曲として山下達郎の「クリスマス・イブ」を歌唱して締めくくると、客席から大きな歓声と拍手が起こり、心温まるファンミーティングの幕を閉じた。
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