
左から:三浦宏規、甲斐翔真、佐藤隆紀、島田歌穂、井上芳雄、浦井健治、宮野真守、小野田龍之介
2月28日に建替えのために一時休館を迎える帝国劇場のラストを飾る公演 CONCERT 『THE BEST New HISTORY COMING』が2月14日(金)に初日を迎えた。初日公演直前には公開ゲネプロが行われ、また翌日15日にはレギュラーメンバーによる開幕記念会見が開催され、井上芳雄、浦井健治、小野田龍之介、甲斐翔真、佐藤隆紀(LE VELVETS)、島田歌穂、三浦宏規、宮野真守の8名が登壇した。
まず、井上は「稽古中からも『今の帝劇。最後だな』という想いでした。昨日は帝劇の初日としては最後の公演だったんですけど、とにかくお客様に喜んでいただくこと、お客様との想いを分かち合うことができました。皆さんがそれぞれ噛み締めながら観てくださっているという気がしました。毎回いろんなゲストも来てくださいますし、『帝劇最後の祭り』を今から2 週間楽しみたいと思います」と帝劇最終公演の想いを語った。
続いて、浦井は「昨日の終演後にスタッフの方が涙を流しながら『帝国劇場の(閉館)は悲しいけれども、次に向かうという気持ちで挑んでいきたい』という言葉をいただきました。改めてスタッフさんたちの存在が尊く、人生を賭けていることを強く感じました」とシミジミ。
宮野は「ナンバーの数もすごく多い公演で、帝劇の歴史を感じますし、錚々たる皆さんが出演している中で、僕は比較的新参者というか帝劇・新世代俳優です!」と訴えると、井上が「僕らと同世代ですよ」と口を挟む。宮野は「41 歳なんですけど、自分も歴史的瞬間に一緒にさせていただけたことがすごく光栄でしたし、格式ある場所でコール&レスポンスをやって、伝説を残したんじゃないかなと思っております」と話し、「演出の方に怒られるかと思ったら『もっとやってください』と言われたので、楽しい空気の中コンサートを盛り上げていきたいと思っております」と当日公演に向け、張り切っていた。
小野田は「ただただ胸アツでございます。次の時代に向かったコンサートだと思うと同時に、ミュージカル史、演劇史へのひとつの大きな区切りだと感じます。そういったものを噛み締めながら、そして想いを馳せて進めていきたい」と大上段に語ると、井上が「帝劇開場から出てるんですね」と冗談を飛ばす。小野田は「出てないわ! 33 歳若手俳優として頑張ります」と笑いを誘っていた。
三浦は「集大成を飾るコンサートなんだなと思って出演しているんですけれども、1ファン1お客様としてコンサートをすごく楽しんでおります」と若手ながらのコメント。井上から「一番苦労しているシーンは」の質問。三浦は「大先輩と組んで踊るシーンがあるんですけど、何回も芳雄さんに相談させてもらって、僕の気持ちとしてはとにかく絶対に衣装の裾を踏まない! これ以上ないぐらいの摺り足で頑張っています」と答えていた。
甲斐は「大先輩方に囲まれて、こういうコンサートに出演させていただくことは、本当に光栄で嬉しいこと。帝劇の歴史をすごく勉強できますし、初演キャストの方々もたくさんいらっしゃるので、これから僕が20年、30年、40年経って、そういった存在になっているのか、背筋を伸ばされるような感じ。いつか帝国劇場が新しくなった時には第一線でやれるよう頑張ります」と自分に気合いを入れていた。
佐藤は「僕の中では帝国劇場はミュージカルというイメージがすごく強かったんですけど、演出の中でミュージカル以前の芝居を感じる瞬間がたくさんあって、本当に歴史のある場所なんだと感じることができるコンサート。熱い思いで届けたい。でも、なぜ最後の最後に、ずっと歌でやってきた僕が(舞台のセンター)0番で踊り踊っている。本当に申し訳ないと思いながら、びっくりするほど練習したんです。その姿も楽しんでいただきたい」と胸を張った。
島田は「この大切なステージに立たせていただけることが本当に夢のようです。旧世代の私ですが、全日程に出させていただくので、しっかり頑張りたい。後半の方で、“今の帝劇から次の帝劇へ”という場面があって、毎回その場ではウルウルしちゃうんです。感謝を込め、また未来の希望を胸に頑張りたいと思います」と想いを語った。井上は「歌穂さんが歌われるレミゼの名曲は見どころです」とアピールしていた。
稽古場での雰囲気を問われ、井上は「今や僕とか浦井君が(出演者の)中間。だから上も下も存じ上げている中間管理職的な気の使い方でした」と笑わせ、若手の三浦は「最初は、隅っこの四隅で消えそうでした」と応酬。宮野は「視覚的に“初めまして”の方が多かったんですけど、隣に座ったのが『自分のことを“シュガー”と呼んでください』という変な人。その容貌で年下だったんですけど・・・」と佐藤を揶揄していた。その佐藤は「稽古場は明るく楽しくやらせてもらったんですけど、やっぱりそれは芳雄さんがいらっしゃったから」と井上を称賛。井上は「舞台稽古を通じてみんなの絆が強くなって、ハッピーな傾向ですね」と話を纏めた。
そして最後に、井上は「帝劇の想いが増すばかりで、どの場所も愛おしいです。この稽古場自体も使われることはないですし、男性更衣室のノブが黒い紐なんです。それすら愛おしいし、全部が愛おしく感じるような毎日です。僕たちは今日から28日まで毎回出させていただくので、帝劇とのお別れがしっかりできるすごくありがたい立場。何よりもお客様一人ひとり思い出があると思いますので、劇場にいらしてくれた皆さんとは思い入れを分かち合いたいです。日本の演劇界とっては大きな節目でもあるので、最後まで感謝の気持ちを込めながら、皆で帝劇を愛し尽くして、抱きしめ尽くしてお別れしたい」と帝劇への愛情と別れの念を込めていた。
CONCERT『THE BEST New HISTORY COMING』
2025年2月14日(金)~28日(金) 帝国劇場
また、LIVE配信およびライブビューイング(全国84か所の映画館で実施)も予定。